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私立英高校 放課娯倶楽部

放課娯倶楽部

作者: らきむぼん(raki)

小説を書く者として、軽い気持ちで書いた作品があっていいのかとも思いますし、ましてやそれを公開していいものかという気持ちもありますが、この拙作はまさにそんな小説です。

私は他の作品を書くときに、設定の難しさや構成の難解さに心折れそうになることが多いのですが、そんなときにボケてつっこむだけのコメディを遊びで書いて気分転換しています。

そんなことが十数回続いてできたのがこの小説です。

最初は公開しないつもりで書いたので、自由度が高すぎてやりすぎた感がかなりあります。

はしゃぎすぎたというか、完全に読者を選ぶ小説です。

どうか、読んで頂ける方は、ハードルを下げて、いやハードルを埋めてご覧下さい。

噂によると、この小説はドラゴンボールを知らないと10パーセントしか楽しめないとかなんとか……(たぶん嘘ですw)。


いつもの堅い作風を壊して書いていますw










「放課後ってイタズラ心をくすぐるよね」

 二人きりの放課後の教室。彼女は端正な横顔をこちらに見せながら、そんなことを言った。

 クラス一可愛い女子と二人きりなんて、本来テンパってしどろもどろになる場面だが、僕は目の前の女子にそういう異性間のドキドキ感的何かを感じられない。

 何故なら、目の前の女子高生が、外見で性格を詐欺ってるからである。

「いや、詐欺ってないよ、あたし。心も外見も綺麗なのさ」

「心が綺麗な奴は自分の整った外見に言及しねぇよ。謙虚さの欠片もねーのな。……っていうか、地の文を読むんじゃねえ」

「え~? てかさ、どうでもよくない?」 

 畜生、この女、話を一瞬で無に帰しやがった。

 とにかく、この女は名を嵐山早奈美あらしやまさなみというのだが、超美少女なのに頭が残念な子なのだ。

 そして、そんな変人クラスメートの唯一の友人が僕、西山治樹にしやまはるきである。

「それで早奈美、僕はなんで呼ばれたんだ?」

 そう、僕はコイツに呼び出されてここに来たのだ。どうせろくでもない用事だろう。

「あぁ、何だっけ。……そうそう、イタズラ心の話だよ」

「何だ、さっきからイタズラ心がどうのって」

「放課後って暇でしょう? なんかイタズラしたくならない?」

「いや、別に。帰りゃいいじゃんか」

「死ね」

「…………」

 僕は今なんで呪いの言葉を吐かれたのだろう。

「ねぇ、そういえばさ、今日は服着てるんだね。いつもは素っ裸であたしに会いに来るじゃない」

「待て! 勝手に僕を変態キャラにするな!」

 何てことを言いやがるんだこの女は!

 もしかして、早奈美は僕を暇つぶしに巻き込みたいだけなんじゃないのか?

「お前、ホントに何で僕を呼んだんだ? 特に用事がないなら帰らせてもらいたいんだが……」

「うーん……もう本題に入るん? まだまだ尺はあるんだし、作者にはもう少しイントロを書いてもらわない?」

「なんの迷いもなくメタ発言をするんじゃないよ。いいから本題に入れや」

 僕としては小説の完成云々よりも、早く帰宅してゲームでもやりたいところである。

「じゃ、治樹ッチ、数学の宿題を見せてもらおうか!」

「は?」

「本題よ本題。数学の宿題見ーせて」

 このアマ、そのために僕を呼び止めたのか。

「…………はぁ」

 それくらい自分でやれや。

「さあ! 早く! もったいぶらないで! あたしに、数学の宿題の答を寄越しなさい!」

「断固拒否する!」

「照れるなって。どんなに拒否しても最後にはあたしに答を見せるんでしょ。ツンデレなんだよね~、治樹ッチは」

「うっせぇ。見せるか、ばーか。つうか、その治樹ッチって呼び方やめろ」

「ふうん……そんなこと言っていいんだ?」

 …………?

 早奈美は顎を上げて見下すようにして僕を睨んでいる。

 何だ、早奈美のこの自信は……?

 まるで、早奈美が僕の弱みを握っているみたいじゃないか。

「それは、どういう意味だ?」

「はははー、気づかない? バッカですね~。自分の、過失に気づかないなんてねー。……いやさ、治樹ッチ。今どきベッドの下に隠すのは古いっしょ。あーあ、バレちゃったね!」

「なん……だと?」

 バカな、何でコイツが、僕の隠したアレを知ってる?

