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東海林疾風という少年、東海林茜という少女

どーもCALPISです。初投稿ですので、お見苦しいところも多々あるとは思いますが、ご了承下さい。因みにこの話は一話への踏み台ですので、短めにしております。後書きにちょろっと続き書いてますので併せて読んで下さると助かります。後、一部ユーザーから疾風と茜の描写カモン!と言われたので付け加えます。東海林疾風しょうじはやて、T170W59C78W58H83、黒髪ショートカットで、そこそこの美少年。心優しく、妹思い。隠された力が有る。東海林茜しょうじあかねT162W??B86W54H90、黒髪で腰迄あるロングヘアー。疾風は気付かないが、学校の美少女ランキングトップ3に入学直後から入っている。お兄ちゃん一筋。お兄ちゃん命。お兄ちゃんが居れば何も要らないという、盲目的に義兄に恋してる。ヤンデレ。他に隠された力が有るらしいが…

「ふわぁ…」と、欠伸をして上体を起こす。時計を見ると朝の5時半である。

「眠いけど、朝の稽古しなきゃ…ふわぁ」

彼の名前は東海林疾風という。

歳は16、公立楠木高等学校の2年である。

趣味、特技、好きな事全て剣という少々ズレた感覚の持ち主だが、それ以外は割と普通の少年である。

「でも、なんか今日はヤケに眠いからもうちょっと寝てよっと」

と、再び布団を被り直したところで、ドタドタドタドタ!というけたたましい音が辺りに響く。

バァン!という効果音が付くんじゃないか?と思うほど勢い良くドアが開けられ、先程の音の正体が、姿を表した。

「お兄ちゃん、朝だよ、おっきろー!」

と、言いつつ布団にダイブしてきた。

「!?ぐ…ぉ」

半覚醒の兄に向かってダイブした、この女の子、名を東海林茜という。

歳は15で俺の義妹である。

通っている学校も同じで趣味、特技、好きな事全て剣と、この子もズレた感覚の持ち主だが、好きな人が居るのは兄との相違点である。

「そうか、茜。そんなに兄を殺したいか。」「え!?そ、そんなこと無いよ!私は只、お兄ちゃんに起きて貰いたいだけだったのに…」

半ベソかいて来たので茜いじり中止。フォローをする事にする。

「そうか…ごめんな?もう起きるから、泣くなよ。な?」

と、言いつつ義妹を抱き、頭を撫でてやる。「うん…分かったよ、お兄ちゃん!」

と、元気に返事してくれたので一安心。

「朝御飯の前にお稽古、するんでしょ?早く着替えて庭に来てね、お兄ちゃん!」

と、言いつつ退室しない義妹。

「…」

「…」

微妙な空気漂う中、俺は口を開いた。

「なぁ…茜?そこに居られると着替えられないんだが…」

「あ、ごめんねお兄ちゃん。じ、じゃあ庭で待ってるね!」

と、頬を微かに紅く染め、退室する茜。

俺は急いで着替えて、愛用の木刀を持ち、庭に出た。

「お待たせ。じゃあ始めようか?」

「うん!私は何時でも良いよ!」

と、答えたので、俺は義妹の対面に移動し、木刀を持った。

「お願いします」

「お願いします」

と、お決まりの台詞を言い、木刀を真正面に構えた。

義妹も同じ所で剣を習って居るので、同じ構えだ。

ただ、剣「道」では無い。昔の、人を殺す為の剣「術」なのでなんでも有りだ。

勿論兄妹だからと言って手加減しては稽古の意味が無いので二人とも全力だ。

「…」

「…」

無言の重圧が辺りを支配する。

二人とも理解していた。

先に動いた方が「死」だと。しかしながら、動かずして稽古が終わるか、といったら終わる筈もなく。

「…ふっ!」

先に動いたのは疾風の方だった。

茜の目の前まで駈け、左から右へ胴を薙ぎ、蹴り飛ばす…筈だったが、

「甘いよ、お兄ちゃん!」

と言い、茜は木刀で横薙を防ぎ、直ぐ様後ろへ跳んだ。

「今度は此方の番!」

茜が攻勢に出る。

茜は疾風の腹を狙って突きを繰り出す。

疾風はこれを払ったが、次が来た。

左に払ったのだが、そのままくるっと回転し、疾風の右から左へ横薙。

これを木刀で受け、茜を蹴り飛ばした。

しかし、茜も蹴りを繰り出していたので、痛み分けである。

直ぐ様体勢を立て直し、茜に斬り掛かる。

右上から左下への袈裟斬りだ。

しかし、流石は同じ流派で習っているだけはある。

直ぐ様袈裟斬りに反応し、屈んで回避し、下から上へ切り上げ。

疾風は半身退き、これを回避…せず、木刀で受け、茜の木刀を踏みつけた。

疾風の力が加わった木刀の衝撃に戸惑い、

「きゃっ…」

と、木刀を手放してしまった。

