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勇者か魔王  作者: 和都
・第二章、ノヴィウス大陸編
36/81

勇者、跡を追う

カシムの看病をリリスに任せ、

俺はアーシェとサーシャの様子を見に行こうとした。


見に行こうとした矢先、「おーい」と掛け声が聞こえる。


振り向くとそこにはアーシェとサーシャが二人揃ってこっちに近づいてきた。


「二人とも無事か?」

俺が二人に聞くとサーシャは


「うん、なんとか大丈夫…。」

と多少苦戦したように答え、アーシェは


「情報収集してて時間かかった。」

と余裕そうだった。


まぁ魔族も実力がピンキリだからなぁ…。

それより。


「情報収集ってどういう事だ?」

俺がアーシェに尋ねる。


「ああ、魔族を締め上げて吐かせた事だが、」

「この町を占領していた魔族はあの出てきた5人。」

アーシェが言葉を続ける。

「町の住人は今朝、中央都市の最前線で盾として使うという事で全て連れていかれたらしい。」

さらっと言うアーシェ。


「最前線の盾ってどういう意味だよ!?」

俺は慌てて聞き返す、わかっているが理解したくなかった。


「戦で駒にするんだろ、魔族のやり方らしい。」

的を射た答えに俺は何も言えない。


「…。助けに行くぞ。」

俺は言葉を振り絞る。


「今からか?」

アーシェが俺に問いかける。


「今からだ!」

俺は迷わず答える。


「キップアはあのザマだ。町のキップアを探したとしても追いつくのは無理だろ。」

アーシェは足を噛みつかれて立てないキップアを見て俺に言う。


「いや、手はある。」

俺はアーシェの瞳を見ながら続けて言う。


「キップアの代わりに合成獣を使う。」

その言葉にアーシェが一瞬驚き、サーシャが突っ込みを入れてくる。


「合成獣って…。あれは魔族が作り出した化物じゃない!?」

確かにそうだ、魔族によって作られた化物だ。


だが、キップアだって人間が使役したモンスターに変わりはない。

キップアは産まれた時から人間の手で育てれば手懐ける事は容易だが

合成獣はそうもいかない、使役するには膨大な魔力と知識が無ければ無理だ。


だが、しかし

魔族の俺なら出来る。


「確かに魔族に作られた化物だ、だが今はそんな事を言っている場合じゃない。」

俺はサーシャを諭すように言う。


「そもそも、合成獣ってまだ残ってるの?さっきクロムが倒したじゃない。」

俺に疑問をぶつけてくるサーシャ。


「それなら問題ない。」

俺はそう答えた瞬間、奥の納屋に殺気を放つ。


「グルル…。」

様子を窺ってた合成獣が納屋からトボトボと出てくる。


「くっ!?」

咄嗟に剣を抜こうとしているアーシェとサーシャに向かって

俺は「待て!!!」と叫ぶ。


「コイツを使う。」

俺は二人に言い放つ。


「どうやってだ?」

アーシェが俺に問いかける。


「まぁ見てろって。」

俺はそのまま殺気を放ったまま、合成獣に近づき首輪を引っ張り

キップアの馬車からキップアを外し、合成獣を接続させる。


「これでよし。」

俺はそう言うとアーシェとサーシャに


「馬車に乗り込め、跡を追うぞ!」

そう言いだし、合成獣の馬車を発進させた。



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