⑦冬休み
冬になり、カップルが街に溢れた。
玲奈は相変わらず翔が好きでいつ告白しようかタイミングを見計らっている。
そんなある日、6人でイルミネーションを見に行った。玲奈は翔の横を歩こうと努力しているのが目に見えてる。私は前に協力したわけだし特に反対しないんだが、みてて気持ちがいいものではなかった。
その時、玲奈からメッセージが届いた。隣を歩くのを諦めたのだろうか。
「ねぇ、いま翔に告白してみていいかな?」
「いいタイミング待った方がいいんじゃない?」
「例えば?」
「バレンタインとか?」
「あー!いいね!バレンタインに私告白する!」
上手くいくかは別として楽しそうだからいいや。
年が明けてすぐ、私は翔に呼ばれて高校へ行った。軽音部は冬休みは自主練のみなので久しぶりの登校だ。登校とはいえ後者に入るわけではないから私服で行く。着くと既に翔が待ってた。何を言われるのだろうと思っていると、
「なぁ美琴、おれと付き合ってほしい」
ストレートに言われてびっくりした。だが翔のことはかっこいいと思っていたので了承した。玲奈が好きなのは知っていたが、諦めてくれるだろう。しばらく彼氏いなかったし、自分で言うのもなんだが、私たち二人はお似合いだと思う。二人でそのまま並んで歩いて話をした。
「いつから好きだったの?」
「文化祭からかな」
「じゃあなんで今なの?」
「言いたいけど言えなくてずっと悩んでた。でも雪が溶ける前に言いたかったんだ。」
「そう、、なんで雪?」
「一緒にイルミネーション見たかったんだ。」
「イルミねーション?」
「ああ、イルミネーション」
「じゃあ、今から行ってみる?」
「行きたいな」
二人で駅前の大きな公園のイルミネーションを見に行くことになった。金色に光るもの、カラフルに光るもの、動くもの、トンネル型のもの、など様々なものがあったがどれも綺麗だった。
冬休みが明けて学校が始まると大きな変化が2つあった。1つ目は私たちが付き合ったことがバレていた。イルミネーションの1日しか一緒に歩いてないのに誰かが写真を撮ったらしい。教室に入ると女子に群がられ、詳細を聞き出された。もともと私たち二人はお似合いだと噂されていたらしい。2つ目は翔の印象が変わった。なんでも出来て優しい感じの男だと思っていたが、想像以上のバカだった。私の中で翔の印象が「バカ」で固定されるほどの馬鹿だった。よく考えると学力も低かった。玲奈に申し訳ないと思い心配したが、今日は休みのようだ。メッセージなどで私たちのことを知ったのかどうかは分からないが、顔を合わせなくて済むのは良かった。みんなが私たちをいじるのに飽きた頃でも構わない。あの6人での関係は変わらないだろうか、、






