表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

その他とその他(以下省略)

12月25日

麻耶side


電子音が病室に規則的なリズムを刻んでいく。

これが私の生きている証。そして、命の鼓動。

冬木 麻耶は、ゆっくりと上半身だけを起こすとその視線を窓の外へ向けた。

今日は、12月24日。クリスマスイブ。窓の外にはこの町の観光名所の一つであるビックツリーが見える。

市の中央に位置する駅のロータリーにある高さ20mもの高さがあるツリーだ。

この時期、ツリーにはクリスマスの装飾が施されより一層存在感を示していた。

麻耶は、人々の動きを見る。サンタの仮装をしてビラを配る人。忙しそうに早歩きをしている人。恋人と手をつなぎながら仲睦まじく歩く人。

どれも、幸せそうである。それなのに・・・。私は・・・。

麻耶は、寒さにこらえながらベッドから立ち上がった。

無駄に広い部屋にただ一人無意味に立ち尽くす。

孤独だ・・・。私は、孤独だ。

誰も見舞いにすら来ない。先が短い私の事より、まだ先の長い自分の事しか考えていない。

それは、しごく当然のことであるがそこに麻耶は人知れず憤りを覚えていた。

「今までも来ない人たちがこれから、来るわけもないか・・・。」

麻耶は、廊下へと出た。

看護士がパタパタとスリッパの音を立てながら走っていく。

きっと、彼女にも聖夜を満喫するための予定があるのだろう。

「私が一体、何をしたっていうの?物心ついた時には常に隣には、病という文字があった。だけど、私は今まで悪いことをしたつもりはない。どうして?どうして、神様は私を一人にするの?私を選んだの?私は、孤独が一番嫌いだ。」

麻耶は、フと高校時代を思い出した。

ゆういつ卒業することのできた、学校生活だ。

周りには常に3人がいた。

「誰か来ないかな・・・。」

麻耶は、屋上へと続く階段を上り始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