「治樹ッチの隠したのは…………エ」

「待て待て待て待て待て!!」

「ロ」

「待てって言ってんだろ!」

「エロ本」

「ギャアアアアア!!」

 終わったぁー……。

 よりによってクラス一の美少女にバレるって。心はブサイクとはいえ、一番可愛いコイツにバレるって……。

「あれれ~? まさか、ホントに隠してたんだ? かぁ~、バカ過ぎワロス。リアクションしなければ分からなかったのに」

 ナニ!?

 今なんつった?

 え? 何? コイツ、僕をはめやがったのか!?

「あのー、嵐山早奈美さん。私から一つ提案が御座います」

「うん、だろうね」

「数学の宿題を見せますので、この度のことは一切口外しないと約束していただけないでしょうか?」

「治樹ッチ、そのノリ超キメェ」

「ナンだと? 人が下手に出れば……。そしてやめろ、その呼び方!」

「じゃ、エロッチ」

「治樹ッチでお願いします……」

 クソッ。「ッチ」の方を残しやがった。

 早奈美は机に腰掛け、満足げに脚を組んだ。

「早く見せろ、治樹ッチ。それか、死ね」

「なんか時々、僕に死を要求するのは何なんだよ!」

「早く見せろ。そして死ね」

「選択じゃなくなった!?」

 なんてことだ。早く見せないとここで死んでしまう。

「分かったよ! チクショウ、なんか無性に悔しいな!」

「イタズラ心って素敵」

「うっせ。何がイタズラ心だ、くそったれ。いたずら心だろお前の場合!」

 西島治樹、ここに完敗す。



****************************************



「乙でーす。いやぁ、助かったよ、治樹ッチ。数学って、苦手でさ」

 早奈美はニコニコと笑みをこぼしながら僕に宿題を返却した。

 ……何だろう。敗北感を通り越して清々しい感じ。いやー、まあ、喜んでもらえれば結構ですよ。これでまた、僕はまた博愛を御披露目してしまったよ。そろそろ神様からスカウトがされるんじゃないかな。……え、何のスカウトかって?

 第二のキリストの……ね。

「うるせーよカス。はりつけにすんぞ」

 早奈美が冷淡な眼差しをこちらに向けながら、低い声で言った。

 空恐ろしいのは、ニコニコが健在なことだ。

 ……不思議だ、何でだろう、何故かこの女は地の文を読みやがる。

はりつけはやめてくれ。僕は多分復活できるタイプの人間じゃない」

 さっき、第二のキリストとか言っちゃったけれど。

「じゃあ、安息日に安息香酸ナトリウムカフェインを大量皮下注射で」

「よく分からんが痛そうだからやめろ」

 コイツ、数学できないくせに理系知識出してきやがった。しかも、さり気に安息日とかけてきてんのが腹立つ。

「ところで、用が済んだなら僕は帰るけど」

「はあ? あー、なに、そんなに早くエロ本が見たいわけ? これだから男は……」

「ふざけんな、僕は早く帰ってモンハンがやりてえだけだ」

「ふうん、いいよ、帰っても。ただ、あたしは独断と偏見でキミがただのエロッチだって認識して、明日には全世界にその噂が発信されるけどね」

「なっ! 貴様、約束がちげえぞ! しかも何で世界規模なんだよ。お前はどういうネットワークを持ってんだ。それに独断と偏見を発信すんな!」

「あたし約束とか知らなーい。互いに弱みを握らないと約束なんて意味ないよーん」

 ……うぜー。

 何だ、この女。傍若無人過ぎる。

「早奈美、よーく考えてみろ。お前が僕を引き止める理由はあるのか? 用は済んだはずだ」

「治樹ッチにはあたしのやっている倶楽部活動に加わってもらいます」

「…………一応聞いてやるから倶楽部名と活動内容を言ってみろ」

 どうせ訳の分からんことを言い出すのは分かり切っている。

「放課娯倶楽部。放課後の暇つぶしを主な目的とする、圧力団体」

「うん、分かった。人はそれを『帰宅部』と呼ぶんだよ、部長さん。…………いや!? 圧力団体って何ぞ!?」

 一見帰宅部だが帰宅部じゃなかった!?

