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勇者か魔王  作者: 和都
・第二章、ノヴィウス大陸編
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勇者、感心する

夕刻に差し掛かる頃、中央都市ヴァルヴァの

中継地点の町「ヨコス」が見えてくる。


流石に一日中馬車に座りっぱなしってのもキツイものだ。


だが、そこでカシムが何かに気づいたのか「む?」と言う。


俺が「どうした?」と聞いた時、

町の入口から「止まれ!」という掛け声が聞こえる。


「くっ、あそこに立ってるのは魔族!もしやヨコスの町は…!?」

歯を食い縛りながらカシムが言う。


おいおい、ゆっくりベッドで寝れるんじゃないのかよ…。

落胆する俺に対しカシムは「このまま突っ込みますぞ!」と言ってくる。


ええい、もうどうにでもなれ!


俺は魔剣リベレーターを引き抜き、

町の入口に立っている魔族の衛兵二人に対し真空波を放つ。


「ぐおおおおおおお!!!」

真空波で切断され吹っ飛ばされた魔族の衛兵二人。


状況を察するにこのヨコスって町が魔族に占拠されたって事か!

俺は馬車に乗ってる後ろのパーティメンバー

サーシャ、アーシェ、リリス、ユフィアに簡単に説明する。


「町が魔族で占拠されてる!乗り込むぞ!!!」

俺が後ろにそう叫ぶとキップアの馬車を囲むように合成獣が三匹出てくる。


囲むように出てきた合成獣はキップアの足元に噛み付き

キップアが「キィー!」と悲鳴を上げる。


「しまった!」

俺が叫んだ瞬間、キップアは倒れこみ馬車が横転する。


中から「きゃー!」という叫び声が聞こえるがそれどころではない。


俺は素早く近くにいた合成獣二匹を剣で薙ぎ払い

カシムが対峙してる一匹の元へ向かう。


「でやああああ!」

カシムがそう叫びながらキィンッキインッと

鈍い音を立てながら合成獣と戦っている。


「この程度の相手に苦戦するなよ!」

俺はそう言うと横から合成獣を貫き絶命させる。


かたじけない、勇者様。」

カシムを助けると同時に馬車の方に顔を向けると

馬車の背面に合成獣が顔を突っ込むような形で中貪っている。


おいおい、まじかよ。

俺が駆けつけようとした矢先、

「調子に乗るんじゃないわよ!」とサーシャの声が聞こえ

馬車の中から岩石が放たれて俺が目を丸くする。


「ふん」とサーシャが言って馬車から降りてくる。


「おい、サーシャ…。お前魔法使えたっけ?」

俺が疑問を投げかける。

俺の記憶だとコイツは剣一筋で魔法なんてものは使えなかったはずだ。


「ん?この子のお陰だよ!」

そうサーシャが言うと片手に掲げるのは妖精族の魔剣、

確かサーシャが「ディヴァインリース」とか名づけてた剣だ。


「もうその剣の魔力を引き出せるようになったのか。」

俺がその才能に驚き感心する。


よほどの剣の達人でもそういう武器に篭った魔力を引き出すには

少なくとも一年はかかる。サーシャの腕がいいのか

それとも剣に対する愛着が物凄いのか恐らく後者だろうなっと俺は思った。


そして、サーシャのあとを追うようにぞろぞろと

アーシェ、リリス、ユフィアと馬車から出てくる。


「やれやれ、また掃除の時間か。」

アーシェが干し肉を片手で引きちぎりながら言う。


「腰が痛いです…。」

腰をさすりながら言うリリス。


「………。」

何事もなかったかのように出てくるユフィア。


しかし、あっという間に騒ぎをかけつけた

魔族五人に取り囲まれるパーティであった。

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