「今はこのまま」
俺とはるは、小倉、吉沢さん、中守、久瀬らと別れて行動をしていたのだけど……
「君1人?」
「俺らと遊ばない?」
「大学生ぐらいだよね?」
「え、あ、その……」
ど、どうしてこんな事に……と思いながら、俺は3人の大学生ぐらいのにいちゃん達にナンパされるはるを見ていた。
プールでしばらく遊んだあと、少し休憩したくなったので売店で売ってるジュースや軽くつまむものでも飲み食いしながら休憩しようと思ったのだけど……俺がそれらを買いに行ってる間に、って事だろう……。
「あ、あの……」
「絶対大学生ぐらいだよね?」
「え、いや……」
「俺らも大学のサークル仲間で来たんだ。」
はるの言おうとしてる事も無視して大学生という前提で話を進めるにいちゃん達……あの目はぜってー「そのおっ〇いで中高生は無理でしょ」って目だ!いやらしい奴らめ……!
正直言って今すぐにでも止めに行きたいけど、あのにいちゃん達金髪だしピアスとか付けてるし、怖そうなんだよな〜……。
はる、なんとかそいつらをやり過ごしてくれ……!
「私、高校生です……。」
「は?なんだって?」
「い、いえ、なんでもないです……。」
そ、そこは言い直さなくていい所〜!
「ねぇ、連れとかいるの?いないの?」
「あ、その、えっと……」
「いないなら俺らと一緒に__」
「いま、す!!」
はるは覚悟を決めたような表情でにいちゃん達に連れ(俺)がいると答える。
よくやった、はる!
「あーそう、男?女?女の子なら呼んできてよ。皆で遊んだ方が楽しいでしょ?」
「そうそう!」
「いや、男の人、です……。」
「男、か……。」
「なので、ごめんなさい……。」
さらにはるは連れ(俺)が男である事も言い、にいちゃん達からの誘いを断ろうとするが……
「君みたいな可愛い子の事一人ぼっちにする男とかマジかよ!ひでーな。」
「そうだよ!俺らはそんな酷い事しないよ?」
と、にいちゃ……あいつらもそう簡単には食い下がってくれないようだ。
や、やっぱり俺が直接出て追い払うしかないのか?いや、揉め事とか良くないし、何より俺みたいなやつに何ができるんだって言うか……
「あお君は!」
「え?」
「あ?」
「……そんな、悪い人じゃない、です……私の大切な、友達……です!友達の事酷く言う人とは……遊んだりなんか、しません……!」
やつらに勇敢に反論するはるの姿を見て、俺はようやく思い出す事ができた……はると再会してすぐの時にはるに言ってあげたじゃないか……はるを守ってやるって!
俺もはる同様覚悟を決め、売店で買った俺のコーラフロートとはるのアイスクリームを傍にあった休憩用の机に起き、はるの元へと向かっていく。
「友達なら俺らが君と遊んでも問題ないよね?」
「付き合ってる訳じゃないんだからきっとそうだよね?」
「じゃあ行こうか、あ、名前なんって言うの君?」
「はるは俺の連れだ。」
「はるちゃんかー……え?」
俺ははる達の前に現れ、はるの腕を掴もうとした男の手を止める。
「あお君……!」
「はるは俺の連れだから、はるはおま……貴方達とは遊ば……遊びません。それに俺達高校生なので、知らない大人とは遊ばね…遊びません。」
「え、マジで高校生なのか……。」
「それはヤバいだろ……仕方ねぇ、別の手頃な女探すぞ。」
「そうだな、あれ以上のレアものは無いと思うけど……。」
俺を前にし、俺達が高校生である事を聞いた男達はそそくさとその場から退散していく。
「ったく、フェミニストを気取るつもりはないが手頃な女とかレアものとか……女の子の事をなんだと思ってるんだか。」
「あお君……。」
その時、はるが俺の腕を触っておれの名前を呼びかけてきたのではるの方に振り向くと、はるは先程までの強ばった表情から一転し、笑顔で俺にこう言う。
「ま、守ってくれて……ありがとう……。」
「あ、あぁ、当然だぜ!守ってやるって言ったもんな!」
俺もはるからの感謝の言葉に対して笑顔でそう返す。
「あ、買ったアイス溶けかけてるんだった!早く食わねぇと!」
「ほ、ホント?急がないと……!」
そうして、俺とはるはゆっくり休憩するはずだったのに、はるは半分溶けていたアイスクリームを、俺はほぼコーラと上のアイスが混ざっていたコーラフロートを急いで完食し、そこから休憩を開始した。
「あー、冷たいもん一気に食べたから頭が……はるは大丈夫か?」
「わ、私も頭が……うぅ、目ん玉が飛び出そう……。」
「それ分かる〜。」
「あの、あお君って……友達って事で良いんだよ、ね?」
「え……?」
俺ははるの言葉を聞いてはっとした。
確かに、俺ら付き合ってないし……一応友達って事なんだよな?じゃあ、ずっとそのままで良いのか……?
「……俺らは俺らがそうありたいって関係のままでいいんじゃないかな。」
「……そっか……。」
「俺ははるが望むようになりたい。今は友達でも、いずれは……」
「……」
「いや、なんかこの言い方は気持ち悪いかもしれないな。ごめん、はる__」
俺がそう言いかけた時、はるは俺の両頬に手を当てて俺の顔を真剣に見つめる。
「な、何……?」
俺もその時ははるの顔を真剣に見つめる事ができた……はるの水着姿は凄いセクシーだけど、今はその邪念的なものがなく、はるそのものを見つめる事ができた。
「……」
そしてはるは手を離し、ゆっくりと椅子に座る。
「うん、今はちょっと、恥ずかしくて無理だ……けど、いつかそうなりたいな……。」
「……あ、あぁ。」
はるの言葉の意味が俺には分からないけど、とにかく俺はこれからもはると一緒に青春を謳歌していこうと決めた。
誰とも関わりのなかった中学生活の穴を埋めるように、これからやりたい事をやっていこう……。




