勇者、捕まる
拘束を余儀なくされた俺達パーティはキリムと共に
そのまま地下牢へと幽閉される。
せめてもの救いが拘束具をつけられずそのまま地下牢にぶち込まれた事だ。
「同族の情けだ。」と衛兵達は言っていた。
もし、ここで拘束具をつけられていたら変化の魔法が解けて
バレてたらマジで大変な事になっていた…。
【ガチャン】
牢獄の扉が重く閉じる。
地下だけあって窓もない、しかし壁は石造りであり
厚く作られており恐らく脱獄防止の為だろうと思った。
その瞬間にサーシャが俺に叫ぶ。
「どうするのよ!?クロム!!!」
いやそんな事を俺に言われても…。
困ったのでキリムに話題を投げる。
「なぁ、キリムここから出れるのってどのくらいの時間だ?」
考えるようにキリムが言葉を告げる。
「んー、前に任務失敗した時は三日くらいだったかな。」
キリムが言葉を続ける。
「まぁ今回はヨコスの町の住人を全員連れてこいって任務を破棄して帰ってきたからどうなるかわからんけどな。」
ハハハ…。と苦笑するキリムに対し俺も苦笑する。
「なるようになるしかないか。」
アーシェがぼそっと口にしてドスっと座り込む。
「それじゃ話にならないじゃないの!?」
相変わらず騒がしいサーシャが言う。
「うーん、隙を見てうまく脱獄出来りゃいいが…。」
俺がサーシャを諭すように言う。
「何か策があるのね!?」
サーシャの輝いた瞳が俺を見る。正直痛い。
「いや…、まぁ鍵開けの魔法くらいは出来なくもないが…。」
多分思い出せば出来るはずと俺は思った。
何しろガキの頃に悪戯で使ってた魔法だからな…。
「じゃ、それで早く脱出しようよ!」
セッカチなサーシャは口にする。
「今、捕まったばかりだろうが!?せめて夜まで待てよ!」
セッカチなサーシャに俺が言う。
「うーん、こんなジメジメしたとこ早く出たいけど我慢する…。」
そうサーシャが言うとしゅんっとしてしまう。
「ああ、クロム。ここを脱獄するなら注意したほうがいい。」
キリムが俺に言う。
「注意?」
俺がキリムに尋ねる。
「うむ、必ず定期時間で見回りがあって牢獄の中を見られるから一人でもかけてたらアウトだぞ。」
キリムが答える。
げ、って事は脱出しても見回りの最中に戻ってこないとやばいのか。
「それは夜で寝てる最中でもか?」
俺がキリムに尋ねる。
「ああ、夜でもだ、昔人間が夜に脱獄して大変な事があったらしくてな。警備が強化されてる。恐らく同族の俺らでも警備は甘くないだろう。」
キリムが答える。
「見回りの時間ってどれくらいだよ?」
俺がキリムに問いかける。
「うーん、そんなに長いスパンじゃないな。小半刻くらいだな。」
キリムが答える。
そんな短いのかよ…。
それじゃどうあっても誤魔化せそうにない。
頭を抱える俺に話を聞いていたリリスが「あのー…。」と言ってきた。




