第2話
スキル紹介
《アイテム鑑定》:アイテムを鑑定できる技能スキル。鑑定技能のレベルによって開示される情報が変化する。
視点変更の際人名を追加しました。
いきなり乱入してきた男、氷川 礼二はそのまま比嘉先さんに話しかける。
「比嘉咲さん!君もALOをはじめたのかい?」
「え、ええと…氷川君?」
「ここではゼロと呼んでくれ。リアルの話はマナー違反だからね。」
お前が言うな。ブーメランが投げる前から頭にささってんぞ。
そう突っ込みたいのはやまやまだが、俺は極力こいつとはかかわりを持ちたくない。っていうか、男女差別が激しいから男の俺の話なんかまったく聞かない。まぁ、その分女には優しい?から、比嘉咲さんは大丈夫だろう。じゃ、あとがんばってな。…ん?
立ち去ろうとしたとき、誰かに手を引かれた。そこを見てみると、
「…(ジー)」
「…ええっと、」
ヒナが俺の手をつかんで、こっちをガン見していた。そして比嘉咲さんのほうに視線を向ける。つられて俺も視線を向ける。
「今日が初めてなんだろう?ならばよろこんでほしい。このβテスターである僕が、ALOについて手取り足取り教えてあげよう!」
「え、ええっと、氷川…じゃなかった、ゼロ君、申し訳ないんだけど。妹もいるし…。」
「なら彼女らも一緒にどうだい?このトッププレイヤーの一人である僕がまとめて教えてあげるよ!」
「妹の一人は人見知りなんだけど…」
「まかせたまえ!この美貌で見事打ち解けて見せよう!」
…だめだありゃ、特に最後の方だめだ。ナルシストが暴走しだしてる。
再び俺は、ヒナを見た。
「…(ジー)」
ヒナは変わらず俺のほうを見つめている。…俺に止めろと?仮にも向こうはβテスターでトッププレイヤーとか言ってるんだぞ?そんなのとめるとかめんどくs…
「ーーさぁいこう比嘉咲さん!」
「え!?ちょ、ちょっと!放して!」
氷川…ゼロはついに直接比嘉咲さんの手を取り、引っ張っていこうとしていた。
それをみて、ヒナは一層強く俺を見つめる。
「うさぎさん…お願い」
…君のその俺に対する信用はどこから来るんだ…。…しゃあないかぁ。こんな女の子に頼まれたら、断れないよな?
俺はヒナの頭にポンと手を置き、前へ出た。
「はいちょっとまった。」
そしてそのまま、比嘉咲さんを連れて行こうとしているゼロの手をつかんだ。
ーーー比嘉咲 美鈴ーーー
あぁもうなんでこの人はこうも人の話を聞いてくれないんだろう…
私はゼロ…氷川君に手を引っ張られながらそう考えていた。
いつもそうだ、私があの人に声をかけようとしていたら、氷川君は割り込んでくる。そして聞いてもいないのにいろいろな話をしてくるのだ。別に氷川君に女の子を口説くなとは言わない。でも、私にかまわないでほしい。なぜならいつもあなたが割り込んできているその間にあの人は必ず立ち去ってしまうのだから…。だから、
「はいちょっとまった。」
彼が氷川君の腕をつかんで止めてくれたとき、あの人が来てくれたように感じて、うれしかった…。
ーーー稲葉 遊兎ーーー
「…だれだい?君は?僕たちの邪魔をしないでくれないかな?これから彼女の案内をしなければならないのだが…」
ゼロはいかにも不機嫌ですといった表情でこちらを見てくる。何が案内だ、彼女了承してないのに。イケメン+ナルシストってのは性質が悪い。
「彼女嫌がってんぞ?ていうか、それ以上はセクハラとしてGMコールされても文句言えないと思うが…。」
「なにぃ?彼女のどこがいやがっているというんだい?」
「雰囲気、表情、態度、どこからどう見ても100パー嫌がってると思う。」
「…そうだとしても、君のような部外者が介入してくるのはマナー違反ではないかな?」
