表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者か魔王  作者: 和都
・第三章、ノヴィウス大陸【中央都市攻略編】
72/81

勇者、ヴァルヴァを発つ

「という事でコイツも連れて行く事になった。」

俺はパーティメンバーにアンジュが着いて来る事を伝える。


と、言っても今は人間の姿に変化してるが。


事の発端はアンジュが俺の旅に同行すると駄々をこねたのが始まりだった。


そして、そこで折れた俺であったが流石に魔族の姿のままでは旅の同行は許せない。


世間的には俺は勇者で通っている。

その旅に今絶賛戦争中の魔族が一緒にいるなど言語道断。

流石に不味すぎる。


なのでアンジュにひとつだけ条件をつけた。


「絶対に魔族とバレない事」


この条件を提示してアンジュは

「やれやれ、仕方ないな…。」と承諾して

人間の姿に変化したのだった。


パーティメンバーにはアンジュの存在は知られているのでアンジュには偽名を使わせて設定も用意した。


というかあの修羅場を見たサーシャは多分というか絶対アンジュの旅の同行は許可しないだろう…。


偽名はアンジュをもじって「アリス」

設定はこの魔王軍に囚われていた旅の剣士という設定だ。


パーティメンバーにアンジュ事、アリスの経緯を伝えアリスが挨拶をする。


「皆さん、拙い処もありますが宜しくお願いしますね。」

にっこりとアンジュ事、アリスが丁寧に挨拶する。


やべえ、コイツ完全に猫被ってやがる…。

まぁ真逆の性格の方がバレないからいいと思うんだけどさ。


丁寧な挨拶をアンジュ事、アリスがしてさっとユフィアが俺の腕にしがみつく。


それを見たアンジュ事、アリスは

「あらあら、このガキ…。じゃなくてこの子ったら私のクロムに何引っ付いてるのかしら?」

顔はニコニコしているが殺気がダダ漏れだぞ、アンジュ…。


てか、早速バレそうになってるし!?


「ちょっと!クロムは貴女の物って聞き捨てならないわね!」

そこでサーシャが口を挟んで来る。


頼むからややこしくなるから口を挟まないでくれ。


それを横目で見ていたリリスもにニヤニヤしながら俺のもう片方の腕にしがみ付いて来る。


おい、リリス!絶対お前は面白がってるだけだろ!?


そこでようやくアーシェが助け舟を出してくれる。


「で、この大陸を出る前にどこか寄るんだったよな?」

流石アーシェ、空気を読んでくれた!


俺は両腕からユフィアとリリスを引き離すと改めて話を進める。


「ああ、アディア修道院に用事がある。」

俺がそう答えるとすかさずアーシェが突っ込んできた。


「その修道院、場所はわかっているのか?」


俺はそこで「あっ!」と声が出てしまう。


「やはりか…。」とアーシェが俺の顔を見てやれやれという仕草をする。


俺とした事がこれから向かう場所を調べてなかったのだ。


とりあえず情報収集する為に酒場へ…。と思ったがそこでアンジュ事、アリスが口を出す。


「そこなら、」

「前に潰そうとして…、いえ、前に立ち寄って場所は知ってますが。」

ナイスだ、アンジュ!

何か物騒な言葉が聞こえたがこの際流しておく。

パーティメンバーの会議が終わり明日の出発に備え各々早めに就寝に着く。


俺は事前にアンジュと話して俺を魔王扱いするなと街の住人に言い聞かせるように言った。


まだパーティメンバーに俺が魔王だという事はバラしたくない。



そして夜が明け明朝。

騒がれる前にパーティメンバーを叩き起こしヴァルヴァの街を出ようとする。


キップアの馬車を無断で拝借し開いてない門を開けるように俺が門番に命令する。


「さぁて、それじゃアディア修道院に向かって行くとするか!」


俺の掛け声と共にパーティメンバーは「おー!!!」と声を出しキップアの馬車を発進させる。


目指すは修道院、俺が勇者としてどう問われるか、疑問と不安が広がる中、荒野へ馬車は走り出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
評価、ブックマーク等、宜しくお願い致します!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