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広イセカイと狭イテノヒラ  作者: 北田 龍一
ここまで小説、ここからエッセイ
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比較考察:小説家の発狂

駿也「どうしたのこのタイトル?」

作者「いやぁ、前回の……それ以前からもちょくちょく突っ込まれてますが、『傍から見たらお前いかれてるぞ』って指摘を君らから受けた時にね?」

楓「……今にして思えば、このツッコミも妙ね」

凛音「狂気の原因である、私たちが言えた義理ではありませんね……」

スコット「で、何か閃いたっすか?」

作者「『小説家が発狂する』話ってよく聞かない?」

一同「……………………」

日明「……割と聞く話だな」

シャミル「自殺も聞くけど……実際は……?」

作者「調べてみると、有名な小説家の自殺や発狂が多いのは確かです。日本だと太宰治、芥川龍之介が自殺してるし、海外だと『老人と海』の著者ヘミングウェイが精神を病んでいる。高名な作家は勿論、そうでない作家も壊れたり、自殺した人間はいる……」

楓「とはいえ全員が全員、タルパ関連の発狂や自殺だ……なんて言えないわ。でしょ?」

作者「勿論そうです。分かりやすい壊れ方の人間も、もちろんいます。名前は伏せますが、こんな人たちがいました。

 次回作への期待が大きくなりすぎて、圧力で折れてしまった作家。

 何とか次回作を作品として書ききったものの、一作目よりキレがなくて自責の念で壊れた作家。

 あとは……ライバルとして見ていた相手が表舞台に出たせいで、細々と裏方で燻っている事に嫌気が差した……もっと言うなら嫉妬に狂った作家

 ……多分探せばもっと出て来るでしょうけど、これぐらいで勘弁してください」

カエデ「どーして?」

作者「狂気を正しく理解したら、私まで精神削られるからですよ……」

宗司「ああまぁ、うん」

駿也「でもここまで見ても、タルパ周りと関係なさそうだけど……」

作者「これは分かりやすく『タルパ系列と関係のなさそうな発狂』を例に挙げてますから」

カエデ「じゃあ『関係ありそうな発狂』って?」

作者「……どう表現すればいいんだろう?『自分を“自身の小説に登場したキャラだ”と言い張る精神異常者』……かなぁ?」

駿也「エドテンしそう」

シャミル「自信ないの?」

作者「この辺りはどうしても、感覚的なモノになるのでね……全部を伝えきるのは無理だと思います」

日明「とはいえ伝える努力はしろ」

作者「ん。了解」


作者「えーと、まずさっき上げた状態が、一般的にどうして狂気なのか? の解説から入ります」

宗司「……これ大丈夫か? 某動画の人に怒られねぇか?」

作者「それは平気。あの人はネタでやっているからね。動画として、ギャクとしてやっているだけであって、平素の時は普通にしているでしょう。コンビニやスーパーの買い足しの時とかは、あのテンションじゃない」

カエデ「たまたまネタを知った人と出会って、振られたら!?」

作者「あー……人次第でしょうね。声優の『スネーク』の方は割とノリが良いらしいと聞きます。しかしとあるお笑い芸人の人は、ラーメン屋の亭主さんが『つけ麺』と振っても、持ちネタを返さなかったって話です。この辺りの考え方は……ホント人によって違うので、一概には言えません」

綾花「話し逸れてないですか?」

作者「うんにゃ。大事な前提の話ですよ。今上げた私のラインが、一般的には『正常』だ。仕事として、ネタとしてやっている。知ってる人、ファンの方に求められたら、やったりやらなかったりする。

 けれどそれとは別に『プライベートな当人のキャラクター』がある。芸名を持つ前の、一人の人間としてのキャラクター……あるいは人格ですね」

凛音「声優や芸人の方に限らずある話ですね。家族やプライベート用の自分キャラと、社会での……会社や公共の場で出す自分キャラは違う」

スコット「ここで終わりなら、タダのTKOの話っすけど」

作者「問題はここからです。一般的な社会人であれば、ここで境界が出来たとしても問題ない。基本『社会でのキャラ』は『日常生活のキャラ』を上回ることはないからです。なぜなら『社会でのキャラ』は個人の感情や本音を抑えて、組織のため会社ため行動するからです。たまに両立している人もいますが、基本は『日常生活のキャラ』は抑圧されています」

