三章ー15 少女と吸血鬼、再会と告白
作者「いや~ここ最近は一日一回投稿が出来てますね。いい傾向です」
日明「だが、二次創作の方が疎かになってないか?」
作「同時進行って、結構大変なんですよ? 努力はしていくつもりですが、こっちが調子いい時に余計な思考を混ぜたく無いって言うか……」
駿也「この辺りは、作者さん同士でないとわからない感覚かもね」
闇の中に凛と、まるでどこかの姫君が仲裁するような響きが、対峙する二人へと届く。
「姫様っ? ……って、いる訳ないっすよね。大師匠、横やりが入ったんで一旦これで退散――」
「お待ちください! 小次郎様っ!!」
潤んだ瞳で呼びとめられた『小次郎』は、しぶしぶと言った様子で立ち止まった。一方の日明は嘆息している。
「ここをばらしたのは駿也、お前か」
「ゴメン日明。でも――ちょっと日明の本気もみたいのと、綾花さんが『佐々木小次郎』に会いたいって言うから……」
「二人とも、何してんのかわかんねぇぐらいすごかったぜ!」
「それはある意味侮蔑よ? 人外二人に殺されたくなかったら今すぐ取り下げなさい?」
「えっ!? 俺殺されんの!?」
完全にテンパっている宗司を尻目に、もう一度日明はため息。よほど自分が人外だと、バレたくなかったのだろうか……
「お前たち、いつから見ていた?」
「最初からよ。ずいぶんと熱中していたようね。化物さん?」
今度は刀を納めた吸血鬼側が、頭をペチンと一つ叩いた。彼も彼で、周辺に気を使ってはいなかったらしい。
「どーするんすか、大師匠。自分、催眠術苦手っすよ?」
「問題ない。かの者たちは――部活動の面々で、こうした怪異を追っていくという活動をしていく面々だ。まともに取り扱ってもらえぬのは目に見えてる」
「さりげなく酷い言いようだね、日明」
「事実だろう? こうも科学が発展した世の中で、誰が吸血鬼や人外を信じるというのだ?」
「まぁ、あの情報源の女性も、面白半分にからかわれてた節もあったしなぁ……」
宗司が首を縦に振る。事実、まともにコンタクトをとっていたのは自分たちだけだったのではないだろうか?
「紹介しよう。私の弟子の弟子、スコット・ハミルトン だ。長刀の扱いは人間時代からでも頭一つ抜けていた。吸血鬼化により身体能力も強化。精神にも、吸血鬼特有の慢心がない……綾花が止めていなかったら、どちらかが倒れていただろうな」
必死に綾花が名前を反芻していた。以前は本名を教えてもらえなかったので、今回はきっちり覚えておきたいらしい。事実、うっとりした様子で、
「小次郎様……本名はスコット・ハミルトンという名前なのですね」
「……恐くないっすか? お嬢ちゃんたち」
「ええ、だって七年前、私を火事の中から救って下さった、正義の吸血鬼ですもの」
そこでスコットは、はて? と首をかしげて――やがて思い出したのか、ポンと一つ手を叩いた。
「七年前の火事……もしかして嬢ちゃん、十階の一番ヤバイところに取り残されていたあの!? よく自分のこと覚えていたっすね……」
「忘れるはずないですよ! ようやく……ようやく約束を果たせるのですから」
頬は昂揚し、完全に恋する乙女のそれになっている綾花。
そんな中、日明だけ置いてけぼりになっていた。
「スコットと綾花は、どういう関係なのだ?」
「ああ、それな。佐々木小次郎を名乗る吸血鬼……要はスコットさんなんだけどよ。綾花部長の命の恩人らしいぜ。探すために部を再建したそうだ」
宗司の説明に、日明が納得したと言わんばかりに頷いた。
「ならば、我々がこうしているのは無粋ではないか? 感動の再会というやつなのだろう?」
「それもそうかも。……綾花さん。二人で話したいこともあるだろうし、僕らは一旦退散するよ」
「ええっ!? ちょ、ちょっと待ってほしいっす! いきなりこんな、かわいこちゃんと二人きりはまずい……」
「お気づかいありがとうございます、みなさん。さ、『約束』もそうですけど、色々と私に話してくださいますね? スコット様」
きゅ、と腕を組みながら綾花はスコットに言う。そのまま強引にコンテナの奥の方へと、二人は消えていった。
作者「という訳で、新キャラ『佐々木小次郎』こと、スコット・ハミルトンが追加されました」
スコット「よろしくっす!」
作「割と軽めのキャラなんで、宗司との絡みが個人的には楽しみですね」
宗司「性格つーか、思考パターンが似てるのか?」
作「そんな感じ。いやぁ、ここ最近小説を書くのが楽しくて仕方ない」
ス「そりゃ、良かったっす!」