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首刈兎は今日も行く!~三姉妹とのペットライフ~  作者: 真田 蒼生
第2章 「首刈兎は初イベントに挑む」
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第5話

…さてと、フィールドに出たはいいがこれからどうするかね。

イベントフィールドは、広場から見たときと同じく巨大な木々に覆われていた。短いものでも3階建ての建物くらいの高さはあるだろう。


「広場の時から思ってたけど…大きいねぇ」

「見上げると首が痛いですね」

「たかーい」


ベルたちも同様の感想をもったようだ。

まぁそれはいい。いまはこの高い木を利用させてもらおう。


「ちょっと上から周りの様子見てくる。川もみつけなきゃいけないしな」

「川?なんで?」


ベルが聞いてくる。そこで俺は、ウィンドウを表示し、配給された野営道具の中身を見せる。

そこには野営テント、飯ごうなどの自炊道具、寝袋、生米、調味料の5つが人数分入っていた。


「…これがどうしたんですか?」


サイカが尋ねてくる。


「ええっと、つまり、寝るのと料理をする道具は渡されてるのはわかるな?」

「う、うん」「はい」「?」


3人ともわかってないようなので直球に回答を出しておこう。


「じゃあ、料理の材料は?」

「「あ…」」


その言葉で二人は察したようだ。

そう、道具があっても材料がなくては意味がない。飯ごうと米はあるけど水がないから炊けない。だから川を探してそのあたりを拠点にすればいいのかと思ったわけだ。

ゲームなんだから空腹なんか起きないと思うかもしれないが、ここでよく考えてほしい。

このイベントの後のアップデート内容にはこうあったはずだ。


『ステータスに満腹度の追加』…と。


まだアップデートは行われていないが、ここは新しく作られたイベントフィールド。

ステータスに追加されてなくても、空腹などの状態異常を引き起こすことは可能だろう。

ていうかそもそも何も食べないキャンプなんかキャンプとは言えない。ビリーさんも真っ青な断食ブートキャンプだ。


「そういうこと。そんじゃ一旦上がってくるわ。行ってきまーー」

「ーーヒナも行きたい!」


そう告げ、《ハイジャンプ》で木のテッペンまで上がろうとしたとき、ヒナが手を挙げていった。

俺は苦笑しながらヒナに告げる。


「おっけー、そんじゃおぶさってくれ」

「はーい!」


元気にそう答えるとヒナは俺の背中に抱き着いてきた。…結構な勢いをつけて。


「ぐへっ」

「ラ、ラビ君大丈夫?」

「大丈夫大丈夫、そんじゃヒナ、しっかりつかまってろよ?」

「わかった!」


そう告げるとヒナは俺の首にギュッとしがみつく。


「それじゃ今度こそ行ってきますーー《ハイジャンプ》!」


俺はベルとサイカにそう告げ、スキルを使用し木のテッペンよりちょっと上まで上がる。


「《エアジャンプ》っと」


ヒナを抱えているため木に捕まることができないため、《エアジャンプ》を使用しその場にとどまりあたりを見回す。


「わぁ…広いねぇ」

「そうだな…」


ヒナがそんな感想を漏らすが…個人的には広すぎだろうという感想が出てくる。

見渡す限り、地平線まで木の緑一色。どこまで広げているのか…。

そんなことを考えながらあたりを見回していると、木々の隙間に川が流れているのを発見できた。


「お、あったあった。そんじゃヒナ、下に降りるから捕まってろよ?」

「うん!」


俺は《エアジャンプ》を使用する間をあけながら、ゆっくりと下に降りていく。

…そういえばこれ、獣人のいないパーティはどうすんだろ?…地道に探すしかないよな。

…俺は今日初めて、獣人を選んでよかったと思うのだった。


ーーーベルーーー


「「ただいまー」」

「お帰りなさい、どうだった?」

「広かった!」

「ちょっと先に川を見つけれたな」

「そう、よかった」


ラビ君とヒナが下りてくるのをサイカと一緒に迎える。どうやらラビ君はお目当てのものを発見できたようだ。

それからラビ君に先導され、川に向かう。

その途中、ラビ君に話しかけられた。


「あぁそうだ、ベルさん。腐れウサげふんげふん…フィーを一応呼び出しといたらいいよ」

「フィーを?…わかった」


ラビ君にそう告げられ、私はフィーを呼び出す。


「《召喚》:フィー」

『キュー』

「あ、フィーだ!」


召喚を発動した私の腕の中に、フィーが出てくる。

フィーは私の腕の中に嬉しそうに収まり、サイカとヒナを見て鳴く。

…そして、


『…キュー』

「おい何あからさまにテンション下げてんだこら」


ラビ君を見てがっくりと頭が下がる。

相変わらずこの二人は仲が良くないなぁ…。

しかしラビ君も今回は絡む?気はないのか、再び前を向き私たちを先導する。



そしてまたしばらく歩いた後、


「ストップ」

「え?」「どうしたんですか?」「どしたの?」


ラビ君が手を挙げて私たちを止める。


「《索敵》に反応あり。モンスターだ」

『キュー…』


ラビ君がそういうと同時に、フィーもあたりを警戒する。どうやらフィーも何か気づいたようだ。


「とりあえず様子見してくるーーオープン」

「え、あ…いってらっしゃい」「気を付けて」「いってらっしゃーい」


ラビ君はそういい、武装を展開して進んでいく。


ーーーラビーーー


…さてと、初イベント初戦闘、最初の相手は何かなー…。


おれは、索敵に反応したモンスターらしきものへと近づいていた。

そこには、イノシシのようなモンスターが数匹かたまっていた。


「《モンスター鑑定》」


鑑定すると、ウィンドウにこう表示された。


名称:フォレストボア

概要:森林に生息するモンスター。主な攻撃方法は突進による直線攻撃。

   その肉の味は、煮てよし焼いてよしの逸品である。


…なるほど、食材か。逃がす手はないな。


「《ハイジャンプ》、《スラッシュ》」

『ピギィ!?』


俺は《ハイジャンプ》ですれ違いざまに一匹を切り裂く。

そいつのHPはその一撃で一気にゼロになり、消える。

そしてウィンドウに、


『フォレストボアを倒した。312の経験値を取得。<フォレストボアの肉>を取得。』


と表示された。


「よっし、食糧ゲット…さて…次はお前らだ」

『『ピ、ピギィ…』』


俺がその明らかにおびえている二体を狩るのに、あまり時間はかからなかった。

そして俺は、3人のところに戻ることにした。


「ただいま」

「あ、ラビ君。おかえりなさい」「おかえりなさい」「おかえりー」

「それでラビ君、どうだった?」


帰ってきてそうそう、ベルにモンスターについて聞かれた。


「あぁ、まだフィールドに入ってすぐだから弱い奴だった。ヒナやサイカでも余裕で倒せる」

「そうですか…がんばります」「がんばる」


その言葉にサイカとヒナが気合を入れる。


「ま、そんな意気込まなくてもいいと思うけどな。そんじゃいこうか」


そして俺たちは再び、目的地の川へ歩き出した。

アオイです。

そういえば少し前にセンター試験がありましたね。

学生の皆さんはどうでしたでしょうか?

やばいと思った方、大丈夫です。私もやばかったですから。

とりあえず目標の大学の過去問をといて問題のパターンを理解して、その分野をひたすら勉強したら何とかなりました!

運が良かったと人は言う…ほんとそれ!

…あれこれフォローになってなくない?

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