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雪国の不幸話を4つほど。

皆さまこんにちは、こんばんは、はたまたおはようございます。


今回も来ていただき、真にありがとうございます。


前頁でも申した通り、雪国ならではの不幸話をしていきたいと思います。



さて、何から話しましょうか。色々ありますよ。

まあ、想像できる話ばかりでしょうけどねぇ。



まずは小学生くらいの頃の話をしましょうか。


私の家の近くには小さい規模のダムがありまして。ダムと言っても貯水池として機能しているものではなく、その地域に住む子供にとっては、遊具がない広い公園、言ってしまえば学校のグランドみたいなものでした。

その公園は私が住む住宅街に隣接していて、住宅街よりも低い位置に、そのグランドは広がっています。

私たちはそこを、ダム公園と呼んでいました。


小さい頃は、兄やその友達と一緒にそこでサッカーや鬼ごっこやらをして走り回っていましたね。

冬は雪が積もるのでソリを使って遊んだり、雪合戦をしたりと、まあそれはそれはとてもよい遊び場でした。



ある冬の日、兄と兄の友人らと一緒に、いつものようにダム公園に向かいました。

スキーウェアを着て、もこもこした帽子もかぶって、しっかり寒さ対策をして。


ダム公園には小さい用水路、というんでしょうか。雨などで降った水が、住宅街からその公園に流れるようにと作られていて、その用水路には春におたまじゃくし、夏にはコオロギが住み着きます。


水路の一部には、住宅街から流れてきた水の流れを緩めるためなのか、大きな四角い形をした穴、まあ受け皿みたいなもんなんでしょう。そういうのがありました。高低差によって結構水の勢いが早くなるんですよ。もちろん、そこの水路には鉄格子がしっかりはめられています。


ですが、下までたどり着くと、その鉄格子はなくなるんです。


その大きな穴も、例外ではありません。


豪雪地帯とも呼ばれる私の故郷は、その大きな穴を覆い尽くす程度には雪は降るんです。

公園で遊び尽くして、疲れた私たちは、さあ、解散しよう、お家へ帰ろう。そう歩きはじめた時でした。


ズボン!と、私は見事に雪で隠された落とし穴に落ちてしまったのです!

びっくりどころか、もう大慌てです。

そう、その穴は雪で隠されてるだけで、内部の水は、薄氷を残して全てつめたぁい水。


もう泣き叫びながら兄に助けを求めて、ようやく助け出された頃には全身ずぶ濡れ。しかも0度に近い水に、汗をかいた直後の身体を漬けたもんですから、それはもう寒い寒い。


すぐ近くにある家に泣きながら帰って、私の様相にびっくりした母親はすぐお風呂を入れてくれましたよ。


そのあと風邪をひいたかって?

さあ、覚えてませんよ。

でも、私はその穴にはしばらく近づけませんでしたね。




次の話も小学生ですね。


この話は短いですが、まあこれまたマヌケなお話です。


ダム公園の水が怖かった私が次に目をつけたのは、大きく積もった雪山でした。


2メートルはあるんじゃないかという高い雪山によいしょよいしょと登り、そこを歩くのが楽しくて、まあ外に出れば一生懸命登ってました。


その日は、多分兄も一緒にいたのかな?

家にある小屋の脇に積もった雪山にこれまた登りはじめた私は、いつもと違う感触に気づかず、天辺を目指していました。


しかし、ズボッ!と、小さな浮遊感、というなの落下をした私は、一体何が起こったのか理解できていませんでした。


だって普通に立ってるんです。

落ちたはずなのに、運動音痴の私が転ばずに立ってるんです。


片方の足が冷たぁいものに包まれているのを感じ、恐る恐る下を見たら、それはそれは見事に、足の付け根まで雪にしっかり埋もれてました。


引き抜かなきゃ!ともちろん慌てますが、吐いてる長靴が綺麗にハマっているせいで、うまく抜けません。

多分工夫をすれば抜けたかもしれませんが、この時の私は垂直方向に抜くことしか頭になかったのです。



もうどうしよう、どうしよう!と焦っていると、すぽん!と抜けました。

足だけが。


長靴を床の中に置き去りにして。


抜けた勢いで転んでしまった私は、今度は足の空虚感に戸惑い、長靴がないことに気づいて、またその穴に足をはめました。

だって長靴なきゃ帰れない!

