盛夏
応えられない指切りの
叶わぬ夢のなれの果て
とても遠くのよいとこへ
いっしょに飛べたらよいけれど
夜は泣いてもよいからと
子どものころから知っていた
それでも我慢をしてしまう
笑えないよねバカすぎて
秘密なんて持てない嘘なんてつけない
いつもなぜ君はまっすぐ生きるんだ?
変わらないのが信念と
笑えるほどの愚直さで
震えながらも耐えている
雲をみ上げて耐えている
笑顔のままで耐えている
夏は夏とて汗をかき
冷やした部屋を作るとき
自然じゃない風吸いながら
汗が引くのが疚しくて
それでも盛夏わたしは蝋人形みたく
夢に逃げ込む鯨の中のピノキオみたく
そこに居られるしあわせは
君の弱さを守ること
そこに居られるしあわせは
君から夢をもらうこと
だからわたしはこんな調子で
悪びれもせず生きられるのだ
真夜中の
薬の波にさらわれて
幻影みたいな君と寝る夏