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第11話「応援団、全力結成!BLACK SUGAR、ファンイベントで大暴走!?」

「みんなァァッ!今日から俺たちはッッ!ファンを全力で応援する側になるッ!!」


 スタジオにレイの怒号が響いた。


「え、応援……されるんじゃなくて、する側……?」


 ユズキが目をぱちぱちさせ、ミナトはため息をつく。


「今度のファンイベント、ただのミニライブじゃねぇ。感謝の場だ。だったらこっちが魂で応援返して何が悪い!」


「で、なんで俺ら……学ラン着てんすか……」


 そう言いながらも、コウタは鏡の前で自分の応援団姿に照れ笑いを浮かべていた。真っ白な手袋、ハチマキ、そして真っ黒な詰襟。ちょっと大きめだが、意外と似合っている。


「アイドルは何着ても映えるってことさ。さぁ、お前たち、魂のエール練習始めるぞ!」


「「「うおおおぉぉぉ!!」」」



 イベント当日。会場は狭めのホールだったが、立ち見までぎっしり。ファンの期待も最高潮。


 そんな中、ブラックの応援団衣装を着た4人がステージに登場すると、客席がどよめいた。


「え? なんで応援団!?」「ユズキくんかわいい!てかミナトくん似合いすぎ!」


 ざわつくファンをよそに、レイがマイクを握る。


「今日集まってくれたお前たちに、俺たちBLACK SUGARから魂のエールを送る!!泣くな!負けるな!夢を捨てるなァァァァ!!!」


 どーーん!という勢いで、レイが観客ひとりひとりに名指しで熱血エールをぶちかましていく。


「そこの就活生!お前はやれる!面接官の目を見て叫べ!『俺はここにいる!!』ってなァァ!!」


「最近ツイートが元気ないお前ェェ!!“自分の幸せは他人の顔色で決めるなァァァァ!”」


 あまりの勢いに、一部のファンは爆笑し、何人かは感極まって泣き出す。


 ユズキもつられて「全力で、愛してるッスー!!!」と叫び、コウタも勇気を出して、


「俺、まだまだ未熟だけど、絶対に……絶対に、皆さんのこと応援します!!」と叫ぶと、客席から「こっちが応援する番なのにー!」と歓声が飛んだ。



 イベント後、SNSにはこんな投稿が溢れた。


「推しに応援された……泣いた……」

「BLACK SUGAR、マジで人間力高すぎて推せる」

「あの学ラン、公式グッズにしてくれ……!」


 ファンイベントは大成功。応援団姿の写真が拡散され、ブラックシュガーの知名度も一気に跳ね上がった。



 イベント後の帰り道、コウタがぽつりと呟いた。


「人にエールを送るのって、なんか……自分も強くなる気がしました」


「そうだ。応援ってのはな、送ったほうも救われるんだよ」


 レイは笑って、夜空を見上げた。


「よーし、次は次世代アイドル共との真剣勝負だァァ!!気合い入れてくぞ、お前らァァ!!」


「「「おおおォッス!!」」」


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