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帰還勇者のための休日の過ごし方  作者: 一条由吏
超感覚探偵のエアポート滞在記
24/32

第4話 これだからKYは怖い

お読み頂きましてありがとうございます。

「あれっ。この先に地下通路があるみたい。」


 再び地上に戻ったときに僕の触覚が微妙な空気の流れに気付き地下通路を見つけた。出雲さんが所属していたころにはこの第4滑走路自体が無かったので知らないそうだ。だが空港職員や関係者が通る通路として滑走路の地下には普通に存在するらしい。先に言ってよ。


「非常時だから開いているぞ。きっと。」


 普段は鍵が掛けられているらしい。通路を確保した僕たちは真っ直ぐに伸びた真っ暗な通路をひた走っていく。もちろん先頭は僕だ。視覚に神経を集中させれば昼間のように見えるからだ。


 途中、通りすがりにZiphoneフォルクスのマスコットキャラクターを見て目をむいていた空港職員がいたが気にするまい。


 ようやく成田空港駅に到着する。テロリストたちは4階南ウイングのチェックインカウンター付近だ。成田国際空港警備隊の主力はこの付近に配置されているらしい。それにしても北ウイングにも警備隊が配置されており、テロリストがどちらのチェックインカウンターを攻めるかわからずに分割して配置してしまっているらしい。


 とにかく僕たちは中央エレベーターに乗り込み5階の展望デッキに向う。この階にショップやレストランの店員を含め100名以上の人々が取り残されている。


 エレベーターは透明であるため、数秒テロリストの視線にさらされることになった。


 機動隊姿の出雲さんは志正の影に隠れている。


 一瞬の間があってエレベーターはテロリストの放つ銃弾にさらされた。エレベーターの壁に幾つもの穴が開くが針金入りの強化ガラスが入っており、殆ど銃弾は僕たちに届かなかった。


 救出した人々をエレベーターで降ろすつもりだったのだが、穴だらけのエレベーターへ乗ってくれるとは思えない。やっぱり、テロリストを倒す方向で進めるしかないのか。


 『箱』スキルには金属バットも瑤子さんが誘拐されたときに入れたままの拳銃もあるが、緊急避難とはいえ武器を使えば罪に問われる。これだから日本はやっかいだ。


「あっ。『ナスシン』だ。」


 5階に到着するとそこに居たのはビデオカメラを抱えたカメラマンと数人のスタッフ。そしてレポーターらしき女だった。


 バカなのか。こいつらはテロの映像を撮影してどうするつもりなんだ。標的にしてくれというつもりなのか。それともテロリストの宣伝なのか。この映像が世界に広まれば日本が恥をかくということがわからないらしい。


「『ナスシン』さんですよね。」


 僕の愛称を連呼しているのはレポーターの女だ。『西園寺れいあ』何処かで聞いたことがある名前だ。そうか『西九条れいな』に関する資料に載っていた女だ。


 この女。『西九条れいな』本人には知らせてないが芸能界におけるストーカーらしい。ほぼ同時期にデビューしているライバルらしいのだが、コネを使い『西九条れいな』主演作品の半分以上に登場している。


 しかもツンデレ属性らしく本人に対してはキツく当たるのに『西九条れいな』フリークとしては度を越している。主演作品は何十回も映画館に足を運び、同じ作品に出演できなかったときは同じテレビ局の近いスタジオの番組ならどんな番組でも出演するという徹底ぶりだ。


 きっと僕の名前も『西九条れいな』のSNSコメントから知ったのだろう。アドレナリン臭がするのは興奮しているせいだ。しかも急上昇しているということは彼女にとって僕と出会ったことが目の前に繰り広げられているテロよりも興奮することらしい。


「そこ撮影しないで!」


 女は無視することにした。カメラマンの持つビデオカメラを破壊したい衝動に駆られるが後で弁償させられたらと思うと躊躇する。簡単に払える額じゃなさそうだ。


申し訳ありません。ダンスの発表会のため少し投稿ペースが落ちます。

来週あたりには元に戻す予定です。

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