「圧力をかけてメンバーを増やすんだよ。おめでとさん、治樹ッチが放課娯倶楽部の第二の部員だよ」

「そういうことかよ! 省庁とか政党に圧力かけるのかと思った。ただの嫌がらせ団体かよ! しかも部員二人!?」

 まあ、当然といえば当然ではあるけれど。既に組織化されてたら、そっちの方が驚きだ。

「安心して、徐々に増やすから。とりあえず、治樹ッチを第二部長に任命します」

「第二部長ってなんだよ。なんで長が二人いやがる。初めて聞いたぜ、そんなシステム」

「馬鹿丸出しだな、治樹ッチは。古代スパルタでは国政において二人の王が並立してたんだよ」

「馬鹿はお前だ。スパルタと帰宅部を並べるな」

 古代スパルタとか……。知識が偏ってるよな、コイツ。大体、確かに古代スパルタでは王が二人居たが、形式的な存在だったんじゃなかったか。しかも、代表が一人にしたって複数にしたって、代表が代表たる由縁はその他の一般があるからこそだろ。代表しかいない団体ってなんだよ。

「それで? 僕がその部に入ると何か得が有んのかよ」

「あるよ。今なら入部者に、とっておきの情報をプレゼント!」

「何だよ、とっておきの情報って」

「ドラゴンボールで一番強いキャラは誰かという永遠のテーマの答」

「……いや、僕は別に知りたくねぇよ」

 大体、ドラゴンボールを知らない人は付いて来れないぜ。読者を選ぶ小説書いていいのかよ、作者め。

「大丈夫だよ。前書きにドラゴンボールを知らない人はこの小説を十パーセントしか楽しめませんって書くから」

「ドラゴンボールで九十パーセント楽しめんのかよ! とんだ小説だな!」

 また地の文を読みやがったことは見逃せても、そこだけは突っ込むぞ。僕は作品内容には妥協しないんだ。

「作者が十回もドラゴンボール全四十二巻を読み込んで発覚した真実なんだから聞いてやんなよ! 治樹ッチの人でなし!」

「逆ギレかよ! そこまで言われることか!?」

「作者はみんなにこの発見を伝えてるのに、コアなドラゴンボールファンが少なくて伝わらない。……その想いをこの小説に全て込めてるのよ」

「作者も作者だな、畜生。この作者、絶対止めてもやるだろ……。分かったよ、聞いてやるから言ってみろよ。僕もそれなりにドラゴンボールには精通しているし」

 なんか、こんな自由でいいのか? 果たして読者は付いて来れるんだろうか?

「まあ、元々作者はこの小説を公開するつもりなかったみたいだからね。西尾維新風に言うなら『二百パーセント趣味で書きました』って感じじゃない?」

「また『化物語』読んだ人にしか伝わらねーことを言いやがって。しかも後書きを引用してっからな。……ていうかさ、そろそろ気になってきたんだが、メタ発言が多すぎて話がグダグダだぞ」

「そうね。そろそろ本題のドラゴンボールの話に移りましょー」

 いつの間にか本題がドラゴンボールになっちまったよ……。

「本題がドラゴンボールだったら今までのくだり何だったんだよ、全く」

「あのねぇ、無駄も必要なんだって。ドラゴンボールで言うところのヤムチャよ。初期は孫悟空のライバルであり仲間であり、重要なポジションだと思われていたのに、後になって読み返してみれば、何だこの茶ば……」

「やめろぉぉぉー!! それ以上言ってやるな! ヤムチャが不憫すぎる!」

「茶番劇ww」

「言うのかよ結局!」

 ヤムチャにだって頑張ってんだよ。wwとか使うんじゃねーよ。可哀想に……。

「で、結局ドラゴンボール最強は誰なんだ?」

 意外と気になってる自分が悔しいが。

「理論上、単体で最強になれるのは天津飯だね」

「…………天津飯? 天津飯って、終期のドラゴンボールでの戦闘力インフレにリタイアした、脇役じゃねえの?」

「いやいや、天津飯は終期でも活躍してるよ。魔神ブウ戦で悟飯とデンデを間一髪で救出してるし」

 ……いよいよ、読者のドラゴンボール知識を無視して進行してんな、この小説。

「うーん、まあ、天津飯の凄さは解ったが、にしたってアイツが最強ってのはオカシくないか?」

「第二十二回天下一武道会で、孫悟空に対して使った技『四身の拳』を覚えてる? 四人に分身するやつ」

「あったな、そんなの。力とかスピードも四分の一になっちゃって、結局やられちゃった技だろ」

「そう。その四身の拳とフュージョンとポタラを使えば最強になれない? まず四人になって、フュージョンで二人に戻る。フュージョンは元の二人の力の合計以上にパワーアップする融合だから、この時点で天津飯の戦闘力は上がる。で、その動作をフュージョンの制限時間の三十分ギリギリまで繰り返す。そして最後に融合が解除されないようにポタラによる合体をすれば最強天津飯の出来上がり!」

