第4話
これは二話連続投稿の二話目です。一話目(第一章第3話)をまた読んでいない方は、そちらを先にお読みください。
スキル紹介
《首刈り》:これを使用した攻撃が敵の首部分にヒットした際、即死させる技能スキル。即死確率は攻撃の威力によって変動する。効果は攻撃が一回ヒットするまで持続する。首にあたらなかった場合、通常攻撃となる。鎌使い技能LV1で取得。
「さぁ!決闘再開と行こうか!」
「…めんどくせぇなぁ」
つーかせこいアイテム使ってるくせに威張んな。
そんなことを思いながら、俺は踏み込みの体制をとり、鎌を水平に構える。…このくらいかな?
「来るか!だが僕はまだ3回死ねる!お前なんかこわくない!」
そして、スキルを発動する。
「いくぞ!--《フリーズバレーー」
「ーー《首刈り》、《ハイジャンプ》」
俺はハイジャンプを使い前に飛ぶ。そして、魔法を発動しようとしているゼロの横を通り過ぎる。
すると必然的に横に構えている鎌にゼロは当たるわけで…。
ポーン
そんな場違いな音を出しながら、ゼロの首が宙に舞った。
「「「うわぁ…」」」
決闘を観戦していた初心者たちは、引いた様子でこっちを見ている。
まぁ、グロ描写を抜きにしている奴はゼロの首に赤い線のダメージエフェクトが入ったようにしか見えないだろうが…。
『決闘終了 勝者:PlayRabbit』
およ、蘇生はなしか。まぁ…さすがに、即死で蘇生っていうのは無理があるか。…っと、レベルが上がった。ALOじゃPKしても経験値がもらえるからな。んで、今のおれのステータスはっと…そのまえに武器おさめるか。
「クローズ」
「貴様!いったい何をした!」
武装を収納するワードを口にし、ズボンとセーターだけの姿になったとき、決闘場所が噴水広場だったので、リスポーンしたゼロはすぐに戻ってきた。
「貴様!チートを使ったのか…いや、このゲームでそれはないな、なら反則効果のアイテムでもつかったんだろう!汚いぞ!そこまでして勝ちたいのか!」
お ま え が い う な 。
お前のブーメラン投げる前から頭に刺さり過ぎだろ…むしろ頭からブーメランが生えてるんじゃないかと思えてくる。
「んなわけないだろ。お前がやった無詠唱と同じく、スキルだよ」
「ふざけるな!僕がこうなるまでに一体いくらかけたと思っているんだ!」
「しらんよ。そもそもお前みたいな100万ほどのアイテムをポンポン使う廃課金と一緒にするな。」
「んなっ!僕はトッププレイヤーでβテスターの零時間だぞ!」
「あぁそうですかそんじゃ俺も自己紹介しとこうか」
「は?」
めんどくさいのでさっさと現実を教えてやることにした。
「どうも、同じくトッププレイヤーと言われている首刈兎ですっと」
「なぁっ!?」
そう、俺もβテスターではないが、トッププレイヤーに位置するくらいにはレベルが高い。なので異名を付けるスレにも名前を挙げられ、首刈兎という名前を付けられたのだ。なんでそんな名前になったかは…まぁさっきの攻撃方法と俺の外見を見ればわかるな、うん。そんで気になる俺のステータスは…え?どうでもいい?…HAHAHAそんなこというなよ。さぁみてどうぞ!
[キャラクター]
プレイヤー名:PlayRabbit
性別:男
種族:獣人・兎族
職業:刈人
[ステータス]
LEVEL:37
HP:1010/1010
MP:400/400
STR:58
DEF:55
VIT:63
DEX:67
AGI:76
INT:47
WIS:43
LUK:10
[技能](8/10)
<鎌使いLV41><跳躍LV39><斬撃LV41><闇魔法LV31><探索LV35><鑑定LV34><鍛治LV14><軽業LV27><拳闘LV31>
[一般スキル]
《合成》
[装備]
武器:初心の大鎌
頭:ゴシックハット
上部:ゴシックコート
下部:ゴシックスラックス
補助:ゴシックグローブ&ブーツ
と、いう感じになっている。ちなみに、トッププレイヤーたちの平均レベルが33くらいだったかな?一年たったとかいったが、意外とレベル上がらないのよな。
まぁ今はそんなことはどうでもいい。俺は呆然としているゼロに声をかけた。
「そんなことより早くさっきの指輪よこせ。お前は負けたんだ、うだうだ言ってんじゃねぇよ」
「ぐ、ぐぅ…」
ほら、と俺は手を出し、催促をする。へいへい、早くよこせや負け犬よははは!この前俺にむかって冴えないとかいったこと忘れてねぇぞ?
