表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/126

―74―

 現職の警官が話せないなら、退職した警官に訊くのは駄目なのかなあと私は思ったけれど、きっと無駄だなとすぐに思い直した。


 そもそも退職した警官がどこの誰なのか知りようがない。


 突き止めて通い詰めれば、いつか見たドラマみたいにここだけの話として話してくれることもあるかも知れないけど、ジャーナリストでもない只の子供にそうそう話してはくれないだろう。


 今はSNSであっという間に情報が広がる時代だし、事件や事故に関わった人物の特定だってできてしまう。


 迂闊な真似をすれば、世間から袋叩きにされるのは目に見えていた。


 それでなくても、公務員が職務上知り得た情報を外部に漏らしたら、退職後でも罰せられるのかも知れないし。

 

 やっぱりお父さんの友達から情報を集めて、あの『毛倡妓』の正体を突き止めるしかなさそうだ。

 

 私がそう考えていると、お兄ちゃんがまたおばあちゃんに尋ねた。


「父さんの事件の捜査って、あんまり捗ってないみたいだけど、どうしてか訊いたことある?」

「ええ。警察の人が言うには、お父さんは犯人が立ち去った後、自分で刃物を抜いたそうなの。だから犯人は返り血を浴びていなくてね、簡単に人混みに紛れちゃったんだろうって。あの日は丁度近所でお祭りがあって、いつもより人通りが多かったそうだから。十年前は一般家庭には防犯カメラはあまり普及してなくて、防犯カメラがある場所はほとんど駅やお店に限られていたから、住宅街の方に逃げられたら、なかなか足取りを追えないそうだし」

「……何とか、見付けてくれるといいね」


 私はそう言ったけど、本当のところはほとんどあきらめていた。


 毎日のように新しい事件が起こるのだから、未解決事件の捜査はどうしても後回しになるだろうし、人手だって割けないだろう。


 これだけ時間が経って見付けられないなら、犯人がまた別の罪を犯して、警察に指紋やDNAを採られでもしないと、そうそう見付かることはないに違いない。


 できれば、犯人にはお父さんを死なせた報いをきちんと受けさせたいけれど。

 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