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広イセカイと狭イテノヒラ  作者: 北田 龍一
まだこの作品が小説だったころ
28/43

四章―2 最後の部員

作者「今回も新キャラ出るよ!」

カエデ「ちょっと予定外だったらしいけど、上手く行って良かったね!!」

 宗司が全員分の飲みものを買ってきて、皆で飲んだ。

 ちなみに、宗司はペットボトルのお茶を買ってきた。当たりはずれのない、無難なところを買ってきたと言える。


「それで、これからどうする部長? 貴殿の目的は達成されてしまったのだろう?」


 全員が揃ったところで、日明が問うた。

 岩上 綾花の目的は、「佐々木小次郎」を名乗る吸血鬼との再会。それは昨日果たされたので、確かに今の彼女に目標はない。


「確かに、私の願望は果たされました。ですが、だからと言って部をやめていい理由にはなりません。このままネットで情報を収集しながら、まだ見ぬ怪異を探したいと思います」

「ガセと本物入り混じるネット情報に踊らされろってのか?」

「それも、一興だと思いませんか?」


 宗司の抗議を、綾花は笑って返して見せた。そこに――部室の扉が開かれ、一人の女性が現れる。見たことのない顔に、何事かと全員が注目する中、綾花だけは違っていた。


「……ちゃんと部活動できているみたいですね、綾花さん」

凛音(りおん)先輩、様子を見に来てくれたのですか?」

「ええ、まぁそんなところです。しかし、副部長を見てびっくりしました。まさか、この学園の生ける伝説とも呼べる人物が務めているとはね」

「悪いか?」


 鋭い口調で言われたのが気に喰わなかったのか、日明は露骨に気を悪くした。それを察した綾花がすかさずフォローを入れる。


「紹介します。この部に唯一残るとおっしゃってくれた三年生の先輩、『横山(よこやま) 凛音(りおん)』先輩です。結果的に宗司さんが部に入ってくれたので、人数的には問題無くなってしまったのですが、彼女も立派な、我が部の一員です。三年生なのであまり時間はとれないかもしれませんが……」

「そのことについてなのですけど、朗報です。比較的早期に大学が決まりましたので、暇人になりました。その為、部活動に参加できます」


 時期はまだ六月上旬である。本当に随分早く決まったものだと思った。


「……それってありなのか? ま、確かに暇かもしれねぇけど……基本的に三年生は部活に参加しないのが暗黙の了解っていうか、なんていうか……」

「私がいては迷惑ですか?」

「いや、そういう意味じゃねぇけどよ……」


 頭を掻く宗司に、駿也が苦言する。


「宗司君、先輩なんだから、敬語使おうよ……」

「構いません。凛音でも、凛音先輩でも、好きなように呼んで下されば」


 薄く笑みを浮かべて、凛音は言った。

 フン、と日明が鼻を鳴らす。どこが気に入らないのか、彼は凛音のことをよく思っていないらしい。……駿也からみて、珍しい光景だと彼は思った。


「さて、凛音先輩も来たことですし、自己紹介をしておきましょうか。ちゃんとしたのはまだでしたよね?」

「……言われてみりゃそうだな。じゃあ俺から」


 宗司が一歩前に出た。


「二年三組 出席番号2番 石原 宗司だ。趣味はゲーム及びゲーセン通い」

「同じく二年三組 出席番号19番 酒月 日明 ……まぁ知らぬ名ではあるまい」

「えっと……二年四組 出席番号6番、大仏 駿也 『大仏様』って呼ばれることもあるよ」


 男性陣が素早く自己紹介を終わらせ、続いて女性陣のターンになる。


「何も、出席番号まで言わなくてもいいんですよ? 私はこの部の部長を務める、一年一組 岩上 綾花です」

「はいはい! 一年五組、木下 カエデと――木下 楓よ。二重人格者だけどよろしく、凛音先輩」


 急に気配を変えた楓たちに驚愕しながらも、最後の凛音も皆に自己紹介した。


「……三年二組 横山 凛音よ。……こんなに賑やかなのは久しぶりね。この部に所属していたのは、みんなおとなしい子ばっかりだったから、ちょっと戸惑ってるわ」

「でしょうね……改めて、よろしくお願いします。みんな」


 部長の綾花がそう締めて皆の自己紹介は終わる。


「うし! じゃあ情報室いこうぜ~!」

「ごめんなさい、ちょっと今日は用事が入っているの」

「ああ、本当に様子を見に来ただけでしたのですね凛音先輩」

「ええ、まぁ」


 ポニーテールを揺らして、先に凛音が部室を出る。

 ――日明と楓が、最後まで注視していたのを疑問に思いながら、一同はパソコンのある情報室へと向かった。


作者「今回登場した新キャラは、キャラとしては方向性が決まっていたのですが、名前が未定のキャラクターでした。そこに、ノリの良いゲーム仲間の方が『出して』と言ったので、名前の一部をいただきこの名前になりました! 横山 凛音さんです!」

凛音「どうぞよろしく」

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