ゼロはうなりながらも、指輪を手渡した。
「お、おぼえていろ!」
そう吐き捨てながら、ゼロは去っていった。うわー三下。まぁひとこと、ザマァ!
いやぁ、今日はいい日だわ。むかついてたやつの顔は殴り放題だったし、多少金になりそうな装備も手に入ったし。これで鎌が手に入らなかったことと合わせてプラスマイナス…マイナス寄りだなうん。やはりいまだに武器が手に入らないのはつらい。
よし、また狩りに行くか。
そう思い、歩いていこうとしたとき、
「うさぎさん!」
「ん?ぐふぉぁ!?」
鳩尾に重い一撃をもらった。それは、ヒナの頭突きだった。こういうのは漫画だけのテンプレにしておいてほしい。そんなことを思っていたら、比嘉咲さんもこちらへ来た。
ーーー比嘉咲 美鈴ーーー
「お、おぼえていろ!」
氷川君が、アニメやマンガでよく見る三下のようなセリフを言いながら去っていった。
「やった!うさぎさんかった!」
「あ、ヒナっ!」
彼の勝利にヒナが喜び、駆け出していく。そしてそのままの勢いで、彼の胸に飛び込んだ。うわぁ痛そう…
案の定彼は悶絶している。大丈夫かなぁ…
私はそんな心配をしながら、彼のもとへ歩いて行った…。
ーーー稲葉 遊兎ーーー
「え、えーと、お疲れ様でした?」
「ごほっ…あぁ、ありがとう」
比嘉咲さんのねぎらいに対し、せき込みながらも礼を言う。
「すいません、私のせいでこんなことになっちゃって…。」
「いや、気にしないでくれ。こっちも収穫はあったからね。」
そういいながら、俺は手に入れた契約の指輪を見せる。
「うさぎさんかっこよかった!」
「おーありがとな」
いまだに俺に抱き着いているヒナの頭を撫でる。ヒナは気持ちよさそうに目を細めた。それを見て比嘉咲さんは、感心したようにつぶやく。
「懐かれてますね」
「これだけ警戒心がないとちょっと心配になるけどな」
「いえ?この子普段は知らない人とは話さないんですよ?」
ふむ?それだけ第一印象が衝撃だったのかね?うさ耳は偉大である?
そんなことを考えていたら、比嘉咲さんがこう切り出す。
「あ、自己紹介していませんでしたね。私、ベルっていいます。こっちは妹のサイカ」
「…こんにちわ」
比嘉咲さんーベルの隣にいたショートヘアの女の子が頭を下げる。
「それで、その子がヒナです」
「よろしくね!うさぎさん!」
ヒナが明るい笑顔を向ける。その頭の動きに合わせてピンク色に染まったロングヘアーが揺れる。
「あぁ、よろしく。俺はPlayRabbit…まぁ言いにくいだろうからラビでいいよ。」
「よろしくお願いします。ラビさん」
そういってベルは頭を下げる。ふむ、ベルに…ヒナ…ねぇ。
「サイカさんはまだしも、よくそんな簡単な名前で引っかからなかったな。」
「引っかかる?何にですか?」
「いや、なにってそりゃ…」
俺は名前の重複の話をする。すると、
「…ALOでは名前かぶりオッケーらしいですよ?」
サイカがそういう。…なん…だ…と?
ならおれこんな覚えにくい名前じゃなくてよかったやん…orz
アオイです
今回主人公の公式チートのようなものが出ましたが、どうでしたでしょうか?
一応種明かしをすると、ハイジャンプで前方に飛び、横に構えた鎌をそのままの勢いで当てるというものです。詳しい情報はまた後の話で言わせていただきます。
それと、女性陣の髪型の描写を入れたのですが…あれでわかりましたかね?
やはり私の描写スキルががが。あ、ベルの髪型はもうちょっと後で出ます。決して、決して忘れていたわけではありませぬとも。