第3話
これは4話投稿の3話目です、1・2話をまだ見てない方はそちらからお願いします。
ALOでの就寝はタイマーで設定した時間まで、意識を落とすものである。(別に寝なくても活動はできるにはできるが、その分能力値減少のペナルティがかかる。)俺はきっかり7時に設定して起きたのだが…いかんせん、目を閉じたらすぐ朝になっているので、寝た気が全くしないという違和感に少し苦しんだ。
そして、俺はその後チュートリアルクエストを再開した。
『チュートリアルクエスト:はじめてのまものとうばつ を開始します。』
…なんだこのおつかいが始まりそうなクエスト名は…。
そんなことを思いながら、俺は案内に従い、街の外の草原を少し歩いたところにある森に行った。
ここで魔物を倒すみたいだが…さて、何を殺ればいいのかね?
『はじめてのまものとうばつ』:目的 森に存在するモンスターの討伐
対象 スライム、ゴブリンなどの森に存在するモンスター20体
ふむ、とりあえず手当たり次第にやればいいんだな。そうと分かればさっそく…っと、さっそく索敵に引っかかったな。ええと、こっちの方向か…。
スキル:索敵によって指示された方向に歩いていくと、そこには一体のゴブリンがいた。
『ギィ!』
「お、みっけみっけ。」
ゴブリンもこちらに気付き、威嚇をしてくる。はっ、こちとらすでにお前らを100単位でぶった切ってんだ。今更苦戦するかっつの。まぁその前に技能のレベル上げがてら鑑定をば…
「《モンスター鑑定》」
名称:ゴブリン
…それだけ?ま、まぁレベルが低いからだろううん。そのうちHPとか表示されるようになるさ。とりあえず狩るか。オープンっと。
俺は、鎌を展開してそのゴブリンに襲い掛かる。
ブン!(←鎌を振る音
スカッ(←ゴブリンが避けて外した音
…なんか前もこんなのあった気がする。ま、まぁもう一回
ブン!
スカッ
ギィ!(←ゴブリンの怒った声
ブン!(←ゴブリンが持っていた棍棒を振る音
ガン!(←それが俺にあたる音
「ぐおぉ…」
い、いてぇ、意外と衝撃があった…。うおっ、今のでHP30も減ってる…。
まぁそうだよなぁ。実戦だと、的が動くもんなぁ。油断大敵。
よっし、リトライだ。刃が当たらなくてもいいからまず当てよう。
そうして俺は、再びゴブリンと戦闘を再開するのだった。(ていうかゴブリン待ってくれてた。仕返ししたら気がすんだのか?)
…そして、
「ーーうらぁ!ーー《スラッシュ》!」
「ギィ!」
鎌を振ってはよけられるを続けて10分くらいたったあと、ようやくきれいな一発を入れることができた。
打撃とはいえダメージが蓄積されていたのか、ゴブリンはその一撃で倒れた。
「っしゃこらー!」
俺は勝利の雄叫び?をあげた。それと同時に、ファンファーレのようなものが鳴り響き、ウィンドウにこう表示された。
『レベルが上がりました』
「おっ?」
今のでレベルが上がったのか、どれどれ…
[ステータス]
LEVEL:2
HP:230/230
MP:90/90
STR:20
DEF:16
VIT:24
DEX:19
AGI:28
INT:18
WIS:14
LUK:10
[技能](6/10)
<鎌使いLV3><跳躍LV1><斬撃LV3><闇魔法LV1><探索LV1><鑑定LV1>
おぉ、技能も上がってる。…まぁあんだけ振り回せばなぁ。
「レベルは上がってるけどスキルの習得はなしか。」
まぁ一定の周期で覚えるんだろうな。
よっし、この調子…じゃまずいか、もっと早く行こう。
「ーーよいしょぉ!」
「ギィ!?」
日も落ちてきている頃、ようやく20体目を狩ることができた。おかしいな、確か狩りを始めたのは朝だったはずなんだけど…。まぁまず敵を探すのに手間取ったのがいけない。ちょうどよく1体しかいないのがいなかったんだ。え?なら群れを狩ればいいって?…5匹くらいの群れとは言えなさそうな集団に挑んだら袋にされて逃げる羽目になったんですがなにか?まぁあの経験から3匹くらいなら狩れるようにはなったけど…。
そんなことを考えていたら、ウィンドウにクエスト達成の文字が表示された。それと同時にファンファーレも鳴り響いた。クエストクリアでも経験値はもらえるようだ。
そんで今のおれのステータスがこれだ。
[ステータス]
LEVEL:4
HP:270/270
MP:110/110
STR:22
DEF:19
VIT:26
DEX:23
AGI:31
INT:20
WIS:16
LUK:10
[技能](6/10)
<鎌使いLV8><跳躍LV2><斬撃LV8><闇魔法LV2><探索LV4><鑑定LV2>
鎌使いと斬撃がもうチョイで10になるな。スキルは覚えるかね…。え?なんで跳躍と闇魔法が上がっているのかって?群れから逃げる時に目くらまししてハイジャンプで逃げたからに決まってんだろ。いやあんときはマジ必死だったわ。
さて、街に帰ろ…ん?なんか索敵に反応が(いやこれマジ便利だね。)…行ってみるか。
反応があったほうに行ってみると、なんか6人のパーティがゴブリンに囲まれてた。…どうしてそうなったし。囲まれているプレイヤーの1人が叫ぶ。
「クソッ!なんだよ雑魚のくせして苦戦させやがって!」
…あ、これちょっと前のおれとおんなじ奴や。雑魚と油断して群れにケンカ売ったんだろうな…。
俺の場合跳躍とかがあったから逃げ切れたけど、まぁふつう追いつかれてああなるよなぁ。
「気をつけよっと」
そうつぶやき、俺は街へ帰ることにした。え?助けないのって?だってさぁ…まず勝てるわけないじゃん?5匹に勝てないのに見た感じ20はいたよ?無理無理。それにさっき叫んでたあのプレイヤー柄悪そうだし…。そしてなにより
「野郎ばっかりのパーティ助けてなんになるんだ。」
ま、本当に死ぬわけじゃないから、これを教訓に頑張りたまえよ若人よ。はっはっは…
後ろで悲鳴がめちゃくちゃ聞こえてくるけどキニシナーイ。
そして俺は街に帰り、宿屋に帰った。
そして、就寝…はせず、ウィンドウを呼び出し、ログアウトを選択する。
まだ二日(二時間)しかやってないけど、現実だと11時くらいだからな。そろそろやめて、テレビゲームのほうにシフトしよう(ゲームはやるんだとかは言ってはいけない。)
今日は日曜日で明日学校だからなぁ…。なぜ運営は日曜昼にサービス開始してくれなかったのだ…。
そう考えながら、俺はログアウトした。
そして、ダイブ終了して現実。俺はVRIを外してベッドから起きた。
「…まぁ、5万の価値はあったな。」
そう思いながら、テレビゲームを起動しようとしたが、なぜかやる気になれずやめた。
「とりあえず今日は寝よう。」
明日学校から帰ったらさっそくダイブしよう。
そう考えながら俺は、寝ることにした…。
そして、現実での1日が終わった。
……………。
「…あぁ!?明日の課題やってねぇえええええええええええええええええええええええええ!?」
訂正、俺の一日はまだ終わっていなかった。