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広イセカイと狭イテノヒラ  作者: 北田 龍一
まだこの作品が小説だったころ
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二章ー6 異端者たち

楓「ずいぶんと遅かったじゃない。もうてっきり書いてないのかと思ったわよ?」

作者「それでも、大分忘れてしまったりしたところもあります。当時は、色々と溜めこんでいたんだろうなぁ……たぶん、私がこの小説を書き始めた時とは心境や状況がかなり違うので思い出しながらですね」

楓「再開しようと思ったのはなぜ?」

作「心の整理がある程度出来た今だからこそ、落ち着いて書くこともできるんじゃないかと。また更新が止まる可能性も大いにありますが」

楓「誰得よ?」

作「自己満足のために書いたっていい。自由とはそういうものだ。誰にも評価されなかろうがなんだろうが、もう一度書き始めますよ」

楓「ふーん。まぁ、期待せずに待ってるわ」

……銃声は、鳴らなかった。

 誰もが楓に気をとられている間に、死角を突いて移動していた日明が、背後から相手を投げ飛ばし、容赦なしに床へと叩きつける。

 強い衝撃を受けた男は、そのまま気絶してしまった。


「あ~あ。せっかくの獲物だったのに。横取りされたわ」


 とても残念そうに、盛大にため息を吐く楓。


「……その体捌き、どこで覚えた?」

「ナイフが教えてくれましたわ。にしても本当に残念。あの人が銃を撃ってくれたら――避けて胸に熱い一突き(ベーゼ)をくれてあげたのに」


 薄いピンク色のナイフを片手に恍惚と呟く様は、恋焦がれる娘のようだが内容が狂っている。そんな彼女と相対しても、日明は特に動揺する様子は見せない。ただ、淡々と向き合うだけだ。


「……ずいぶんな冗談だ。しかし派手に動いたな。事後処理が面倒だぞ? 私のは気絶させた程度だが――」


 彼の視線の先には、刺された強盗たちの姿があり、床が軽く血で濡れている。人質となっていた人々は、楓と日明から距離を置いていた。


「過剰防衛……ってこと? それなら何の問題もないわ。もうわかってるんでしょ、バケモノさん♪」

「……身近にいた人間なら、誰でも理解できると思うのだがな」

「いいえ、ここにいる人間の中ではっきりと認識できるのはあなたぐらいよ。ほとんどの人は『私』のことを虚像のようにしかみない。想像は出来ても、現実にするには突飛過ぎるもの。今回に関しては状況も非現実的なのもあるし……『私』がいたことなんて、ほとんどの人は白昼夢かなにかのようにごまかしてしまうんじゃない? 

そうして『私』は時間がたって忘れられるのよ……いえ、逆かしら? 記憶に残したくないから、認識しようとしないのかしら? どっちにしても私は……そんな奴らが大っ嫌い」


 心の底から憎々しげに、深い憎悪が込められた言葉を吐く。

 けれども何故か……その瞳の奥は憂いを帯びているような気がした。

 何故かはわからない。ましてや、躊躇なく自分を撃った相手なのに――不思議と、宗司の内側に憎しみは湧いてこなかった。


「ハハ……オレは忘れないから安心しな」


 だから、多少の皮肉を込めて、けれども、彼女を『忘れない』と、はっきり言うことにした。言われた少女はきょとんとして、嬉しそうに微笑む。


「復讐ならいつでも歓迎よ? きっちり返り討ちにしてあげるから安心しなさいな」


 ……どうしてそんなセリフを、笑顔で言えるのか。あるいは、こちらの皮肉へのお返しだろうか。どっちにしても――


「命が惜しいんでやめとく。えっと……」


 名前を呼ぼうとして、宗司は戸惑った。カエデと呼ぶのは何か違う気がする。彼女がネコをかぶっていたとは考えずらいし、やはり彼女は――


「別にそのままよ。私は楓、木下 楓よ。あなたの名前は石川 宗司……であってるかしら?」


 そこまで考えた所で、彼女から名乗ってくれた。それどころか、名前まで覚えてくれていたらしい。


「覚えててくれたのか。同じ部員だな……よろしく」

「……あなた変よ? 良い精神科の先生を知ってるから紹介しましょうか?」

「あえて言うぜ……お前が言うな」


 どう考えても異常者な彼女に、そんなことを言われても納得できるはずがない。


「私だから言えるんじゃない。まあ、いいわ。じゃあ、ちょっと事情聴取に行ってくるわね。多分大した時間ももかからずに帰れると思う」

「そんなに単純なものではないはずだが?」


疑問に思った日明が楓に問う。


「私は特殊ですもの。先生を呼んで、状況説明をして終わり。それに、今回も向こうに少なからず非があるもの」


 いつの間にか警察がかけつけていたのか、外にはサイレンの音が鳴り響いていた。状況を見かねて突入しないでいるのだろう。あるいは、機動隊が到着していないのかもしれない。


「今回も……か。ずいぶん手慣れているのだな」

「あなたほどじゃないわよ? さぁ、外に――」

「……あなたは、平気なの?」


 外に出ようとした日明と楓。その二人を、綾花が呼びとめた。


「どういう意味かしら?」

「人を、傷つけたのよ!? こんなふうに血を流してる! 彼らだって同じ人間です! あなたはそれで何も感じないの!? 手加減したであろう、日明さんはともかく……!」

「そうねぇ……特に何も感じなかったけど……強いて言うなら『退屈』ね。銃なんてもの持ってるから、動きが鈍くなるのよ。文明の利器の弊害ね」


 綾花には理解ができなかった。今目の前にいる彼女のすべてが。

 それを問いただそうとして返ってきたのは、それすら理解の及ばぬものであった。


「……綾花、すべてを理解しようなどと、傲慢だ。人には、他人(ひと)を理解しきれぬことなど多々あるのだからな」

「……」


傲慢と日明に言われ、綾花は黙り込んだ。日明も理解し難いが、それ以上に彼女の存在は異質に映った。


「でもまぁ、なかったことにしようとする連中より随分マシよ。今日は気分も良いし、あなたのことは嫌わないであげるわ……えっと……」

「綾花だ。岩上 綾花。……どうして宗司は覚えていた?」

「二回も名乗られて、この子が反芻までしてたからよ。それでも自信はなかったけど」


 他の人質となった人たちが外にかけだしていく中……日明は楓と何の問題もなく会話を続けていく。

 そんな中――駿也一人口元を抑え、その場でうずくまっていた……



                     ***


 

 あーあ、せっかく介入して助けようと思ったのに、無事解決しちまったみたいっすね。

 最近は差し出してくれる()も少ないってのに……全く、大変っす。

 ……あれ? あれってもしかして大師匠?

 は、ははははは! なんだ、日本に戻ってきてたんっすね!

 そういうことなら今度真剣を申し込むとするっす!

 いやぁちょっと残念だけど、その時が楽しみだなぁ


作「さて、二章はこれで終わりになります。なので、キャラの元となった部分の紹介……と行きたいと思いたいのですが、それだとネタバレになるので、やめておきます」

楓「確か、私たちの予定だったわよね?」

作「ええ、ですが思い返したらネタバレになるので、やめておきます。次回がその次ぐらいかな?」

楓「それじゃ、いつになるのかわからないわよ?」

作「うぐ……ま、まぁ時間のある時にポツポツ書いていきますよ」

楓「信用せずに、待ってるわ」

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