表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者か魔王  作者: 和都
・第二章、ノヴィウス大陸編
35/81

勇者、心に誓う

カシムを担ぎユフィアを連れ、一旦キップアの馬車に戻る。

戻った時、リリスが馬車の前に佇んでいた。


俺の姿を視認するなり

「勇者さん、遅いです!」

とリリスが口にする。


「いや、俺は自分の片づけてカシムのとこ助けにいってたんだよ。」

苦笑しながら俺が言う。

本当はユフィアの仕業だが。


「お前のとこは片付いたのかよ?」

俺がリリスにそう言うと


「あんな雑魚相手になりません。」

薄々コイツの実力に感づいてたが魔族相手に雑魚扱いか。

アーシェやサーシャすらまだ戻って来てないというのに…。


そして俺に背負われてるカシムにリリスが気づく。


「カシムさんどうしたんですか!?」

慌ててリリスが俺に背負われるカシムに近寄り様子を見る。


「魔力を根こそぎ吸収されて失神したようだ。」

俺はカシムの容体をリリスに伝える。


「これは…、魔力もそうですが生命エネルギー自体吸い取られてますね。」

的確にリリスが言う。


「生命エネルギーか…。」

俺はそう言うとカシムを馬車に下す。


「魔力の補充はお薬で何とかするとして…。」

リリスはそう言うとカシムの口を強引にこじ開け紫色の液体を

一気にカシムの口に流し込む。


何やらぐったりしてるカシムが「おばっ!?」と

苦しそうにしてるが気にしていけない。


「生命エネルギーの方は精霊さんから分けてもらいましょう。」

そう言うとリリスは呪文の詠唱を始める。


「我、力欲して汝に問いかける…。」

呪文詠唱が次々と唱えられリリスの両方のてのひらから暖かい力を感じる。

その暖かさは次第に強くなり、なんというか…。

一言で言うと暑い、というか熱い。


「おい、リリス…。」

俺が心配そうに声をかけると


「ちょっと黙っててください!」

と怒られてしまった。


はいはい、黙ってますよ…。


そしてその「熱い掌」をリリスは一気にカシムの胸に振り下ろす。

「ぎゃー!」とかカシムの悲鳴が聞こえるが気にしない。


「ふう、これで大丈夫です。」

額から汗を拭ってリリスが言う。


「何をやったんだ?」

俺がリリスに問いかける。


「炎の精霊さんに力を借りたんです。」

簡潔にリリスが答える。


「それだけじゃわからん。」

俺はそれだけではわからないので言葉に出す。


「んーとですね、簡単に言うと炎の精霊さんに力を借りて体を温めて血行を良くして生命エネルギーを活性化させたのです。」

簡単ではないがまぁそれなら理解出来る範囲である説明をリリスがしてくれる。


「温めて…?」


「ええ、温めて。です。」


………。


俺も今後、十分注意してリリスの世話にならないようにと心に誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
評価、ブックマーク等、宜しくお願い致します!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