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私はSNSからログアウトすると、年賀状の入った箱を開いてみた。
箱は年賀状より少し大きいくらいで、年賀状が縦にぎっしり並んでいる。
私は年賀状を取り出すと、一枚一枚消印や差出人をチェックし始めた。
お父さんは大雑把な性格だったみたいで、年賀状は全く整理整頓されていない。
とりあえず同じ年にもらった年賀状は大体固まっていても、消印の年は全然順番通りに並んでいなかった。
一時年賀状の枚数はかなり減ったみたいだけど、途中からは以前より増えている。
多分、枚数が減ったのは携帯電話で友達に年賀メールを送るようになったからで、途中から枚数が増えたのは就職して職場の人達に送るようになったからだろう。
私が年賀状を捲り続けていると、度会さんが差出人の年賀状が出て来た。
読み易い綺麗な字で書かれていて、年賀状に書かれた和暦からすると、高校時代に書かれた物だろう。
私は試しに高校――今まで知らなかったけど、お父さんは私やお兄ちゃんと同じ高校出身だった――の卒業アルバムを開いて、度会さんの写真を探してみる。
三年A組の中に度会さんの名前を見付けて、その上にある写真を見てみると、白衣がよく似合いそうな、なかなか整った顔立ちの男の子だった。
もっと軽そうな感じの人だったら、お兄ちゃんと一緒でも会うのはちょっと怖かっただろうけど、こういう真面目そうな人なら安心だ。
いきなり真逆のタイプの大人になっていないとも限らないけど、高校生からそこまで極端に変わる人は、きっと少数派だろう。
私はついでにお父さんの写真も探してみたけど、同じクラスにお父さんの写真はなかった。
多分、度会さんとお父さんは他の学年で同じクラスだったのだろう。
でなければ、部活動が同じだったのかも知れない。
私が試しに部の写真を探してみると、科学部の写真に度会さんが写っていた。
あまり人気がない部みたいで、部員は四人しかいない。
そして度会さんの左隣には、お兄ちゃんそっくりの人がいた。
お父さんだ。




