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告白は最大の防御  作者: 暗黒星雲
告白は最大の防御
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第8話 SNSでの反応

 あの告白は、やっぱり無謀だったのかもしれない。あれから数日経過したが、星子が返事をくれる気配はない。


 ひょっとしたら、星子は今の関係を大事にしたいと考えているのかもしれない。つまり、私と波里と星子の三人の関係だ。

 私と星子が付き合えば、波里は疎外される可能性がある。逆に私がフラれてしまえば、私が星子から離れてしまうだろう。よくよく考えてみれば当然だと思う。


 もし、こんな事で星子が思い悩むのであれば、やはり気の毒に思う。しかし、私は後悔していない。今のところ、波里は星子の胸を触ろうとしていないからだ。とりあえず、私の目的は達成されている。


 クラスのSNSでは、この噂でもちきりだった。

 星子の胸はクラス一だ。大きさもだが、その形も評判が良かった。こういう書き込みは、女子生徒のよるものが多い。皆もよく観察しているなと思う。


 男連中は、ここでは尻尾を出さない。あからさまなエロい書き込みをすると、「おっぱい星人」とか「変態」とかのレッテルが貼られるし、その後の扱いは酷いものになるからだ。連中は連中だけのSNSで集まって「おっぱい品評」なんかやっているようだが、そんな場所を覗く気なんてさらさらない。


 当事者である私と星子はこういう場所に参加する事はほとんど無い。そのせいか、「応援しようよ」という意見はあまり見られない。

 どちらかと言えば、女性同士の絡みが苦手であるとか気持ち悪いとか、百合に対して感覚的で感情的な拒否感を示す書き込みが多い気がした。しかしそれは、LGBTなどの性的マイノリティを否定する、倫理的に劣る考え方だという反対意見も多く出されていた。


 私はその流れを眺めているだけだ。百合、すなわちLGBTの(レズビアン)の事を感情で否定する者と理性で肯定する者の、二つの派閥が形成されていた。しかし、百合を感情で肯定する者、つまり、自分が百合である、もしくは百合に憧れると書き込む者は現れなかった。波里以外は。


 あの馬鹿は、自分が星子と付き合いたいと公言した。そして、思いっきり叩かれていた。

 これは、性的マイノリティの否定というよりは、『調子に乗るな。馬鹿者!』と言ったニュアンスだった。結果的に、『女おっぱい星人』と揶揄されていたのは大いに笑えた一幕だった。

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