第2話
これは4話投稿の2話目です、1話目をまだ見てない方はそちらを見てからお願いします。
『訓練場へようこそ。訓練をしますか?』
「あ、はいよろしくお願いします。」
『ではプラクティスルームへ転送します。』
「え、ちょっとまt」
間髪入れずに転送された。説明とかないんですか…。
そう思っていたら、ウィンドウに
『チュートリアルクエスト:戦闘訓練 を開始します。』
と表示された。あ、そっちで説明してくれるのな。
『まずは武装を展開しましょう。武装展開ワードを発声してください。』
え、何それ知らない。と思っていたらすぐに単語がウィンドウに映し出された。これを言えばいいのか?
「オープン」
『武装展開ワードを認証。武装を展開します。』
その音声とともに、いきなり右手にズシっとした重量がかかる。見てみると、その手には大きな鎌が握られていた。1mと数十cmくらいの金属の棒に大きな刃がついている。それにタッチして、説明文を呼び出す。
【初心の大鎌】種別:大鎌
効果:耐久無限、譲渡不可
…うーん、ATKとかの上昇はなしか。そんでずっと使えると…まぁ初期装備だしな、そんなもんか。んで、ずっと使えるようになってると。これはありがたいのかね?さて、あとは技能のほうだな。
<鎌使いLv1>あなたは鎌の扱いに長けている。LVごとに鎌の攻撃威力上昇。
スキル:首刈り
<跳躍Lv1>ジャンプ力が高くなる。キックの威力にボーナスあり。
スキル:ハイジャンプ
<斬撃Lv1>あなたは切ることに関してある程度の知識がある。Lvごとに斬撃タイプの攻撃威力上昇。
スキル:スラッシュ
「ファッ!?」
…なんか物騒なスキルがあるんだが…とりあえず見てみるか。
スキル[首刈り]:アクティブスキル このスキルを使用した攻撃が相手の首部分にヒットした際、即死にする。(確率は威力依存)
スキル[ハイジャンプ]:アクティブスキル 高くジャンプすることができる。
スキル[スラッシュ]:アクティブスキル 威力を強化した斬撃を放つ。
「…えぇ…。」
ちょっとまてよ何だよ即死って、この職業ってバランスブレイカーだったりすんの?いや、まぁ部位の制限があるし、いいのか?
と、とりあえずいろいろと使ってみればいいだろ。まずは跳躍技能のところから…
おれは足に力を入れ
「《ハイジャンプ》」
飛び上がった。
「ぐふぉぁ!?」
おれは一瞬でプラクティスルームの天井にぶち当たっていた。ちょ、飛び過ぎ…そして早すぎ…。
そしてそのまま真下へ落下。飛び上がった高さは軽くビル五階分くらいの高さはあったと思う。
「ちょ…ま…」
俺はそのまま地面とキスをした…。
ここが、訓練所でよかった。実際のフィールドでやったら死んでたところだ…。
「と、とりあえず…これで跳躍はわかった…次いこう…。」
訓練所の機能で、動かない設定のモンスターを出してもらう。対象はゴブリン。緑色の肌と小学生くらいの身長で有名?なモンスターである。討伐推奨レベルは3、つまり初心者のちょっとうえの相手になるということである。
とりあえず普通に切ってみるか。そうおもい、俺は鎌を振った。
ブン!(←鎌を振る音
ガン!(←鎌の刃じゃない方が当たる音
…も、もう一回
ブン!
ガン!
……
ブン!
ガン!
「あたんねぇじゃねぇかあああああああああああああああああああ!」
何だよこれ!首以前の問題だよ!刃が当たらんだろうが!これ鈍器じゃねぇから!
いやうん、たしかに鎌って内側に刃がついてるよ?でもこれはないだろう…
そもそも切れんのかこれ…
ためしに俺はゴブリンの首筋に鎌を当て、引っ張ってみた。
すると、スッと鎌が引け、ゴブリンが光となって消えていった。
「…あぁ、切れ味はいいのね。」
当たれば強いと…しゃあないやるかぁ。
俺はしばらくずっと、鎌を振り続けた。
ブンガンブンガンブンガンブンガン・・・ブンズバァ
「お、今のはうまくいけたんじゃね?」
そこからさらに数十体のゴブリンを殴り倒して、ようやくうまく切れるようになってきた。
おし、そんじゃスキルも入れてみるか。
「《スラッシュ》」
とりあえず新しく出たゴブリンにスラッシュを叩き込んでみる。すると一撃でゴブリンは光となった。
ふむ、まぁ打撃2回斬撃1回で死んでたからな、スキル入れたらこんなもんかな?
さて次は首刈りか…。正直振って首狙えるか微妙過ぎる…。
まぁやってみればいいか。
「《首刈り》」
スキルを発動しつつ、鎌を振り切る、斬撃タイプの攻撃が入ると体に線のエフェクトが走るのだが、今回エフェクトが走った場所はゴブリンの肩のあたり、やっぱり首をピンポイントで狙うのは難しいか…。
とりあえずこれは死にスキルとしとこう。
次は魔法だな。
<闇魔法Lv1>闇魔法を扱えるようになる。
魔法:シャドウミスト、シャドウボール
ふむ、今つける魔法はこの二つか。まぁ使ってみればわかるか。
「《シャドウミスト》…うぉっ!?」
俺を中心に半径10mくらいに真っ黒な霧が広がった。おそらく目くらましになるんだろうが…
「俺も見えねぇぞこれ。」
ダメじゃねーか。次だ次。
「《シャドウボール》」
今度は真っ黒な球体が作り出された。つついてみると結構固い?そんでその球体はその場に浮遊しているので、つつくごとにふわふわと飛んで行っている。
「…で?」
え、これだけ?何の意味があるんだこの魔法。つつくと動くから足場にもなんねぇぞ…。
はぁ、魔法の選択失敗したなぁ。といっても空いてるスキル欄に魔法入れるのもなんかもったいないし…。
鎌で頑張るしかないかぁ。
そんなこんなで、俺はその日は夜までずっと訓練所で訓練していた。(ちなみにクエストだが、訓練を終了したら自動的にクリアされた。報酬は100G)
そして、俺は宿に入って、部屋を借りた。代金は一泊20Gである。
ちなみに、ALOでの1日は思考加速なんちゃらにより現実時間での1時間となっている。
「明日はフィールドで実戦だな。」
そうつぶやきながら、俺は就寝した。