そう思って抜こう抜こうと頑張りますが、まあ足しか抜けなくて。


泣きたくなっていたら、多分、兄だったんでしょう。長靴を置いて帰る決断をしてくれたのは。


明らかにしょんぼりして、靴下に包まれた足を雪につけて、家に戻りました。


後日、長靴は無事母の手によって救われたのですが、これまた私は勘違いをして、長靴は春になって救出されたとばかり思っていたんです。

大学生になる直前まで。


ほんと、おかしいでしょう?



そういえば小学生の頃はよく家のドアに指を挟めていました。

雪国なので、しっかり分厚い重いドア。

まあ小さな私にとってそのドアは開けづらいものだったんでしょう。


閉める直前に指を挟めるのはしょっちゅうで、その度に泣き叫んでは母が飛んできて指を冷やしてくれました。

兄はそこまで挟んだことはないそうなので、私が特別マヌケ、不運だったんでしょうね。




閑話休題。


次は中学生くらいでしょうか。

これは学校に行こうと、家を出てすぐのことです。


私の家は扉を開けて、2歩も歩けば階段があります。

その階段は割と幅が広いんですが、コンクリート剥き出しなので、そのまま座るとお尻が痛くなります。


学校にギリギリ間に合うか間に合わないかの時間に家を出た私は、足元をまともに見ずに階段を降りようとしました。


ら、見事にツルッと転がり、ドシン!と尻餅をつきましたよ。



もうそれはそれは痛くて痛くて、その場で呻き声を上げ、涙目になる程度には痛い。さらにお尻がじぃん、と痛みを継続して伝えてくるもんですから、しばらく動けませんでした。


犬だって三歩は歩くのに、私は三歩も歩け無かったんです。悲しみでいっぱいですよ、本当。



そのあとは私の声が聞こえたらしい父が出てきて、笑いながら学校へ送ってくれました。


遅刻はしませんでしたが、椅子に座ると痛みが伝わってくるもんですから、その日の授業は地獄でしたね。




雪にまつわる話はまだあるのですが、あと一つだけにしましょう。

これも、滑って転ぶ話なのですが、さっきとはちょっと違うんです。



高校3年、はっきり覚えています。

この時期の生徒には、滑るは禁句ですからね。


学校の帰り道、雪が横殴りに降っていました。


前はまともに見えず、俯きながら歩いていた私の視界には、真っ白い雪畳の景色が広がっています。

言葉にすれば美しく感じますが、実際は泥やら何やら混ざってそんな綺麗じゃないです。


さて、そんな道を歩いていたら、まあ、ツルッと滑るわけです。

あっ、と思う頃には私はすでに転んでいたのですが、しばらく思考停止状態になりました。



なぜかって?


転び方がおかしかったからですよ。



階段で転んだ時とか、普通に膝を打ちつけたりする転び方がじゃなくて、すとーん、と真下に落ちたんです。

言うなれば逆さのT字になりました。


足は半開脚で、体は真っ直ぐ歩いていた時の姿勢を保ったまま。

行き交う車をぼんやり眺め、思考停止したまま転んだ原因をみれば、そこはタイルが敷き詰められた場所でした。


雪で隠れていたにしても、ここのタイルってこんなに滑ったっけ? と、思わないではいられませんでしたが、この状態でいる方が恥ずかしいことにようやく気づいた私は、慌てて立ち上がろうとして、また靴が滑ります。


すぐに立ち上がらなくて、脚も変な方向に伸びたからかツキツキと痛くて。

何が起こったのかはっきり理解しないまま、私は帰り道をそ知らぬ顔で歩きました。


これは家族に報告せねば、と。

きっと笑い話になるな、とおもって。



雪にまつわる不幸な話はこれくらいです。

次はなんのお話をしましょうかね。


自転車の話でもしましょうか。

あ、パンクとかそういうよくある不幸じゃないですよ。

楽しみにしていただければ幸いです。



それではみなさま、さようなら。


次も、読んでやってください。




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