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勇者か魔王  作者: 和都
・第二章、ノヴィウス大陸編
29/81

勇者、襲われる

「誰だ!?」

俺は咄嗟に叫ぶ。


物陰から蠢いていた者はシュッと姿を表し威嚇を始める。


「グルルルル…。」


狼かモンスターの一種かと思ったがコイツは違う。

魔王軍の品種改良によって生み出された合成獣だ。

その証拠に暗がりなのに体に魔力のラインが鈍く青く光る。

見かけは狼のような姿だが大きさは子供が丸呑みされるくらい大きい。


「ちっリリス下がってろ!」

俺はそう言うと剣を引き抜き合成獣向かって突進し剣撃を叩き込む。


「ギャン!」

合成獣は一言発すると真っ二つになり絶命する。


しかし、この合成獣は偵察型じゃない、れっきとした攻撃型だ。

って事は複数いるよなぁっと思ってたところ5匹ほど姿を表す。

この事態は非常にまずい。


「敵襲だ!!!」

俺は叫びパーティを眠りから呼び戻すように叫ぶ。


攻撃型の合成獣がこんなにいるという事は必ず操っている魔族も近くにいる。


3匹ほど突っ込んできて俺はそれぞれ一発で仕留めるが

もう1匹違う角度からリリスに向かって走り出していた。


ちっ、この位置で真空波を放ったらリリスまで巻き添えにしてしまう!

焦った俺だがリリスは杖を前に突き出し何やら呪文を詠唱していた。


呪文を詠唱し終わったリリスの杖は槍のように変異し

そのまま見事に合成獣を刺し殺す。


「ほう…。」

回復魔法専門じゃなかったのか。と感心してる場合じゃなかった俺。


「勇者さん次です!」

リリスが俺に叫ぶともう4匹ほど物陰から俺に迫ってくる。


よし、薙ぎ払う!

そう思って剣を構えたところ短剣が合成獣の目に向かって後ろから放たれる。


「大丈夫か?」

駆けつけたのはアーシェ。


「ああ、大丈夫だ。それより…。」

俺は周囲に無数の殺気がある事に気づく。さっきよりも断然多い。


「完全に囲まれてるな。」

アーシェが短く言う。


「ああ、囲まれてる。」

俺とアーシェが背中を合わせリリスも傍まで近づいてくる。


「ジャジャ馬はオッサンと荷馬車を守ってる。」

そうアーシェが告げる。


「そうか、それじゃ心置きなく暴れられるな。」

俺が二人に言う。


「本当は回復専門のままでいたかったんですけどね…。」

苦笑しながらリリスが言う。



一斉に飛びかかってくる合成獣、その数はかなりの数だ。

一人一人、取りこぼしのないように正面、横から

突っ込んでくる獣にそれぞれ致命傷の剣撃を与える。


「てやああああ!」

アーシェが叫び切り刻む。


「やああああ!!」

リリスもそれと呼応したように突き刺す。


20、30と屍は増えていき、次第に下がっていく合成獣。


「グルルルルゥ…。」

じりじりと間合いを取りながら下がる獣に対し、

その後方から邪悪な思念を感じ取る。


(そこか!?)

俺は感じ取った思念の先に行こうと

思いっきり飛び跳ね、合成獣の後ろに移動する。


「アーシェ!リリス!そこは頼んだ!俺は頭を潰してくる!」

俺はそう叫び、合成獣を使役する者の元に向かい走り出した。

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