第1話
入りの部分で引っ張りすぎるのもなぁ…
と思ったので、今週一気に4話投稿です。
(暇な時間が多かったので書けたともいう。)
『キャラクターが完成しました。ようこそ、ALOの世界へ あなたのもう一つの人生、存分に楽しんでください。』
そのメッセージが表示されるとともに、視界が明るくなり、気付けば大きな噴水のある広場にいた。
「…おー。」
俺はしばらく動けなかった。30秒くらい立ち尽くしていて、やっと我に返りあたりを見回す。
「おー…おー!」
おーしか言えなかった。いやこれは感動しているだけであって俺の語彙力が少ないとかそういうわけじゃ決してない…はず。
よし一旦落ち着こう、落ち着いてもちついて…月見だいふく食べたいなぁ…。
よし落ち着いた。まずは現状把握をしよう。そう思い、俺はウィンドウを呼び出した。すると、
『チュートリアルを始めますか?YES/NO?』
そう、表示された。俺は一瞬迷ったが、YESを選択する。ゲームの取説は読まない派の俺だが、さすがにこの状況でチュートリアルをしないのは危ない気がする。ウィンドウにはこう表示された。
『まずはキャラクターのステータスを確認してみよう。Statusボタンを押してください。』
言われた通り、ウィンドウの端にあるStatusの表記のボタンを押した。すると、キャラメイクの画面の時と同じように、自分の姿が表示された。耳もついてる。…耳…うさ耳…。…俺は側頭部から垂れてるうさ耳を触ってみた。
「おぉ、しっかり感覚はあんのか。そしてモフモフである。さすが兎。」
あれ?兎の耳はモフモフじゃないような…いや、これたれ耳だしちょっとは違うんだろううん。気にしてはいけないってやつだ。あ、ちなみに人の耳もついてたわ。俺はちょうど垂れてるうさ耳に隠されていたので触るまで気付かなかった。耳はアクセサリーの扱いなのかね?さてと…
自分のうさ耳を堪能した俺は、改めてウィンドウに表示されている自分のステータスを確認した。
[キャラクター]
プレイヤー名:PlayRabbit
性別:男
種族:獣人・兎族
職業:刈人
[ステータス]
LEVEL:1
HP:210/210
MP:80/80
STR:18
DEF:15
VIT:23
DEX:17
AGI:26
INT:17
WIS:13
LUK:10
[技能](6/10)
<鎌使いLV1><跳躍LV1><斬撃LV1><闇魔法LV1><探索LV1><鑑定LV1>
[装備]
武器:初心の大鎌
頭:なし
上部:冒険者の服(上)
下部:冒険者の服(下)
補助:革の胸当て
ええっと、説明によると…STRは攻撃力、DEFは防御力、VITはHP、DEXは器用度、AGIは敏捷性、INTは魔法攻撃力、WISは魔法防御力に関係しているとのこと、レベルアップに比例して上がるとのこと。そんでLUK、これは幸運度を表すもので、アイテムのドロップ率とかに関係するらしい。これはレベルが上がっても変わらない。俺のLUKは10だけど…これはほかの人を見てみなきゃ低いのか高いのかはわからないな。
『次はクエストを受けてみよう! Questボタンを押してください。』
今度はクエストか、ぽちっとなっと。
『チュートリアルクエストを開始します。案内に従ってください。』
ナレーションが流れると、視界に光の線が浮かび上がった。これをたどればいいんかね?
とりあえず光の通りに進んでいくと、頭の上に?のマークを浮かべたNPCが立っていた。話しかければいいんかね?
「あの…」
『やぁいらっしゃい!ここは始まりの街だよ!』
話しかけたらこう返された。そしてNPCはそのまま黙る。え?それだけ?
「ちょっと?」
『やぁいらっしゃい!ここは始まりの街だよ!』
何だお前は、村人Aなのか?いやこの場合街人か…ってんなもんどうでもいいわ。
クエストは?…とりあえずもう一度ウィンドウを見てみる。するとこう表示されていた。
『NPCからクエストを受けたいときは「何かお困りですか?」などの問いかけをしよう!』
あぁチュートリアルやってよかったわ。これ絶対わかんねぇわ。俺は再びNPCに話しかけた。
「何かお困りですか?」
『やぁちょうどよかった!実は頼みたいことがあってね。薬草がほしいんだ。10本ほどとってきてくれないかな?』
そういわれた。そして視界に、
『チュートリアルクエスト:薬草を下さい を開始しますか?YES/NO?』
と表示された。当然YESを選択する。するとおそらく街の外に向けてだろうか、また視界に光の線が表示される。俺はそれに従い、街の外へ出ることにした。
街の外に出るとそこには草原が広がっていた。
「おー」
…うん、すいません。俺感動しかできないですハイ。
とりあえず町の外に出たら光が消えたし、歩き回ればいいのかね。
「…むちゃいうなし。」
っと、そうだそうだ、こんな時のための探索技能だ。ええと、説明は…
<探索Lv1>あたりを確認するようになる。
スキル:索敵
ええと、これをつかえばいいのかね?
スキル[索敵]:パッシブスキル モンスターが近づくとプレイヤーに知らせてくれる。
おぉ、便利そうだ。
とりあえず大丈夫そうだから歩き回るかね。
しばらく歩き回ると、ポンという効果音とともに
『薬草を発見しよう。あたりの茂みを探索してください。』
そう表示された。とりあえず言われた通り、そこらにある茂み?をがさごぞ分けてみてみたら、数本ほかのとは違う草を見つけた。これか?…うん、こういう時は鑑定の出番だな。
<鑑定Lv1>アイテムやモンスターを見分けれるようになる。
スキル:アイテム鑑定、モンスター鑑定
うん、この二つのスキルは説明見なくてもわかるな。早速使ってみるか。
「《アイテム鑑定》」
すると、ウィンドウが出てきてこう表示された。
名称:薬草
効果:HP極小回復
概要:ポーションなどのもとになる物。これだけでも擦り傷程度なら治せる。
ふむふむ、まぁこんなもんか?まぁこれを10本あつめればいいんだろ?簡単簡単。
『いやぁありがとう!たすかったよ!』
あれから10本薬草を集め、依頼人のNPCに譲渡した。
『チュートリアルクエスト:薬草をください を達成しました。』
『成功報酬として100Gを受け取ります。』
お、金が増えた…といっても100か…まぁそんなもんだろう。
あ、ちなみにこのゲームの通貨はG、読みはゴルドだ。
『チュートリアルを続けますか?YES/NO』
YESを選択する。そして、光の線に沿って歩いていくと…なんか大きな建物についた。看板には訓練場と書かれている。なるほど、次は戦闘のチュートリアルか。
「うっし、やるぞ。」
そう、自分に気合を入れながら、俺は訓練所へ入っていった…。