俺、職業変わります。旅人→教師
もう天の光が沈んで6時間以上たったというのに未だに銃声音やら金属のぶつかる音、魔法による爆発音などがあちらこちらで聞こえる。
この世界はおよそ1500年前から剣や銃を使った争いから魔法を多用した争いに変化していった。といっても魔法は突然発現したわけでもなくこの世界ができた時から存在している。
しかし、歴史書によるとおよそ2000年前まではこの力が争いごとに使われたことはなく日常生活レベルでしかなかった。
その200年後、ある人物によって世界の常識が覆され新たな常識が再構築されたのである。
それが現代魔法の基礎として人々の中に刻み込まれ当時の魔法とは比べ物にならないほどの魔法が開発されていった。
魔法の発達は人々の生活を豊かにする一方、争いごとが増えていったのは間違いない。
現に資源の取り合いで2つの国が争っている。
どちらの国も生活資源に困っていないが新たな発掘場所が発見されれば取り合いになる。それが国の境ならなおさらである。
そして、この俺。
今、危険地帯、、、。はい、分かっています。
どう見ても刻々と死に近づいている。
どうしてものか。
第三戦力として戦うのは何かと不味い。それ以前に不可能。
困った。
「、、、」
ガチャ
四方八方から銃を向けられる。
あっ、これ詰んだ。
自力では無理だ。
この状況下を体術だけで脱出できるのは各国で10人もいないだろう。
魔法とか道具とかを使えば別だが。
仕方がない。あれを使うか。
勿体ないけど。
はい、脱出玉。これ違うわ。
ガサガサ。あった、転移玉。
この転移玉。魔法による転移と違い魔力を流すだけで転移できる便利な物。しかし、困ったことが一つ。
行きたいところに行けるわけでない。行ったことのある場所へとランダムで飛ばされる。
それが海でも火山でも樹海でも地形、環境関係なく、そしてトイレも例外ではない。人がいても。
俺は賭けに出る。
神様どうかお願いします。変な場所に飛ばさないでください。
俺は右手に魔力を込める。
シュン
転移の瞬間、目の前が真っ暗になる。
そして、転移している感覚が終わり目を開けると、、、真っ暗でした。
初の転移失敗?いや、地面がある。決して海底ではない。水がないから。
暫くしてどこからか声が聞こえる。それも聞いたことのある声だ。
誰だ?女性なのは確かだ。それも二人。
「私では無理です!」
「これは決まったことです。」
「でも!あのクラスは!」
「、、、分かりました。1学期は我慢してください。」
あー、わかった。学校だ。それも高等学校。10年前に卒業した。
でも、あの声は3年生のときの担任だ。もう一人は知らないが。
それにしてもどこにいるんだ?
こんな場所行ったことは、、、と考えているうちに話し声がしなくなった。
これはチャンスだと目の前を蹴り飛ばす。
ガシャーン
見事な金属音。
立派な椅子に座った元担任。
そして、卒業生の不法侵入。
「「、、、」」
沈黙。
「失礼しました。」
「待ちなさい。」
はい、無理ですよねー。
「あなたは誰ですか?」
昔と変わりなく冷静だな。しかし、少し老け「軍隊でも呼びましょうか?」
あー、これは素直に言うしかない。
「えーと、卒業生のジル=グランセです。訳あってこんな場所にいますが。お久しぶりです。マハル先生。」
「、、、」
「覚えていますよね?優秀な生徒でしたから。あと、相変わらず綺麗ですね。」
「えぇ、覚えていますよ。問題児のジル=グランセのことは。」
問題児って。悪いことは特に、、、してるわ。
「それで合ってますよ。合ってます。」
「そうですか。しかし、10年ぶりの再会がこんな状況下とは。今度はどんな悪さを?場合によっては警備兵を呼びますよ。」
マハル先生は本気だった。
「実は―――というわけでそこの大きな掃除ロッカーに飛ばされたんです。」
「はぁー。あなたの周りは立派に成長したというのに。」
「ため息をつくと幸せが逃げますよ。」
「あなたのことで逃げてます。」
「というわけで帰ります。」
俺は回れ右をしてドアに向かう。
しかし、人生はそううまくはできていないようだった。
「待ちなさい。」
本日これ二回目。
高校のときは数え切れないくらい言われ続けたが。
今となっては良い思い出ではない。
「なんですか?早く帰りたいんですが。」
「あなたは今、無職近い状況ということで間違いないですか?」
「ちが「そうですね。」、、、はい。」
あの目をされたら無理。逃げようとしても逃げ切れる自信がない。
「私たちが来る前からいるということは話は聞いていましたね?」
「いい「そうですね。」、、、聞いてました。」
理不尽すぎる。
「不法侵入をなかったことにする条件でお願いがあります。あるクラスの担任をしてくれませんか?月給50万で「分かりました。」ありがとうございます。」
おお、お金の力は魔法の力よりも強いのか、、、、、、、。
はい、分かっています。お金に釣られるのは俺だけです。
「それでどう何ですか?問題のクラスとは?」
「それは―――ということで半年もしないうちにここを辞めています。そして、彼女は去年教師なったばかりでとても優秀です。しかし、」
「何かしらの問題があった。」
「そうです。」
「俺の見解だと―――ではないですか?間違っています?」
「合ってます。さすが当時の"エイト"メンバーです。」
これは旅人の俺が教師になってしまったお話。




