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ユーヴァンス叙事詩録-Renovin's Chronicle- 〔上〕  作者: 長岡壱月
Tale-17.そして歴史(とき)は動き出す
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17-(1) 勅令発布(前編)

 ジークが、ダン達が皇国トナンの地に足を踏み入れてから数日が経っていた。

 一見すれば水と緑に恵まれたのどかな群島国。

 しかしその内実は、現皇が掲げる徹底した実力主義により今や大きな変化を遂げている。

 より強く大きな国へ。内にも外にも強い確かな国へ。

 おしなべて貧しいよりも、富める力がある者はしっかりと活かし牽引を委ねる。

 しかしそれは一方で持つ者と持たざる者を積極的に是認することでもある。

 足を踏み入れてようやく分かった、こののどかさの中に漂う歪。その変遷。

 北方よりの旅人達は少なからずこの地に──いや今のセカイ全てに燻る火種の気配を感じ

つつも、己が目的と相対する他なかった。

「──知らぬな。時折とはいえ、他にも塔を訪れる旅人がいない訳ではない」

 石造りの祭壇を背景に、眼深に被ったローブの面々・衛門族ガディアらはさも関心薄といった様子

で答えた。

 ダンとミアのマーフィ父娘とステラの三人は皇都周辺に存在する導きの塔を虱潰しに訪ね

歩いていた。勿論、オゥスの最中で離れ離れになってしまったジーク達の行方、その手掛かりを

少しでも集める為だ。

「そもそもそれは、別の塔での事なのだろう? 流石に我々が関知する所ではないな」

 しかし対する各地のガディア達は、やはりというべきか、そんなダン達の思いには総じて

非協力だった。

「……でも、導きの塔の空間転移については、貴方達が一番詳しい」

「な、何でもいいの。ジーク達は何処かに脱出している筈だから。せめて何処の出口に出て

行ったのかが分かれば……!」

「そう言われてもな。オゥス上にいる状態ならば検知できようが、一度出て行ってしまった者ま

でを把握することはできん」

 最初、皆で塔を利用した際に長老格が話していたセカイを蝕む歪み。その原因が他でもな

い自分達ヒトにあるという指摘。それ故に積極的に関わりたくないという嫌悪感は必ずしも

理解できない訳ではない。

 だがそれでも、ある意味で厭世的な彼らとの交渉、情報収集は困難の連続だった。

「……それよりも。情報は皇国こちらの我々にも伝わっている。そもそも彼の“門”に闖入者──

楽園エデンの眼”の軍勢を招いたのはお前達の所為ではないのか?」

「ッ!?」

「ボク達が悪いって、言いたいの?」

「……お前達の耳は節穴か? 幸か不幸か、どうやら奴らはオゥス維持への妨害に成功したのを

確認すると立ち去ったようで、先方の被害は最小限に留まったらしいが」

「~~ッ! もう何なのよ、さっきから偉そうにッ! 自分達のことばっかりッ! ジーク

は、ジーク達は──!」

「止せ。またこいつらとドンパチやる気か?」

 あくまで自分達は“世間のヒト”とは距離を置くというスタンス。

 ストリームの歪みを調整する、その民族としてのアイデンティティが故に徹底される冷淡

と取って過分になる態度。

 ミアが静かに眉間に皺を寄せる隣で、ついにステラが我慢の限界に達しようとしていた。

 しかしずいと銀髪を揺らし、高揚で瞳が紅く──魔人メアのそれに染まり出すすんで

の所で、ダンがその太く大きな腕で制しに掛かる。

