第1話 怪しい二人組
ここは私立竜王学園の近くにあるカフェ。その名は〝シャーマン・ファイアフライ〟だ。何でもオーナーが大の戦車ファンだとかの噂である。広めの店内には大戦期の戦車の写真やパーツが多数展示してあり、その中でも目玉は、旧ドイツ軍の五号戦車……の転輪だとか。
その店内でバイトのJKらしき二名が無駄話をしていた。一人は小柄で青白い顔としている。一人は長身でグラマスな体形だが、女性としてはかなりの筋肉がついている。客として訪れている四名のJKの事を話し合っているようだ。
「あれが転校生のコニーか」
「可憐だ……星子ちゃん」
「呆けるな明継。我々の目的はコニーの特殊能力を探り、最終的に奪う事だ。星子の胸元などに見とれるな」
「スマン。アール・ハリ。ところで、コニーの特殊能力とは何だ?」
「そう、コニーの特殊能力だ。複数の人を同時に操る力だと聞いている」
「伝聞か?」
「残念だが伝聞だ」
「そんなあやふやな情報で事を起こすというのか?」
「情報の真偽を確認する必要がある。間違っていれば知らん顔をすればいい」
「なるほど。ところで、あの取り巻きは厄介だぞ。アール・ハリ」
「分かっているさ。明継」
「何か手があるのか」
「ふふふふふ。任せておけ」
「エロいのか?」
「期待しておけ」
異世界人の政宗明継。彼は先日、私立竜王学園を丸ごと次元転移させた。それは彼が夢中になっているJK、黒田星子を略取する為だったのだがものの見事に失敗した。
そこで明継はアドバイザーを雇う。それが今、彼の傍にいる小柄な人物、アール・ハリ・アルゴルだった。二人は女装し、ウェイトレスとしてこの店に入り込んでいた。明継の目的は、星子を含むJKグループの監視だったが、アール・ハリには別の任務があった。それは転校生のコニーを調査し、その能力を暴く事だった。
「貴様ら! 何無駄話をしてんだ。仕事しろ仕事! のっぽの方は外の掃除! チビは洗い物だ。サボるな!」
「はい。すみません」
「ごめんなさい」
店長に叱られ、渋々仕事に戻る二人だった。しかし、彼らの監視対象であるJKグループはキャッキャウフフと歓談し盛り上がっていた。綾川知子、黒田星子、有原波里、コニー・オブライエンの四名である。
綾川知子はすらりとしたアスリート体形。黒いストレートヘアを肩まで伸ばしている。黒田星子はぽっちゃり体形で胸元が豊か。癖のあるショートヘアで真ん丸の顔が特徴だ。有原波里は地味系眼鏡っ娘。肩まである黒髪を三つ編みのおさげにしている。そして転校生のコニー・オブライエン。彼女はアメリカから転校してきた。白人で短めの金髪、そして碧眼だが、体形は華奢でまだ小学生と言っても差し支えないくらいだった。




