表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者か魔王  作者: 和都
・第一章、キルトゼア大陸編
17/81

勇者、名付ける

グランエールの街に着き、その後も俺は眠り続けた。

相当魔力と精神力を消費したから仕方ない。


冒険者ギルド兼上の宿屋で俺は三日眠り続けた。


そして次に起きた時、俺が蘇らせた少女が傍らにいた。


「…お前名前は?」

起きた第一声が名前を聞く事。


キップアの荷馬車に揺られる中、

これだけは忘れないようにしようとしていた事だ。


ぶんぶんと首を横に振る幼い少女。


「…どうしたんだ?」

俺は少女に問いかけるが依然首を振ったままだ。


「もしかしてお前喋れないのか?」

その問いに対し少女は大きくコクコクと首を縦に振る。


「まさか禁呪せいか!?」

俺は慌てて少女に聞く。


ぶんぶんと首を横に振る少女。


「じゃ俺の冷凍魔法のせいか?」

これもぶんぶんと首を横に振る。


じゃなんでだ…?

そして俺はもうひとつの可能性を考えた。


「お前、まさか元から喋れないのか?」

その問いに小さくコクコクと頷く。


ううむ、こっちの意向は伝えられるが向こうからの意思疎通が出来ん。


そう、思ってると少女は宙に手を出し文字を書き出した。

そして、その文字が宙で凍り文字となる。


「名前は…、無いのか。」


恐らく物心つく頃から奴隷だったのだろう。

仕方がない。


「俺が名付けてやる。」

そう言うと俺は考える。


人間らしい名前…。


今まで人間と接してない俺には結構ハードルが高かった。


そして「あっ」と思い出す。


「お前の名前は今日からユフィアだ。」

頭をなでながら俺はそう言う。


かつて俺の母親だった人間の名前だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
評価、ブックマーク等、宜しくお願い致します!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