『黙詩録』

『夢』。

『夢』。

現実の境も揺蕩う無色の水底

深き眠りは蝕まれ、浅き泡は水面に浮かぶ…。

あなたはどんな泡 ―夢― を浮かばせる？

あなたが眠る先にはどんな幕が上がるのか。

私はあなたの≪それ≫が見てみたい。

生贄があなたを誘う悪夢か

あなたの死霊の嘶く逆夢か

異はあなたを手招く怪夢か

あなたが頂へ堕ちる吉夢か

あなたが欲に魅入る凶夢か

あなたの咎を満たす虚夢か

無で虚ろなあなたの郷夢か

行く末は何処なのか。

夢を受け入れ、踊り、そして果てる。