 早奈美はもはやどうでもいいような説明を嬉々とした表情で終えた。

「まぁ、その理論が矛盾してるかどうかは知らんが、あんまり現実的な話じゃないと思うぜ」

「……何で?」

「だってさ、フュージョンってちょっとミスるだけで成立しないじゃん。三十分もミス無しでフュージョンをし続けるのは相当のプレッシャーだよな。それに、ポタラが分身した天津飯を同一人物とみなしたら、融合しない可能性もある気がするんだけど」

「…………………………………………………………死ね」

「てめぇは情緒不安定か!」

 都合が悪くなるとすぐこれだよ! こいつ、よく今まで何のトラブルもなく生活できたよな。

「いや、治樹ッチ。トラブルは多々あったよ。お隣の暴力団が小指を要求してきた時はビビったよ」

「どんなシチュエーションだよ。つーかお前んちの隣暴力団なの!?」

「なあに、小規模な暴力団だよ。二、三百人位じゃない? 古代スパルタと比べりゃ兵力がまるで足りないよ」

「お前の中で古代スパルタは何の基準なんだか言ってみろ」

 古代スパルタへのこだわりはどこから来てるんだ?

「そんなどうでもいい話はともかく、情報を聞いた以上、放課娯倶楽部に入会してもらうよ」

 僕は、そういえばそんな話してたなぁ、と思い出した。

「……まあいいよ、別に。放課後に暇つぶしするだけだろ。もはや倶楽部と言えるか知らんが……」

 所詮自称だから文句は言わないけれど、内容が乏しいよな、その倶楽部。

「簡単に考えてもらっちゃ困るなぁ、治樹ッチ。将来的には我が高校の正式な部活に昇格させるのよ」

「J2からJ1に昇格するみたいに言ってっけど、絶対無理だぞ。そもそも何だよ『放課後倶楽部』って、まんま過ぎるだろ」

「違う違う、ふざけないで! 『放課後倶楽部』じゃなくて『放課娯倶楽部』だよ。『後』じゃなくて『娯』!」

 あれ? いやいや、前から気になってたけれど、早奈美の誤用じゃなかったのか。確かに放課後を放課娯と間違えるってのは無理があるか。

「なんか意味あんの?」

「放課後と娯楽と倶楽部をかけてんの! ほら、娯楽の『娯』が倶楽部の『楽』に繋がるのさ」

 早奈美はどや顔でこっちを見てくる。感想を求めているらしい。

 いや、感想っつってもなぁ……。

「下らねー」

「ん? もう一回いってみな。返答しだいでは、エターナルフォースブリザードをぶち込むわよ」

「エターナルフォースブリザードって何!?」

「一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる最強の技。相手は死ぬ」

「……あぁぁ……イタすぎる……! どこの厨二病だよ!」

 まぁ、後ほどインターネットで律儀に《エターナルフォースブリザード》でググってみたら、2ちゃんねる由来のワードだと判ったので幾らか安心したが、この時の僕は真剣に彼女の将来を心配した。

「あたし思うんだけど、単に『エターナルフォースブリザード!』って叫んでも、厨二臭さが足りないと思うのよ」

「足りてるわ! これ以上恥ずかしい真似はするな!」

 ていうか、厨二っぽいって知ってて言ったのかよ。

「枕詞っていうか、詠唱っていうか、もっとこう、魔法っぽくさ……」

「無視して続けるなよ、いらねーよ詠唱とか!」

「冥界の扉よ、我が願と魂に応じ、凍てつく吹雪の剣と全てを切り裂く鬼神の氷牙を与えよ。血は氷華、魂は刃。吹き荒れよ! エターナルフォースブ……」

「ああああああ!!!! やめろ!! やめてくれ!! イタすぎて聞いてらんねぇ! そしてまず、その高らかに掲げた両腕を下ろしてくれ!」

 僕は早奈美が魔法を唱え終わる前に彼女のその両腕を自分の両腕で掴み、必死に下ろそうとした。

 抵抗する早奈美。抵抗するということは、魔法発動には両腕を高く上げる必要があるようだ……って、何の話だよコレ!

