表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

その牛肉が100グラム98円だとしても。

作者: パン大好き

 

 箸のお尻で、厚めの肉をつかむ。


 熱気に揺らぐ鉄板に、並べて乗せる。


 じゅう、と音を立て肉汁が流れ出る。


 飛び散る細かな油とともに、白い煙がたちのぼる。


 焦げ目が付かないように、裏返す。


 半身に薄い茶色を纏った肉を、箸でつまむ。


 澄んだ肉汁と紅い肉汁が箸の先に混じり、溢れだす。


 ひときわ大きく、ぢゅうと音を立てる。


 また、裏返す。


 香ばしさが、広がる。


 づゅゅぅぅ、やがて濁音があいまいになる。


 ところどころ濃い焼き目のついた肉を、紙皿に運ぶ。


 セブンイレブンの、甘口のタレにつける。


 存分につける。


 ふうぅ、と息を吹きかける。


 頬張る。


 牛の肉の、香りと脂の味わいが踊りだす。


 程よい弾力。


 ぎゅうと、噛み締める。


 肉を食べている感に、何度も何度も浸る。


 噛み残った筋っぽい部分を、ぬるいビールで胃に流し込む。


 喉を通り食道を抜け、胃の底へとたどり着く。


 鼻の穴が、広がる。


 生キャベツに伸ばした指先と、指先が触れる。


 柔らかに、玉ねぎの焼き音が失われる。


 ふぅぅ、と息を吐き出す。


 箸をひっくり返して、厚めの肉をつかむ。


 その前にもう一口、ビールを煽る。


 肉2枚分の、感謝と幸せをしっかりと噛みしめた。


 小さな鼻をぷっくりふくらませた、あなたとともに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 『そうなってしまった理由はあるのですが、書いていません』 などと書くヒマがあるなら…作品内でキッチリ描くべきでしょうし、それを【やらない】のは、作者の怠慢か傲慢でしょう。 作品というの…
2019/07/28 03:14 退会済み
管理
[良い点] 美味しそう。(笑) [気になる点] 忌み箸・嫌い箸 嫌い箸(きらいばし)は、忌み箸(いみばし)、禁じ箸(きんじばし)とも言い、箸食文化圏においてマナー違反とされている箸の使い方である。 …
2019/07/28 00:59 退会済み
管理
[良い点] 飯テロだ〜 [気になる点] 飯テロだ〜! [一言] 飯テロだ〜!! ……セブン◯レブンってこのままで大丈夫なの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