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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
第4章「首刈兎はサンタを目指す」
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プロローグ

「ーーはい遊兎君。今日のお弁当!」

「ありがとう。今日のおかずは何?」

「えっとね。ポテトサラダとハンバーグと……」

「おぉ、俺の好物じゃん。やったね」

「ふふ、喜んでもらえたなら何よりだよ」


学校の昼休み。もはやおなじみのように机の向かい側に座った美鈴さんから弁当をもらう。

最初のころはなぜか美鈴さんが顔真っ赤にして弁当を食べにくそうだったが、今となっては特にこれといったこともなく普通に食べることが出来ている。俺も……最初はどうしたらいいかわからなかったが、今となっては慣れた対応ができる。……え? 何のことかって? それはな……


「稲葉ー」

「ん? 早瀬か……どした?」


弁当を広げようと思ったら後ろから声を掛けられた。振り向くとクラスメイトの男子だったので、何の用かと尋ねる。


「いや、ちょっと筆箱移動教室の時に忘れちまってな? 悪いけどシャーペンかなんかかしてくれね?」

「あーいいぞ。ちょっとまってろ」


そういって、机の中に納めている筆箱を取るために、鞄を漁る(・・・・)。そして鞄から適当なノートを取り出し、机の中に入れ……


スーッ(←ノートを机の端から端まで動かす音)

バチン!(←なにかはさんだ音)


お、掛かった掛かった。そのままノートを机から出す。


「……(チッ)」

「おーあったあった」


取り出したノートの先はばっちりとネズミ捕りがはさんでいた。まったく、最近の机の中は物騒だな。ちょっと目を離したすきに俺の爪を割るためにこんなものが入ってるんだから……。


「ありゃ、ネズミ捕り。お前も大変だな稲葉」

「わかってくれるか早瀬。だがさっきの舌打ちはしっかりと聞こえていたぞ」

「何のことかわからんな。それより早くシャーペンを……」

「わかってるって」


そう答え、俺は再びノートを机の中に入れ、端から端へと動かす。


バチン!


「「……」」


はい掛かりましたー。隙を生じぬ二段構え。ネズミ捕り二つ目でーす。

そして念のためもう一度ノートで机の中を探ったあと、筆箱を取り出し中からシャーペンを出して早瀬に渡す。


「……ファッキュー」

「お礼は英語でサンキューだぞ早瀬」


そう吐き捨てて去っていく早瀬を眺めた後、弁当に向き直る。さて、それじゃいただくとするかね……。


「……プーちゃん。すっかり慣れたわね」

「こっちでプーちゃんはやめろというに委員長……ってかいつのまに」


いつの間にか机の横についていた委員長を見る。夏休みを終えたあたりから委員長もこの食卓(?)につくようになった。


「あら、今日はプーちゃんの好物ばかりね。よかったじゃない」

「……やらんぞ」

「そんな顔しなくてもとらないわよ。まったく……愛されてるわねぇ」

「んな!? 菜由!? いきなり何を……」


委員長の言葉に、美鈴さんが慌てだす。何を言うかと思えばいまさら……


「そんなの見ればわかるだろ」

「あら?」

「うぇぇっ!? ゆ、遊兎君!? い、いきなりなにをぉ!?」


俺の言葉に美鈴さんが慌てだす。いやいや、そんな顔真っ赤にして慌てることないじゃん?


「美鈴さんがヒナたちを愛してるのは見ればわかることだろ」

「えっ?」

「……まぁ、そんなことだろうとはおもったわ」


その言葉に、美鈴さんは固まり、委員長は頭を抱える。え? なに? 美鈴さん急に元気なくして座っちゃったけどどしたの? ……なんかダメそうな雰囲気。


「んで、委員長。慣れたって何の話?」

「……強引な話題転換ね……まぁ、かわいそうだから乗ってあげる」


委員長は美鈴さんをちらりと見て、俺の方を見てくる。


「稲葉君って、嫉妬に狂った男子たちの対応に慣れたなって」

「あぁ……っと! ……そうかもな」

「……横から飛んできたボールを見ずにつかめているのは慣れたのレベルに入るのかしら?」


なんだ、人間をやめてるとでも言いたいのか? 失礼な。なにも俺は人間はやめてないぞ。ただ視界の端に男子の影が映ったので警戒してたら案の定ボールを投げてきたからつかんだだけだ。っと? なんかボールに紙がまいてある。なになに?


「『稲葉君へ、貴方のことが好きです。いま校舎裏で待ってます。この告白を受けてくれるなら、一人で来てください』……か」

「っ!!?」

「美鈴、落ち着きなさい。いたずらだから」


ふむ、校舎裏ねぇ……あぁ、こっから5人くらいの男子がたむろしてんのが見えるわ。何あいつらバットもってやがるおっかねぇ。


「にしてもなんであいつらはこんな直接的な手でくるんだろうか。もうちょっと穏便にしてほしい」

「あはは……最初はおとなしかったのにね? なんでだろ……」

「そりゃあなたたち、さっきみたいな会話見せられたら……」

「「さっきみたいな会話?」」

「……うん、自覚がないみたいだからもういいわ」


そう言ってあきらめたように首を振る委員長。……なんなんだろ?


「そういえばもうすぐクリスマスね。あなたたち何か予定はあるの?」

「ふっ、愚問だな委員長」

「あら? あるのプーちゃん」

「プーちゃんやめい。もちろんあるさ。それはーー」

「ーーなにもないよ」

「……」


なにやらかぶせるように美鈴さんが言ってきた。どしたの? まぁ続けよう。


「俺の予定、それはーー」

「ーー何もないよ?」

「……あのー美鈴さん?」

「なぁに?」

「一応、俺にだってクリスマスの予定くらいーー」

「ーーないでしょ?」

「……はい」


なぜおれは美鈴さんにクリスマスの予定を把握されているのか。いいじゃないか見栄張ったって。たまにはリア充アピールしたいんですけど……。


「遊兎君が私以外のひととクリスマス遊ぶ予定なんてあるわけないじゃない」

「お、おう?」


たしかにALOやる→美鈴さんたちと合流→遊ぶの流れになることは確定ですが……。あれ? なんか美鈴さんの目のハイライトが消えて見える。おかしいな?

しっかしクリスマスかー。またなんかイベントあるかねー?

アオイです。

なろうでアップデートがありましたね。

個人的には超能力な作品はどんなジャンルにすればいいのか悩んでいます。 空想科学? それともローファンタジー? そもそもローファンタジーとはどこまでなのかががが(圧倒的無知)

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