三章ー2 撤退
楓「ま、また二カ月かかったわね……」
作者「まぁまぁ、前に比べれば早いじゃないですか。仕方ないでしょう? プロットが崩壊してしまっているのですから」
楓「……反省する気はなしか、このダメ作者……」
作「ビクンビクン」
楓「本格的に死にたいらしいわね」
作「ひぃ! ナイフはやめて! 痛いのやだー!!」
楓「あなたは子供!? まぁいいわ、前回で説明し損ねたこと、言いなさい?」
作「あ、ハイ。これからの楓さんのことですが、ナイフ使ってる方の……後から出てきた楓さんは漢字で『楓』先に出ていた方のゆるふわな感じのカエデさんのことを『カエデ』と表記します。どっちの人格かはこれで判断してください」
楓「こんな大事なことを書き忘れるなんて……ほんと、どうかしてるわ」
あれから、一週間が過ぎた。
宗司がホームページの作成に成功し、情報室でパソコンを借り、確認した。
レイアウト当も見やすく、お世辞抜きにいいホームページになっている。
掲示板もできており、そこにはぽつぽつと情報が寄せられていた。
しかし、綾花曰く『本物ない』とのこと。吐き気を堪えて楓にも聞いてみたが、
「私の知っているのは身近な怪異で、こんな電子媒体じゃわからないわ。直接見ればわかるのだけれどね」
とのこと。
「なんで直接見ればわかるんだ?」
「そんなの、人間の気配じゃないからに決まってるでしょ?」
「違いがわかるのかよ!?」
「仮に吸血鬼みたいに、見た目が人間そっくりだとしても、生態が違うのよ? となれば、思想、性格、能力……そう言ったモノが違ってくるのは当然でしょ? なら――人間と同じ佇まいな訳ないじゃない」
「……うむ、一理ある」
楓の言葉を、日明が肯定する。彼も怪異を否定しなかったから、怪異に遭遇したことがあるのだろう。
苦しんでいる駿也を見かねて、日明がそっと言った。
「駿也、やはり無理か。楓、すまないがあまりこいつの前では変わらないでいてやると助かる。こいつは刃物や血液が大の苦手でな。そういったことを平気でした楓が理解できないのだ。時間が経てば少しは収まると思うが……」
「むしろ慣れさせるために頻繁に出た方がいいんじゃない? 荒療治だけど」
「そういう次元の話ではないのだ……こいつのありように関わるぐらい、大きな問題でな」
駿也は――周りが友人と認めるぐらいの間柄になった際、自身のトラウマを話している。それは日明に、今の駿也の本質を見抜かれたからであった。
「ふーん……まいいわ。ある程度は自重してあげる」
その言葉を最後に、楓はカエデに変わった。ゆったりとした空気が、辺りを包む。
緊張していた綾花と駿也が、ほっと一息ついた。
「二人とも緊張しすぎだっつーの。緊急時じゃなきゃ割と話せるじゃねぇか」
「銃で撃たれたのになんであなたは強張ってないんですか!?」
「……なんでだろうな?」
「こっちが聞きたいですよ!?」
ぼんやりと宗司が答える中、カエデが駿也に駆け寄る。
「ふーむ……なるほどなるほど、駿也君は妖精さんが苦手なんだ~……」
「……ゴメン、嫌いなわけじゃないんだけどさ」
「まー仕方ないよねー私も流血沙汰、苦手だし? と言うかね。そういうことになると、妖精さんが全部解決しちゃうんだよ! エッヘン!!」
……それはそれで、どうなのだろうか。あまり威張れるようなことでもない気がする。
つまるところ、彼女の生活は、もう一人の彼女がいてこそ成立している節がある。
「気分が……ゴメン、先に帰っていいですか? 部長」
「敬語を使わなくてもいいですよ? あなたの方が先輩なのですから。無理はしないでください」
二コリとメガネの奥から笑って見せる綾花。申し訳ないが、ここは彼女の言葉に甘えることにしよう。
「私は必要か?」
「いや、いい。一人がいいんだ」
「日明先輩、友人が心配なのはわかりますが、ちゃんと部活動はしてくださいね」
「無論だ。これでも副部長だからな」
残りの四人で話が始まったのを見計らって、駿也はゆっくりとパソコンが密集した部屋から脱出する。そこで彼は時計を見た。
まだ五時を回ったばかりで、特別な理由がなければまだ慌てるような時間ではない。……今日は気晴らしがてら、散歩して帰ろう。
この行動が、運命を大きく変えるとも知らずに、ゆっくりと黄昏の中を彼は歩いていった。
綾花「今回少なくないですか!?」
作者「仕方ないじゃん! 楓=サンの解説入れようとしてひーこら言いながら書いたのがこれなんですから! てか、同じキャラ出すの飽きた! 早く新キャラ出したい!!」
綾「自分で生み出しといてひどい言いようですね!?」
???「呼んだっすか?」
作「お前の出番は大分先だ! ひっこんでろ!!」
???「しくしく……これも作者がこっち書くの遅いせいっす!」
作「うるせぇほっとけ! くそ、徹夜明けのテンションだから、会話がおかしなことになってるなオイ!!」
綾「いや、寝ましょうよ!?」