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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
第4章「首刈兎はサンタを目指す」
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第2話

「ーーさて、弁明があるなら聞こうか?」

「え、えっと……あのですね?」


森林エリアでトレインまがいのーーというかあれは完全にトレインだーー行為をされ、何とかモンスターをまいた後、その犯人である女性プレイヤーを俺は地べたに正座させ、腕を組んで見下ろしていた。当然断罪のためである。モンスターをまいてそのままさいなら何てあるわけがない。


「えと……あ、自己紹介が遅れました。私ナギサともうしまーー」

「ーー弁明はいいのか?」

「ーーはいただいまさせていただきます」


そう、鎌を見せつけながら脅してやると、ナギサと名乗った少女は話し出す。……まぁ話聞いて許すとは限らんけどな。


「実は……」


ナギサが言うにはこういうことだ。彼女はとある目的で森林エリアまで来た。そしてその目的の遂行中、地響きが起こったかと思うと、知らないプレイヤーがこちらに走ってきた。無数のモンスターを連れて。そしてそのまま擦り付けられて逃げていたら、俺と遭遇したということだ。


「つまりトレインされたからほかの人にトレインしたと」

「違います! 実際はそうでしたけど、その気はなかったんです!」


俺の言葉に、猛反発してくるナギサ。……まぁ、実害はなかった……いやあったか。まぁ許してやらんこともない。


「まぁいいや。そんじゃまぁ、手打ちにしといてやるよ。んじゃな」

「え……ま、まってください!」


そのまま立ち去ろうとしたら呼び止められてしまった。んだよ?


「えっと……見たところ高レベルのプレイヤーさんですよね?」

「んー? ……まぁ、高レベルなのかね?」


あれから俺のレベルは48に上がったけどどうなのかね? 結構狩りとかやってたはずなのに、全然あがんねーの。


「よろしければですが、いろいろ私にレクチャーしてくれまーー」

「ーーだが断る」

「ーーえっ」


現在レクチャーしている3姉妹がいることに加えて、第一印象はマイナス。これでわざわざ教えてやる義理はない。ということで、


「あばよ」

「ま、まってください! こんな美少女が頼んでるんですよ! せめてもうちょっとーー」

「ーー美少女とか身近にいるんで間に合ってます」

「ーーどうせモニターから出てこないとかいうんでしょ!」


なんてことを言いやがるこいつ……。


「まぁとにかくやる気ないんで」

「ま、まってくださいぃ!」

「ぐぬっ!」


そのまま去ろうとすると、彼女は俺の足にしがみついてきた。HA☆NA☆SE!


「せ、せめて帰り際に話をしてくれるだけでいいんですぅ!」

「ええい! しらぬしらぬ! はなせい!」


なんか口調が変になってきた……。

結局押し切られてしまい、帰り際いろいろ質問されることとなった。このままログアウトしてやろうかな。


「よし、これでわかりました! ありがとうございました先輩! それじゃ行ってきます!」

「あーうん。いってら」


モンスターの居場所など、俺からいろいろ聞きだした後、ナギサは去っていった。嵐のような奴だった……。

俺はそのまま、街へと戻り、ログアウトした。願わくばもう会いませんように。


次の日、今日もベルたちは休みとのこと。なので俺はまた森へと狩りへ繰り出した。そこで俺は……


「ーーフラグだったか」

「え? どうかしたんですか先輩?」


森林エリアで俺は、再びナギサに遭遇してしまった。これが低LUKの力か……。


「それじゃ先輩。サポートお願いしますね!」

「あーうん。もう好きにしてください」


俺は、いつの間にか成り行きでナギサのレベリングを手伝うことになっていた。なにがどうしてこうなった。


「んで、お前(ジョブ)は何なんだ?」

「え? あ、そういえば言ってませんでしたね。……見ててくださいーー《召喚:トビ》」


そういって、ナギサがスキルを使えば、魔法陣のようなものが地面に浮かび、そこからモンスターが出現する。出てきたモンスターは……。


『キュー』

「げっ、フェザーラビット」

「そうです。フェザーラビットのトビです。でもって、私の職は召喚士です……って、先輩どうかしたんですか?」

「いや、ちょっとな」


思わず身構えてしまっていた。出てきたモンスターは家のベルさんのペットでおなじみ、フェザーラビット。フェザーラビットはあの食用兎(フィー)が頭に浮かび上がってくるからな……ついつい警戒してしまう。俺は悪くない。


『キュー?』

「トビ? どうかしたの?」


トビは俺の方をじっと見ている。なんだこら? オマエもやんのか? 受けてたってやんぞ?


『キュッ!』

「うおっ!?」


トビはいきなり飛び上がりーートビだけに……すまんなんでもないーー俺の頭の上に上ってきた。まさかそこから攻撃かと思ったら、そのまま頭にしがみついて落ち着いてしまった。


「……どういうことだってばよ」

「……なんか知りませんが懐かれたみたいですよ?」


まじでか。おそるおそる手を伸ばしてみれば、兎特有のちっちゃな舌で舐めてくれた。なにこれかわいい。


「ちょっとこいつ愛でるわ。レベリング一人で頑張ってくれ」

「ちょっ! 先輩トビは私のです!」


しばらくトビを取り合った後、俺はナギサのレベリングに付き合うこととなった。労力分の癒しはもらったからよしとしてやんよ。

アオイです。

絶賛課題に追われてる最中です。

レポート、演習問題、レポート、レポート、レポート……ほんと死んでまう。

だから執筆がはかどります。え? 別におかしくないですよ?(ハイライト消えた目)

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