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第10話

ダンジョンから出た俺は人里を探すため、以前登った巨木に向かう。あの木の天辺から見える範囲に人里があればラッキー、無ければ最寄の山へ。山から望めば人里が見えるだろうし、登山道でもあれば人を出会える可能性が大幅に上がるからだ。


 まずは巨木に登ることにした。筋力が上がってる恩恵もあって前より楽に登ることができた。今回はなるべく高い所を目指す。登るほど枝が細くなり落下する可能性が上がってしまうのでギリギリまでで止めておこう。


 丁度俺の重さにギリギリ耐えられるところまで辿り着いた。やはりこの木は周囲の木より頭3つは大きいようだ。どんな木の上から人里を探し目を凝らす。


 眼前には深緑の森が遥か彼方まで広がっており、その森が終わるところには緑が一つも無い岩山が鎮座している。人里は見当たらないな。


 だが一つ可能性を見つけた。ここから真っ直ぐ向かったところに木の切れ間を見つけた。それが所々に見受けられる。森の中にある木の切れ間・・・道である可能性があると思う。まずはそこを目指すことにしよう。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 木の切れ間はやはり街道だった。しかも中々の大きさだ。街道は街と街を繋ぐ物なのでどちらに向かっても人里には出られる。逸る気持ちを抑えて街道を歩き人里に向かうことにした。人里まで何キロあるか分からないのに走るのは後で困るからな。


 子一時間も歩いた頃前方で声が聞こえてきた。その声は話し声ではなく助けを求める叫び声だった。


 「アシッドベアーが出たぞー!早く騎士団に連絡をー!」


 どうやらモンスターが出たらしい。やっとイベントらしいイベントが発生したな。これで二股人参以外に魔法の試射も行える。胸が躍るのを感じながら声の方へ走る。


 木が開かれ、村が目に入ってきた。村内にある畑の一ヶ所で緑の熊と中年の小太りな男性が対峙しているのが見えた。


 男性は農業用のピッチフォーク・・・だったかな?それで熊を刺しダメージを与えつつ時間稼ぎをしているようだ。緑の熊は2メートルほどの大きさに見え、男性を圧倒している。よし、加勢しよう。俺は男性に近付き声をかける。


 「大丈夫ですか?手伝いましょうか?」

 「何やってるんだ!早く逃げろ!騎士団が来るまで少しでもこいつから離れるんだ!」

 予想以上に切羽詰ってるようだ。しかもこの緑の熊は相当強いらしい。それならこの魔法を使ってみようか。


 魔法をイメージ、パズルを組み、発射!


 熊の足元から鋭く尖った大岩が生み出され串刺しにする。緑の熊は少しバタバタともがいたが間もなく絶命した。なんだ、あんまり強くないじゃないか。


 そんなことを考えているとポカーンと呆けた表情の中年男性がこちらを見ている事に気付いた。


 「何者だ・・・?」


 中年は俺の顔を見ながら独り言のようにそう言った。

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