「労力の無駄だろ? 別に俺達は戦いに来てるんじゃない。あくまで、調査だ」

 ガディア達はそんなステラが見せた変化に思わず目を丸くしていたが、ダンが二人に言い

聞かせながら寄越す眼光もあって言葉を付け加えることはできないでいた。

 末尾をやや強調して、緊迫した空気が要らぬ戦闘を起こしかねない事態を食い止める。

 そして静かに苛立っている娘、悔しそうに涙目になっているステラをもう一度見遣ると、

「……戻るぞ。ここも収穫は期待できなさそうだ」

 ダンはこの距離感を埋めるつもりのない守り人らに背を向け、先んじのそりと歩き出す。


「お疲れさま。はい、ステラ」

「うん……。私こそ、ごめん」

 そのまま何棟目からも分からなくなってきたこの導きの塔を後にし、ダン達は最寄の小村

で暫しの休憩を取ることにした。

 その一角にある茶屋に腰を下ろし、店員の老婆から受け取ったお盆の上の注文の品をミア

がステラとダンに手渡してゆく。

 ほかほかと温かい茶と、程よく甘い団子に羊羹。

 先程までの苛立ちを癒してくれるかのように素朴な味わいが口の中に広がる。

「……結局、今日もろくに情報らしい情報は集まらなかったな」

「うん。予想はしていたけど」

「だけどさ、あそこまで突っ撥ね続けられると流石に嫌になっちゃうというか……」

「そうだな……。分からんでもないが」

 さりとて自分達の目の前の現状が変わってくれる訳ではない。

 ダンは非協力的なガディアらに不満を漏らす二人の声を耳にしつつ、ズズッと茶を一口。

ほんのりと、湯飲みから漂う湯気越しにのどかな緑を眺めつつ思う。

 自分達は仲間──ジークらレノヴィン母子──の為に、六華を奪還すべくこの国にやって

来た。それは間違いない、ブレるとすら考えていなかった理由の筈だった。

 なのに……このアウェー感は一体どういうことなのだろう?

 “結社”からの妨害は(敵対しているから)分かるとしても、ガディア達のあの頑なまで

の非協力的な態度は正直自分でも「どうして?」と思いたくなる。少なくとも、彼らの言葉

尻から察するに“結社”と繋がっている様子はなかったのだが。

(……俺達ヒトがストリームを歪めている、だからってか?)

 とんだ逆恨みだろうがよ。

 ダンはチッと舌打ちをしたが、それでもまだ一蹴し切れないもやもやが胸の奥に燻ってい

るのを感じていた。

 似ているのだ。ヒトの繁栄の為にセカイを拓く事と、この皇国くにのように強くあろうとする

が故に弱者の出現を是認している姿とが。分かっていても、止められない様相が。

 いや……むしろトナンでのそれらも、全体セカイから見れば潮流の一部なのだろう。

 所謂「開拓派」と「保守派」。

 二分法で語ってしまう事自体は容易いが、なまじ荒事に接する機会の多い業界に身を置い

ているが故にそれらの潮流に対する立場の違い、それ故の争いについては正直掃いて捨てる

ほど見聞を重ねてきたつもりだ。

(だとすりゃあ、分かんねぇんだよなぁ……)

 そして団子を大きな一口でまとめて串から抜き取り口の中に放り込んで、怪訝に唸る。

 自分の理解が正しければ、“結社”は保守派(の中でも相当な過激派)に分類される筈な

のだ。なのにまるでトナン──現在の治世からみても敵対するであろう開拓派──に与する

かのような、これまでの自分達への妨害行動は、どうにもチグハグする感が否めない。

 奴らにとって、現在の皇国と六華は別物という認識なのだろうか?

 いや、そもそも奴らは何故ああも六華を執拗に狙って来たのか?