そこへ木刀を踏みつけたままの疾風の木刀が、茜の首筋当たるギリギリに振るわれた。

「ま…まいりました…」

と、茜が負け(もとい死)を認め、決着した。

「む~…」

「ははは…悪いな。今日も俺の勝ちだったな。」

これで疾風の勝利数通算700勝である。

「じゃあそろそろ飯食いに行こうぜ?」

「うん!」

兄妹は家の中に入り、朝御飯を食べ、制服に着替え、登校した。

家から学校迄は徒歩10分だ。

なので共に徒歩通学である。

「ねぇねぇ、お兄ちゃん、夜のクイズ番組見た?」

「あぁ、見たよ。アレは最早クイズ番組じゃなく、お笑い番組だよなぁ。」

昨日のテレビを思い出し、クククッと思い出し笑い。

「月野が良い味だしてるよな。」

「私もそう思う。」

月野とは、アイドルで、結構人気がある売れっ子なのだが、今やバカキャラとして認知されている。

背丈は低く、155センチ、体重は公表されていないので、分からない。

しかし一番目を惹くのは、やはりあの豊かな胸であろうか。

背丈に行かなかった栄養が全部胸に行ったんじゃ無いか?と思うほど大きい。

確かEかFカップだった筈だ。

かくいう俺もあの胸に目を奪われ―――

「お兄ちゃん、エッチな事考えてるでしょ?」

義妹の怒気を孕んだ声で妄想を止められ、現実に引き戻された。

「そ、そんなこと無いぞ?茜」

「ふ~ん…」

義妹がやたらジト目で此方を睨む。

「そ、そんなことより早く――ん?」

「どうしたの?お兄ちゃん」

二人揃って少し先を見る。

そこにあったものは…「扉」だった。

道路の真ん中に。

扉だけぽつんと。

不自然と言える。

「なんで?」

俺の問いに答えられる筈もなく、茜は黙っている。

いや、放心している、の方が正しいか。

「茜、おい茜!放心している場合か!」

強く揺すり、現実復帰させる。

「なんだろうね?お兄ちゃん。」

「さあな。俺も分からん。」

怪しい扉を前に、二人共興味津々だ。

「少し開けてみようか?」

「少しだけだよ?お兄ちゃん。」

止めなかったあたり、茜も中に興味があるらしい。

「じゃあ…開けるぞ。」

俺はゴクリと唾を飲み、ドアノブを捻りゆっくり開けた。

つもりだが、捻った瞬間、辺りを眩いばかりの「白」が覆い尽くした。

「うぉっ」

「きゃっ」

視界一杯に「白」が広がった瞬間、二人は意識を手放してしまった。


第0話完

「うぅん…」

疾風が目を覚ました。「何処だ?此処は…」辺り一面小高い丘になっている。

家も、道路も、学校も見えない。

「―――」

言葉が出なかった。

「…うぅ」

誰かの呻き声が聞こえたのでそちらに振り向く。

「茜!」

義妹の茜だった。

俺は駆け寄り、優しく起こしてあげた。

「茜、大丈夫か?」

「私は大丈夫…お兄ちゃんは?」

「俺も特に異常は無いぞ?」

と、優しく微笑み、義妹を安心させてやる。「しっかし…何処だよココは…」

疾風が呟くと同時に茜が、

「お兄ちゃん、アレ!」

茜の指差す方向を見ると、如何にも重たそうな鎧を着た兵士達、ざっと千だろうか?

少し離れた所で止まり、隊長格っぽい人が近寄って来た。

俺は竹刀袋に入れた木刀を取り出し、兵士の方へ構えた。が、

「あ~待ってくれ。此方に戦意は無い。」

と言い、両手を上げた。

意外と高い声だ。女性だろうか?

「…質問良いですか?」

「私が答えられる範囲なら」

会話は出来る様だ。

「ココは何処ですか?」

「剣と魔法の異世界グラン・セブンス」

「!?」

「驚くのも無理無いか。」

ははっと笑い、兜を外した。

「…」

俺は、はっと息を呑んだ。

流れる様な綺麗な黒い髪。

整った顔立ち。

鎧のサイズから察するに、プロポーションも良いみたいだ。

絶世の美女とは彼女の為に有る言葉だと、本気で思わせる。

「…」

どうやら茜もそんな感じでクランを見ているのだろう。

「まぁ、立ち話もなんだから町でゆっくり話さないか?」

クランが指差す方向を見て確かめる。

確かに町があった。

「…俺達が異世界の住人だ、と言う様な口振りなのは何故だ?」

「その点も含め、説明するから。」

「…分かった。茜、良いな?」

「私はお兄ちゃんの意見に従うよ。」

兄妹の意見は一致した。

「じゃあ付いてきて」

俺達はクランの後ろに付き後を追った。

兄妹はこの先に待ち受ける「運命」を未だ、知らずにいた…

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