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 妖怪なんて誰が言い出したのかわからないものばかりだと思っていたから、解説を考えた人がわかってる人がいる妖怪がいるなんて驚きだ。


 もしかして、意外と新しい妖怪なのかも知れない。


「『ぬらりひょん』って、どういう成り立ちの妖怪なんですか?」

「江戸時代に鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれたことで知られているが、他にも『化け物づくし』『百怪図巻』といった妖怪の絵巻物に描かれているぞ。いずれもどういう妖怪かの解説はなかったのだが、藤沢衛彦の『妖怪画談全集日本篇上』には「まだ宵の口の灯影にぬらりひょんと訪問する怪物の親玉」という記述がある。何を以てこれを親玉としたのかは不明だが、恐らくは絵から想像したものなのだろうな。勝手に他者の家に上がり込むといった振る舞いに関しては、佐藤有文の『日本妖怪図鑑』などの児童書で作られたもののようだが」


 お兄さんは自称・妖怪の総大将だけあって、『ぬらりひょん』には詳しいようで、すらすらとそう答えて見せた。


 妖怪というのはその辺の都市伝説みたいに、誰が言い出したのかわからないものばかりのイメージだったけど、こんな風に創作に関わった人がある程度わかっている妖怪もいるんだなあと思うと、ちょっと不思議で面白い。


 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんて諺もあるし、妖怪のことをもっと知ることができたら、案外怖くなくなるのかも知れなかった。







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