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「あー、言われてみれば、確かに最初はじいちゃん達から話を聞くのが良さそうだな」
お兄ちゃんが納得してくれたところで、私はスマートフォンを操作しておばあちゃんのメールアドレスを選び出す。
おじいちゃんにもおばあちゃんにも子供の頃からとても良くしてもらっているけど、私はおじいちゃんの厳しいところが少し苦手で、おじいちゃんよりおばあちゃんに懐いていた。
おじいちゃん達に連絡を取る時には、大体いつもおばあちゃんにメールをしたり、電話をしたりしている。
私はメールの文章を入力しながらお兄ちゃんに訊いた。
「こういうのって、やっぱり直接会って話した方がいいよねえ?」
「そうだなあ。メールだと長いやり取りになりそうだし、電話だと万が一母さんが帰ってきた時にまずいし、やっぱり会って話すのがいいんじゃねえ?」
「だよね。お兄ちゃんも行くでしょ?」
「そうだな。じいちゃん家に行くの、久し振りだし」
お母さんが忙しいのもあって、小さい時はちょくちょくおじいちゃん達の家に行って面倒を見てもらっていたものだけど、お兄ちゃんが中学生になってからはめっきり減った。
その頃には私も小学三年生になっていて、一人で留守番もできるようになっていたし、おじいちゃん達に頼らなくても自分達である程度のことはこなせるようになっていたから。
大きくなるにつれて、だんだん部活や塾といった用事も増えてくるし、自然とおじいちゃん達の家に行く機会は減って、今年は年始の挨拶に行ったきり、おじいちゃん達には会っていなかった。
でもせっかくこうして用事ができた訳だし、お兄ちゃんも連れて行った方がいいだろう。
おじいちゃん達からしたら、お兄ちゃんだって可愛い孫だ。




