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告白は最大の防御  作者: 暗黒星雲
異世界からの侵攻
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第4話 消えた学校

 翌朝、私はかなり早起きして星子の家の前に来ていた。

 昨夜の話を聞き、星子が一番危険ではないかと思ったからだ。


 ミミ先生の研究と、星子の妄想が狙われている。

 それなら私は、星子の傍にいなくてはいけない。


 家の前で電話をかけ、寝坊助の星子を起こした。星子は眠そうだったが、ちゃんと起きたと言っていた。それから三十分ほど経過した頃、羽里も来た。何かあっても三人なら切り抜けられる。そんな確信があった。ミミ先生の研究なんて、この際どうでも良かった。


 更に十分経過した頃、朝食と身支度を済ませた星子が外に出て来た。私たち三人は、いつものように徒歩で学校へと向かった。


 いつもと同じ通学路。

 他の生徒も歩いている。

 自転車通学の人もいる。

 いつもの景色。

 変わらない人たち。


 でも、酷く違和感がある人物がそこにいた。


 怪しい転校生、トッシー・トリニティだった。彼は校門の前に立っていたのだが、唐突に走り出した。私たちの方へ向かって。


 まさか、こんな人目がある場所で私たちを襲う気なのか?

 私は立ち止まり、いつでも逃げ出せるように身構えた。


「逃げるんだ!」


 トリニティが叫ぶ。

 

 えーっと。

 どうも、トリニティから逃げるんじゃないのか?

 ちょっと混乱してしまった。


 トリニティは振り返って校舎を指さした。

 唐突に、校舎の真上に黒い大きな渦が出現した。真っ黒な煙のような雲のような、そんなものが大きな渦を巻いていた。

 

「走れ! 巻き込まれるぞ!」


 トリニティは私と星子の腕を掴み走り出す。羽里も一緒についてきていた。振り返ると、あの黒い渦が校舎や体育館などの施設、校庭にいた人たちなどをどんどん飲み込んでいるじゃないか。


「星子、気合を入れろ」

「もうダメ」

「まだ100メートル位しか走ってないぞ」

「あーあー」


 運動音痴の星子に全力疾走は敷居が高かったのかもしれない。500メートルほど走ったところで立ち止まって振り返る。星子はもう息切れして走れない様子だった。


 学校の方を見る。

 あの黒い渦はすっかりと消えていた。そして、学校は消えていた。周囲にいた人も一緒に。かろうじて校門は残っていたが、学校があった場所は更地になっていた。


「どうしたの? アレは何?」

 

 私の質問にトリニティは首を横に振りながら答えた。


「はっきりとはわからない。良くないことが起こっていることだけは確かなんだ」

「学校にいた人達はどうなったの?」


 苦しそうな星子の背を撫でながら、波里が質問した。


「詳しくはわからない。異世界に呑み込まれたんだと思う」


 異世界?

 呑み込まれる?


 もう訳が分からなかった。突然の出来事に、波里も星子も呆然としていた。しかし、怪しい転校生のトリニティが私たちを助けてくれたのは事実だった。

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