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告白は最大の防御  作者: 暗黒星雲
異世界からの侵攻
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第11話 火竜ベルフェと氷の戦士レヴィア その①

 遠方で政宗と夕凪が口論していた。セイバーのモニターがそれを拡大表示する。そしてその音声も拾っていた。


「春彦。負けるなんて聞いてないぞ」

「相手が強すぎたのです。素人の綾川知子が操縦しているロボにあんな戦闘力があったとは」

「もう後がない。ルールは無視してあのロボを確保しろ。中には星子ちゃんが乗ってるんだから絶対に壊すなよ」

「わかってる」


 なるほど。そういう事だったのか。

 さっきからアスモデの攻撃がぬるいと感じていたのは、星子を傷付けないためだった。そして強い電流やEMP(電磁パルス)攻撃でセイバーの機能を停止させ、星子を確保する作戦だったのだと。


 氷の戦士レヴィアがセイバーに向かって突進して来た。青白く輝く鎧に身を包んだ氷の戦士は、腰に携えた剣を抜きそれを十字に振った。その剣の軌跡は氷の十字架となってセイバーに迫る。私は引き金を引いたのだが右肩のガトリング砲は沈黙したままだった。モニターには『残弾00』と表示されていた。


「くそ。弾切れか」


 私はその十字架の中心を剣で突いた。瞬間、十字架は砕け無数の氷塊となったが、その氷塊がセイバーを包み込んだ。


「え? 凍っちゃったの?」

「マジかよ! どうしたセイバー」

『氷の十字架は砕けた後、体積が数十倍に増加し本機を包み込んでおります。現状、氷塊の厚さは5メートル、重量は150トンです』

「身動はきできないのか?」

『肯定。ただし、重力波を放出する事により氷塊を全て剥がす事は可能。ただし、蓄積体出力の70パーセントを消費します。実施しますか?』

「やっちゃ……」


 私は星子の口を塞ぐ。星子はこの、氷に閉じ込められた状況から脱出したかったのだ。それは良くわかる。しかし、私の直感は様子見だと主張している。


「このまま待機だ」

『了解』


 セイバーのAIが返事をするが、星子は不満げに振り向いた。


「どうしてなの? 知子ちゃん。このままじゃ私たち捕まっちゃうよ」

「問題ない。トリニティとあの三式戦車の戦いぶりを見物しようじゃないか。完璧に叩きのめされた政宗の顔を見てみたいしな」

「むううう」


 尚も頬を膨らませて納得していない星子だったが、彼女は正面モニターに映し出される映像に注目した。あの、火竜ベルフェがその大あごを開いて火炎を吐き出したからだ。


 その火炎は草原を焼きながらトリニティへと迫る。トリニティは右手を開いて突き出し、何かの呪文を唱えた。


「大いなる大地の守護者、ラ・ムー大王の三賢者の一人であるアラトよ。我の盾となりてかの災厄を退けよ!」


 トリニティの正面数メートルの空間に褐色の円盤が構成され、火竜の吐き出した火炎を遮った。それは見た目が土のようで、炎にさらされて赤く発光して溶けていく。しかし、その盾は薄くなるどころか厚みを増していき、ベルフェの火炎を十分に防ぎ切った。


「すげえな。あれ、大地の魔術ってやつか」

「多分そう。地上なら無限に土の障壁を作り出せるんだよ」


 先ほどの大口にも頷けた。怪しい転校生のトリニティだったが、なかなかどうして大そうな魔法使いじゃないか。


 そしてトリニティの後ろに控えていた三式戦車の主砲が火を噴いた。旧日本軍の戦車。それまでの、貧弱な装甲の弱々しい日本軍の戦車とは違い、厳つい印象を持つ車体に搭載された76ミリ砲だ。

 しかし、発射されたのは砲弾ではなく、オレンジ色に輝くビームだった。


「あれ? 三式戦車がビーム撃ってる」

「ほんとだ。カッコいい!」

『あれはIRフォトンレーザー砲です。IR(赤外線)領域に特化した高熱を発するビーム兵器です』


 セイバーのAIが説明してくれた。なるほど。あの戦車はこいつと同じ技術で改造されているという話だ。つまりその武装もセイバーのAIは熟知しているって事か。


 オレンジ色の光線は火竜ベルフェに命中し激しく発火した。そこから拡散された膨大な熱量は、周囲の草原を火の海へと変えた。

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