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白の魔法  作者: 璃瑛
過去編 〜初めての出会い〜
3/3

真紅の少年

─── お父さんとお母さんの研究を手伝ってるからだよ。───


後ろからそんな言葉が聞こえ、振り返ると真っ赤な髪にルビーの瞳をした7歳位の子供が立っていた。目尻が吊り上がった猫目がきつそうな印象を与える少年だ。縫い目の無い真っ白なTシャツにこれまた白いズボンが真っ赤な髪を引き立たせる。


『お前。僕の声が聞こえるのか。』

「一応ね。」

『あの子は聞こえて無いみたいだったけどな。』

「カグラは僕達・・・の中でも、特殊だから外に出てる間は力を制限されてるんだ。研究所内に入れば話せるよ。」


少年はそう言ってカグラに近づいていった。


「カグラ。母さんと父さんが呼んでるよ。」

「カムイおにいちゃん!」


神楽の頭とお尻に耳と尻尾が見える…。

…いゃ、そうじゃなくて!

何なんだ!あいつ。気配が全然無かったぞ!

僕は精霊だから、気配には敏感なのに。

空気が揺れる気配も分からなかった。

しかも、カグラに至っては力を制限されてるってなに言ってんの?あいつ。


もやもやと考えていたら、2人が研究所に向かって歩いていた。その姿を見ていたらカムイと呼ばれた少年は、くるりと僕の方を見て研究所の方を見たんだ。

僕について来いって事かな。







研究所には遠くから見てただけだったけど、

近くで見るとやっぱり研究所っていうか…ビニールハウスなんだよね…。


(野菜とか栽培してるんじゃないの?。)


「なにやってるの?早く来なよ。」


カムイがこちらを向いて急かしてくる。その言葉に、聞いてくる声があった。


「?カムイおにいちゃん誰に言ってるの?」


カグラが訪ねた言葉にカムイが、苦笑する。


『?カグラは見えてるんじゃないのか?』

「さっき言ったろ?外に出てる間は力を制限されてるって。」

「ねぇ。誰と話してるの?」

『だが初めて、カグラを見た時は僕の姿が見えていたが?』

「それって多分2週間位前の事だよね。あの時は、制限装置が少し馬鹿になってたから、そのせいじゃないかな。」

「ねぇ。誰と話してるの!?」


2人がカグラを置いて話していると、痺れを切らしたかのように叫んだ。


「う゛ぅ〜〜ん゛!!おにいちゃん!だれとはなしてるの!カグラもおはなししたい〜〜〜〜!!」


カグラの可愛らしい講義にカムイと僕は顔を見合わせる。


「ふふっ。カグラがすねはじめちゃったから、とりあえず研究所内に入ろうか。」

『そうだな。』


カグラを促すカムイの後について、僕もビニールハウスもとい研究所にお邪魔した。



朗読ありがとうございます。

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