 しばらく、魔法発動を巡る攻防戦(ハイファンタジーみたいな響きだが、ただの取っ組み合いである)が続くと、不意にガラガラと音を立て教室のドアが開けられた。

「……嵐山さんに西山君? 何やってるの……?」

 まさかの委員長登場である。

 紹介しよう。彼女はクラス委員長、白崎奈緒しろさきなお。僕の小学校からの同級生だが、これがまた生真面目なやつで。

 男女で取っ組み合いをしている僕らを見て訝しんでいる。

「いや……何やってるのって聞かれると……」

 取っ組み合いと答えても、何というか、異性同士が取っ組み合いできるのも僕と早奈美だからであって、なんか嘘っぽいっていうか、良からぬ誤解が生まれそうな気が……。

 かといって魔法の発動を阻止してますなんていう冗談がこの委員長さんに通用するのかどうか……。

 そして、僕が返答に困ってると、早奈美が衝撃の一言。

「委員長ちゃん! あたし、コイツに痴漢行為を……!」

「待て待て! 何で僕がお前に……」

 とんだ言いがかりだ! 冗談の通じない人に何てことを言いやがる!  とはいえ奈緒だってこの女が変人だってことは知ってるわけだし、まさか信じないよな……。

「西山君! 嵐山さんから離れなさい! ついにそんなことをやってしまったのね!」

 信じてんじゃねーよ委員長!! つーか、「ついに」って! 僕が痴漢をすると思ってたのかこの人! それでも僕はやってない!

「いくら小学校からの付き合いがあっても、我がはなぶさ高校の気風を乱す行為は許しません!」

 英高校ってのは、僕らの通う高校の名前である。昔から奈緒は自分の学校に対する愛情が強い。

 そんな奈緒は、とんでもない誤解をしたまま鬼の形相で僕に近づいてきた。

「誤解だって! 僕が早奈美にそんな変態行為する理由あるかよ!」

「ベッドの下にあんなものを隠している西山君は信用できないです!」

「何でお前が知ってる! オカシいだろ!」

 僕んちのセキュリティー大丈夫かよ!?

「西山君が正義の道を踏み外さない為の不法進入なんだからね。私に心配かけさせないでよ」

「目を覚ませ! お前の正義は正義じゃない!」

 この時の僕はまだ気付いていなかった。

 この、奈緒との数秒の会話の後に早奈美が放つ一言がこの喜劇をバッドエンドに導くとは。

 コメディにバッドエンドなんてあるのかって感じだが。

 そしてついに、その時がやって来た。

「委員長ちゃん! ナイス時間稼ぎ!」

 ヤな予感しかしないのは僕だけではないだろう。

「食らえ治樹ッチ! エターナルフォースブリザード!!!!」

「…………」

「…………」

 放課後の教室の空気は、奇しくも彼女の望んだ通り氷結したのだった。


なんかスイマセン(笑)

私はいつも難しいテーマを扱ってる作者で、真面目作品が多いのですが、その息抜きでコメディを書いたので、自由になりすぎました。

しかも、元ネタを知らないとクスりともこないコメディーですよね。

まぁ、非公開の予定でしたから当然かもしれませんけれど。

ドラゴンボールに関しては、一回読んだくらいではついて来れないくらい細かい話をしている気がします。

エターナルフォースブリザードは、検索してみてください(笑)

古いネタですけれども・・・。

委員長白崎奈緒に関しては登場の仕方がちょっと突然すぎた気もしますが、このコメディはストレス解消に都合が良いので、続編も作る気がします。

なので、そこで白崎さんにはそこで改めて登場してもらいましょう。

まぁ公開するかはわかりませんが(笑)

ときに、古代スパルタって本当に王が二人いたんですかね?

私の雑学知識によればそうだったと思いますが、実のところちゃんと調べてないんですよね。

ともあれ、こんな私の趣味でしかない拙作にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

そしてスミマセン!


追記


『放課後CRAB』という続編を書きましたもしよかったら読みに来て下さいw

http://ncode.syosetu.com/n2208v/


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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読させていただきました。 作品として成立しているかどうかなどの小難しいことは抜きにして、娯楽作品としては楽しめました。 早奈美のキャラはいいですねw 好きなキャラです。 DBネタはなるほ…
2010/12/27 13:53 退会済み
管理
[一言] 確かに、趣味感たっぷりの小説でございました。 けれど、最初から最後まで、しっかり楽しく読ませていただきました。 ドラゴンボールも知っていたので、なんとか、100%楽しめたかなと(^^;) 面…
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