綾花「図にすると

『社会人としての人格』『公共の場での人格』<『プライベートでの人格』

ですよね?」

作者「その表現すごい助かる」

楓「両立している人の場合、記号が<から≦に変わるわ」

宗司「言いてぇ事わかった。作者の言う発狂って、記号が>とか≧に変わっちまった連中か」

作者「そうそう! その通り。小説家や俳優、声優といった『物語を演じる』『作る』職業に就く人種は『仕事として濃いキャラクターを作らなければならない』のです。そうなると『仕事用の人格』が『プライベートの人格』を上回ることが起こる。ちょっと上回るぐらいならともかく、ここの差が大きくなりすぎると……今まで培ってきた『個人の人格』が『創作した濃い人格』に押しつぶされてしまう」

日明「するとどうなる?」

作者「現実と幻想の境界がわからなくなる……あるいは幻想の人格が、現実の入れ替わってしまう。それが最初の方に言った『自分を“自身の小説に登場したキャラだ”と言い張る精神異常者』の状態です。こうなると今まで積み重ねてきた『個人の人格』は表に出なくなり、『創作した人格』が一人歩きを始めてしまう」

シャミル「この症状って、タルパの暴走に似てる……?」

作者「そう! それが今回言いたかったんだ。『作った人格が濃くなりすぎて、本来の人格が押しつぶされる』という現象は、演技であれ、小説や二次元系の創作であれ、構築した人工霊体であれ……その症状と本質が非常に似ている。関連付けして考察したのは、私が初めてかもしれませんが……濃いキャラクターの創作と『タルパ』周りの事柄が、無関係と思えない」

凛音「前例はありますか? いえ、判別が難しいのでしょうけど……」

作者「探しましたが、明白なのは発見できませんでした。発狂した作家……いえ、クリエイターの方で『突然別人だと名乗り、事実別人のように活動』し始めて『名乗っている名前や言動が、創作物の人物と同一だった』という事例があれば、関連はかなり濃厚なんですが……


 他にもそうさな……この作品が小説だったころにもちょっと話したけど、たまにこんな話も聞かない?『キャラクターが勝手に動いて、話を作ってくれる』って作家さん」

凛音「……いますね。割と」

日明「現に作者もこの人種だな」

スコット「つーかこのお喋りは、現在進行形でソレをやってるようなモンっす」

作者「現代だけに限らず、一昔前の作家でも……近いニュアンスを喋っていた方はいるようです。ここから先は想像になりますが……そのタイプの人達、本当に人格を作ってしまっていたのではないでしょうか。つまりうっかり、そうとは知らず霊体を……精神体を成形してしまい、そちら周りの知識を持っていなかったために、暴走させてしまった」

宗司「きな臭い言い方にも聞こえちまうな」

駿也「作者さんの場合、運よくコントロールが利いた……のかな?」

楓「コントロールより、上手い事折り合いつけた感じね。こうして『お喋り』するのも、折り合いつける一環なんじゃない?」

作者「ですね。勿論最低限の節度や線引きは必要ですが、コントロールしすぎると危ない気がする。あんまり強く押さえ込もうとすると、逆に反動を生みそうですしおすし」

シャミル「……私たちのこの症状ってその……いわゆる『多重人格』なの?」

作者「あー……それはマジでわからん事です。自前でも考察しましたが、どうにもはっきりしない。科学視点でも、『タルパ』視点でも、ちょっとはっきりしていないところです。そもそも精神ってモノ自体、分かってないところ多いわ、科学で証明不能なところ多いわで……」

駿也「今回ちょっと長くなったし、次の回の話題にしない?」

作者「ですなぁ……長く話しすぎたせいか、ちょっと話もまとまり無くなってきてますし。そうしましょうか。それでは次回、所謂多重人格の症状と、比較、検証してみたいと思います」

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