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勇者か魔王  作者: 和都
・第三章、ノヴィウス大陸【中央都市攻略編】
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勇者、選択しない

「俺は…。」

暗闇を照らす精霊達を見ながら俺はアキラに言う。


「今は選べない。俺は勇者か魔王のどちらかなんて選べない。」


長い長い静寂の間、アキラを待たせてしまった時間。

その時間で俺が今言える答えはこれだけだ。


「今は…、という事ですか?」

アキラは再度俺に問いかける。


「そうだ、今は選べない。」

俺はアキラの瞳を真っ直ぐ見て答える。


「…理由を聞いても宜しいですか?」

不満そうな声ではないがアキラは理由を知りたがる。


「俺は今、勇者側でも魔王側でも大切な者達が出来てしまった。」

「今、勇者か魔王を選択するとどちらか片方を裏切らなければならない。」

「だから俺はあえて今、選択はしない。」

考えついた結果を俺はアキラに告げる。


「…、その中途半端さがいつか命取りになりますよ。」

アキラが俺に忠告するように言う。


確かにその通りだ。

今の俺は中途半端だ。

勇者にもなりきれずましてや魔王なんて形だけの者。

親父から跡を継いだだけに過ぎない。


自分の器がまだどちらも適正な器になっていないのだ。


「………。」

俺はしっかりとアキラの忠告を受け入れる。


「でも、」

アキラが言葉を付け足す。


「そういうのは僕は嫌いじゃありませんよ。」

にっこりと俺に微笑みかけるアキラであった。


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