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その他と以下省略
12月25日
秋吾side
曽野川 秋吾は、帽子を深くかぶり直した。
あまり、人に顔を見られたくはないのだ。
まったく・・・。また、この町に戻ってくるとはな・・・。
ビックツリーを見る。
この町の住人は誰ひとりまだ知らないだろう。この町が地獄と化すことを。
道行く人は誰しもが笑顔であり、浮かれているのが一目瞭然だ。
フと、セントラル病院へと目を移す。
気のせいだろうか、誰かが悲しみの視線を俺を向けている気がする。
曽野川は、駅の中へ入るとトイレへと向かった。
ツンと独特のにおいが漂う。個室に入り、鍵を閉めると背負っていた鞄を便器へと置いた。ゆっくりと、チャックを開けると中からサンタクロースの仮装用コスプレとC4爆弾が見える。
曽野川 秋吾。彼は、今や国際的テロリストとなっていた。
おもむろに、サンタクロースの恰好へと着替えると倒れるように便器へと座る。
なにが、クリスマスだ。なにが・・・。なにが・・・。幸せだ。
行き場のない怒りを曽野川は、壁へとぶつけた。