「…………」

 熱を帯びる疑問に、自然と眉間に皺が寄る。

 団子をもしゃもしゃと咀嚼しつつ、ダンは横目で束の間の休憩と談笑をしている娘とその

友を一瞥すると、もう一度じっと考え込み出す。

 今更かもしれない。次々と起こる目の前の事件に手一杯だった面もあるのだろう。

 しかしこうして状況を見渡してみると、分からない点が多過ぎるのだ。

 “結社”が六華を狙ってきた理由。自分達をおそらくは皇国トナンに踏み入れさせたくなかった

とみえるアウツベルツや導きの塔での妨害行動。

 どうにも繋がりが見え辛いような気がする。

 六華を取り戻す為にも、これからのジーク達の為にも、奴らの“理由”を知ることは実は

既に避けては通れない疑念ではないのか……。

「……?」

 そんな最中だった。

 ふとミアがピクリと猫耳をひくつかせると、それまでの雑談を止めて村の外方面へと目を

遣った。ステラも、口の中の団子を片付けていたダンも、同じく何事かとその方向に視線を

向けてみる。

 聞こえてきたのは軍靴だった。

 遠くの村の入口近くで、軍服姿の一団が何やら近くの村人らに質問を投げ掛けているのが

見える。ただ軍隊とはいってもあまり臨戦的な重装備ではない。おそらくは周辺を受け持っ

ている守備隊の類なのだろう。

 そうしてダン達が遠巻きにそんな一団の様子を見遣っていると、こそりと先程の茶屋の老

婆が顔を出してくる。

「……おやおや。また兵隊さんかい」

「また? 婆さん、この辺りは守備隊がよく来るのか?」

「そうですねぇ。アズサ様の代になってからは特に出入りが増えたような。まぁ都から割合

近いですから。しょうがないと言えばしょうがないんでしょうけどねぇ……」

 老婆ののんびりとした、しかしその表情の裏に疲労のようなものを隠した返事を聞いて、

ダンらは誰からともなくお互いを見遣り合った。

 アズサ皇からの代。つまりそれは、今の治世になってから軍隊を動かさないといけないよ

うな案件が増えているという事なのか。

「見た所、お客さん達は旅人さんのようですね。くれぐれもお気をつけて下さいまし。アズ

サ様は何かと“尖った”方ですから」

「……。ああ、そうらしいな。忠告ありがとよ」

 あまりのんびりと長居している訳にもいかなさそうだった。

 同じくいい心地ではないとみえる娘っ子二人を傍に、ダンは平静を装って微笑んでみせる

と、この老婆に代金の支払いを始めて──。


「ほう。先代の頃の兵隊さんなのか」

「だったらあんたらは俺達の味方だな。ほれ、ぼさっとしてないで座りなよ」

 一方、リンファとリュカは皇都の下町で地道な聞き込みを続けていた。

 結論から言うと行動開始前の目論見──リンファが元・先皇一家の近衛隊士であるという

経歴が有利に働くのではないかという打算──は思った以上に住人からのレスポンスを引き

出すことに成功していたのである。

 勿論逐一を話した訳ではなかったのだが、自分達が先皇ゆかりの同胞だと知るやいなや、

決して裕福とは言い難いあばら屋の軒下にたむろしていた人々はそう言って二人を手招きし

てくれる。

「……リンファさん」

「大丈夫だ。言っただろう? 私の予想が当たったみたいだ」

 それも元を辿れば中間層未満、今日の改革の治世で恩恵を受けられなかった者達の妬みの

類といった感情なのかもしれない。だが今回ばかりはこの利害の合致を歓迎すべきなのだろ

うと割り切る事にする。

 屋外に置かれたボロっちい木のテーブルを囲み、終には「こいつは吉報だ」となけなしの

酒瓶まで持ち込むまで現れて。

 おずおずとやれやれと。

 気付けば二人は別々な反応と共に空いた席に着いていた。

「それで? 何を訊きたいってんだよ? さっきは暫く国を離れていたとか言ってたが」

「ああ。暫く外で仕事をしていてね。久しぶりに帰って来てみればどうやら色々と変わって

いるらしくてな。だからこうして、散歩がてら留守の間に何があったのか、耳に挟めないも

のかとね。……大体はそんな所だな」

「ほう。やっぱり出稼ぎさんだったか。そいつはお疲れさんだったな」

 粗末だが、しかし飾らないグラスを傾けてリンファと住人らは互いに酒を酌み交わした。

途中でリュカもと誘われたが、まだ緊張しているのか当人はその誘いをやんわりと断り一先

ず様子見を決め込んでいる。

「じゃあどれくらいから話そうかね。……先代が謀反で倒れたって事は?」

「……ああ。人伝にだが。できればその辺りについて知っている事があれば、話して貰える

と助かる」

 とりあえず一杯目をくいと飲み干し、本題へ。

 既に長らく女傑族どうほうの中ではナイーブな話題となっているのだろう。

 先陣を切ってそう静かに最初の確認を投げきた中年男性に、リンファは気丈にも促すよう

に返答をする。

「……。そうか」

 住人達の眼の色が、変わった。

 とはいえ、少なくとも険呑という訳ではない。むしろ何処か遠くを見るような、嘆息の類

を多く含んだ感情に思える。

 そして語られ始めたのは──より一層、彼らの身に詰まされた皇国トナンの過去から現在へと至

る姿だった。

 おしなべて貧しくとも、寄り添い支え合って暮らしていた先皇の頃までのトナン。

 そのゆったりとした時間を伝統を壊し、強い国を目指し始まった現皇アズサの治世。

 語られるのは、何故そこまで“強い国”でなければならないのか? そんな彼らの素朴な

疑問。そしてそうした問い掛けには耳を傾けず、ただ富める者達と共に邁進してゆくアズサ

皇への不平不満だった。

「加えて、最近はレジスタンスっていう連中とのドンパチも激しくなってるんだよなぁ」

「聞いた話じゃあ、先皇派の一部が加わってるとかいないとかで。別に俺達は同胞同士で戦

争をしたい訳じゃないってのに……」

「……。そのレジスタンスのメンバーや指導者というのは、ご存知なんですか?」

「まさか。相手はあのアズサ皇に喧嘩を売って何十年も逃げ続けてるような奴なんだぜ? 

