異世界、平和になる。
王宮に戻った俺たち。
「で、魔王を倒したのか?」(王様)
「いや、仲間になりました。」(悠真)
「は!?!?!?!?!?!?!?」
王宮全体が揺れた。
「いやいやいや、魔王が仲間になるってどういうことだ!!」
「なんか、姉ちゃんと意気投合して、戦うのが面倒になったらしい」
「勇者と魔王がサボり仲間になるな!!」
王様がブチ切れる中、姉ちゃんと魔王はソファでポテチを分け合っていた。
「てかさ、私、こっちで暮らそうかな~」
「俺も。もう魔王城とか帰るの面倒だし」
「え、魔王城くれるの?」
「いいよー、どうせいらねぇし」
「やったー、新しい家ゲット~!」
「お前ら、もうちょっと世界のこと考えろ!!!」
こうして、異世界は平和になった。
姉ちゃんが無双して、魔王と仲良くなったせいで、全世界の戦争が終わったのだ。
魔王討伐(?)から数週間後――
俺は異世界の王宮で、悩んでいた。
「なあ、俺、これからどうすればいいんだ?」
「んー? もうちょい異世界で暮らせば?」(姉)
「お前が異世界ニートするのはいいけど、俺は学校あるんだけど!」
「まぁまぁ、せっかくだしのんびりしよ?」
「いや、帰りたいんだけど!!!」
こうして、俺の異世界生活はまだまだ続くことになった――。