「さっきからプレイヤー名じゃなく現実の名前連呼してるお前にマナー違反とか言われたくない。」
ぐっ、とゼロは黙る。…自覚はあったのか。全くないと思ってたんだが…。
あ、いいこと思いついた。
「…もしかしてプレイヤー名しらないのか?」
「なっ!?何を!?」
「知ってるんだったら言ってみろ。」
「ぐぅっ!」
再びゼロは黙る。ふふふここからここから…
「お前、それでよく俺のこと部外者って言えたな?」
「…っ」
「えーなんだっけ?部外者が介入してくるのはマナー違反なんだっけ?」
「ぐぐっ!」
「それだったらおまえはどうなんだろうねぇ?まず現実の名前をしゃべっただろ?それに今言った通り部外者への介入、そんで今セクハラまがいの行動…きれいに3アウトじゃねぇのかこれ?え?」
「ぐうぅ!」
出来る限り煽っていく。え?言い過ぎじゃないかって?まぁうん、日ごろの恨みも入ってるからね、しかたないね!よし続けよう。
「え?なんだ?呻くばっかりじゃなんもわかんねぇぞ?」
「…デュ…」
「デュ?」
ん?デュ?…何言おうとしてんだこいつ。
ゼロは先ほどまでうつむいていたが、突然顔をあげ、顔を真っ赤にして叫んだ。
「決闘だぁ!」
「…は?」
決闘、それはプレイヤー同士で戦闘を行うもので、HP全損とHP半減。あとは一撃決着の3つがある。…って今はそんなことはどうでもいいな。
え?デュエル?まじで?
「僕と決闘しろぉ!」
ゼロは俺を指さしてそう言う。あっるぇ?予定では顔真っ赤にして逃げていくはずだったのに…。
これはやり過ぎたのかな?顔真っ赤で復讐ってやつだ。いやぁ、こわいねぇ。
「いやに決まってんだろ?」
「逃げるのか!?」
「うん逃げる。」
「んなっ!?」
「だってめんどくさいし、やる理由ないし。」
俺は自分の思いをそのままいう。
やだよ決闘なんて、疲れるし、めんどくさい。
「こ、このぉっ!」
「どうしてもっていうんなら、なんか賭けろよ。」
「なに?」
「今の俺がお前とやっても、俺に全くメリットがない。なんか賭けろよ。」
「い、いいだろう!だったらこれをっ!」
お、なんか出した。なんだ?指輪みたいだが…
「《アイテム鑑定》」
俺は鑑定スキルを発動させる。
名称:契約の指輪
効果:契約状態の獣魔のステータス上昇。
概要:契約魔法の能力が上昇する指輪、契約魔導士たちからしたら喉から手が出るほどほしいもの。
ふむ、まぁ使わなさそうだが…うったら金になるかな?
「僕が負けたらこれをやろう!だから僕とーー」
「ーーおう、いいぞ」
「戦えっ…は?」
「ほらどうした?さっさと申し込み送れよ。」
「あ、あぁ…」
俺はあっさりと承諾する。しかしこれには理由がある。だってこのままさっさと始めれば…
俺が負けたときの条件を付けなくてすむだろう?
え?下種?汚い?…ありがとう褒め言葉だ。
ゼロはその思惑に気付かず、すぐに決闘申請を送ってきた。
決闘内容は、デスマッチ。
「デスマッチか…」
「どうした?今更怖気づいたか?」
「いんや?ちょうどいいなとおもって。」
「?」
俺はそう返して、決闘申請の承諾ボタンを押す。それで本来なら決闘が始まるのだが…
『デスペナルティ中は決闘はできません。』
そういう表示が現れて、承諾できなかった。
『・・・』
周りにいた者たちは俺を凝視する。
…(∀`*ゞ)テヘッ
アオイです。
どうでもいいですが私は遊戯王をやっています。
遊戯王、それは主に財力と運がものをいうカードゲーム。…まぁ大体どのカードゲームでもそれは変わりませんねw
このまえとあるカードを狙ってパックを買ったんですが…やはり物欲センサーとは偉大なもので…orz