俺達みたいな庶民に顔がバレちまうようなヘマはしないよ」

「だよなぁ。仮にバレてるとしても、アズサ皇がそのまま野放しするとは思えないし。或い

はそれだけそのリーダーとやらが上手いこと立ち回ってるか、だが……」

 断続的に漏れ出す、眼前の下層市民らの声。

 その隙間を縫うようにそっと質問を投げてみたリュカと顔を見合わせ、リンファは内心で

思案をしていた。

 どうやらレジスタンスは庶民との繋がりが必ずしも深い訳ではないらしい。

 ここが皇都──アズサ皇の膝元である所為なのかもしれないが、一口に先皇派といっても

その立ち位置は様々のようだ。

(大体の状況確認まえふりはこんなものか……)

 そしてグラスを傾けつつその間も続く彼らの溢れる愚痴を聞きながら、リンファは次の質

問へと移ろうとする。

「ところでもう一つ訊きたいんだが。蜂起のあった日以降、王宮に何か変わった事はなかっ

ただろうか?」

「王宮? 何でまた……?」

「……知らないのならいい。だがむしろ私にとっては本題なんだ。一度は宮仕えをしていた

者の一人として、少しでも今の王宮がどうなっているのか耳に入れておきたくてね」

「嗚呼、なるほど」

「ん~……でもなぁ。俺達みたいな庶民には中々……」

 一瞬の怪訝の後に納得し、さりとて心当たりはなさげに彼らはお互いを見遣る。

 駄目元ではあったが、流石に知らないか。

 そうリンファが密かに苦笑し、ではもうとこの話題を収めようとした。

「あ。その、王宮についてなら一つ聞いたことがあるんだけど」

 そんな時だった。

 ふと彼らの中の、まだ年若い青年がそうおずと手を挙げて口を開きかけたのだ。

「えっ? 本当?」

「些細な事でも構わない。教えてくれ」

 思わずリュカが、リンファがその彼に視線を向け、促していた。

 そんな二人の反応に少々驚いたのか、彼は一度ごくりと唾を飲み込んでから語り出す。

「いや、さ。俺も人伝に聞いただけだから本当かどうか知らないんだけど。……何か少し前

から王宮に変な奴が出入りしてるらしいって噂があるんだよ」

「え? そうなのか?」

「あ~……聞いたことあるような、ないような」

「……その怪しい者というのは?」

「いやいや。だから俺もそこまでは知らないんだって。ただ怪しい黒ずくめの連中が王宮に

入っていくのを見た──とか、そういう類の話でさ」

 少なくとも青年自身は眉唾物の話、或いは盗賊の類ではないかと語った。

 そうした見解は周りの住人らも似たようなもので、結局さして深く言及することもなく、

そもそも初耳な者も多く、気付けば再び彼らの愚痴の垂れ流しが始まっていく。

(王宮に出入りする黒ずくめの連中、か……)

(それってまさか……?)

(かもしれない。だが、これだけでは確証とするには足りないと思う)

 そんな中で、リンファとリュカはひそひそと目配せと数度のやり取りを交わしていた。

 流石に六華の事は安易には訊けず、収穫があっても迂遠だろうと思っていたのだが、この

青年の語った噂話が、にわかに二人のイメージの中に“結社”の影を過ぎらせる。

 皇国ここへ奴らが追ってくるのではなく、既に待ち構えている……?

 互いの顔を見合わせ、そんな可能性を想起していると。

「あら?」

 ふわりと、ちょうど二人と彼らの間に割って入ってくるかのように、密集する家屋の上か

ら淡黄色の光球──精霊が一体、姿を見せてきた。

「おわっ!?」

「も、もしかして……精霊?」

「そうなのか? 俺初めて見た」

 ここトナンでも一般人には見慣れない存在なのか、彼らは一様にその出現に驚いたり興味

深げに目を細めたりしていた。それでもそんな中をこの精霊はゆったりと漂い、辿り着くか

のようにしてそっとリュカの広げた掌の上に止まってくる。

「リュカ。その子は……」

「ええ。伝言を頼まれて来たみたい」

 ほうっと暫し掌で点滅し、魔導師以外には聞こえぬやり取りを済ませて、精霊は現れた時

と同じようにフッと舞い上がると空気に溶けるように消えてゆく。

 リンファが視線を向けてくるのに頷きながら、

「ステラちゃんからよ。……どうやら私達が思っている以上に、風向きが悪いみたい」

 リュカはフッと険しい表情かおを漏らすと呟いた。

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