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広イセカイと狭イテノヒラ  作者: 北田 龍一
まだこの作品が小説だったころ
20/43

三章ー12 果たし状

作者「さぁ、そろそろ物語を動かして行きますかね!」

楓「苦手な戦闘描写が近いそうよ。また更新が遅くならなきゃいいけどね」

「……む」


 その日、机をまさぐっていた日明が、小さく呟いた。

 これから部活動で、駿也は二人で行こうとしていたところだったが、何があったのだろうか?


「日明、どうした?」

「……果たし状だ」


 またか、と駿也は思う。

 知っての通り、日明は人外じみた戦闘能力の持ち主だ。

 故に、彼はこうしてたまに決闘を挑まれることがある。ある者は日明への屈辱を晴らすために、ある者は腕試しに、ある者は名を上げるために。


「差出人は誰だ?」

「……! スコット・ハミルトンだと……!?」


 珍しく、日明が驚愕している。聞いたことのない名前だが、馴染みのある名なのだろうか?


「知り合いか?」

「ああ……弟子の弟子だ。西洋人のくせに長刀の扱いに長けていた。まぁ、弟子のジェイムスの与えた『幸運(ラック・)蒼燕(スワロー)』あってこそだったが……生きていたとはな」


 ……つまり、日明は彼が死んだと思っていたのだろうか?

 それに、弟子の弟子? そんなに歳をとっているようにも見えないのに?

 やはり日明は――


「すまん駿也。今日は部活に参加できそうにない。私の予想通りなら……ベストコンディションで戦わねば負けかねん。日にちは今日の夜八時、ここから四キロの港前だ。それまでに完全にしなければ、まずい」

「……そんなに強いのか?」

「奴の得物が厄介なのだ。長射程な上、強度、切れ味も十分。破壊もできなくはないだろうが……以前戦った際も熟練していた故、破壊を試みれば即座に察知するだろうな」


 日明は素手での格闘術に長けている。素手で剣道部の相手全員を、竹刀に接触せずに倒しきったこともある彼が、そこまで苦戦する相手とは一体……?


「そういうことだ、綾花によろしく伝えておいてくれ」

「わかった……行くからには勝てよ、日明」

「無論だ」


 そうして、彼は夕闇の廊下に消える。駿也は逆方向へと歩き出して、その旨を部長に伝えることになったが――そこで一波乱起こることになるとは、この時は予想だにしていなかった。


宗司「にしても、果たし状とは古風な奴だな……」

駿也「日明はもう慣れっこだってさ」

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