#02 獄焔の魔術師
ー翌日・シャーロット邸ー
前日、ラウズに一日中魔法やら特典やら何とかを教えられたせいで頭が痛い。空間を削り取るスタンド使いではないが、昔から小難しい事を考えると頭が痛くなる性分なのだ。後、現在の俺は恐らく究極にチートだ。理由は、この世界にある特典と言う者が俺は珍しく二つあり、一つは怪奇の魔術師と言うまぁ怪人やら怪獣やら宇宙人を使い魔として召喚できる事、もう一つは時の魔術師と言う時間を進めたり停止させた逆行させる事が出来、更には空間、次元を操れると言うこれ単体でもチートな特典である。
「いや~此から俺のチートライフが始まるのか~♪」
鼻歌を鳴らしながら着ていた白と黒の半袖半ズボンに着替え、ラウズが言っていた大広間に向かう。なんでも、紹介したい人が居るとかなんとか。
「どれどれ、ちょっと特典使ってみるか」
特典は、その特典名を叫ぶ事によって発動するらしいので、時の魔術師と叫ぶ。
すると、意識が覚醒し、周囲の動きが遅く見える。
「クロックアップかよ…」
大広間に向かう間に、メイド服の少女や剣士に似た容貌の男性を見たが、彼らに声を掛けるのは後で後で。そう思いながら大広間に向かった。
「いや~特典はどうだった?」
大広間に到着して、ラウズに最初に掛けられた言葉はそれだった。
「いやなんっ…?」
おかしい。加速した時の中では俺以外誰も動けないはずだ。するとラウズはまたも俺の心を見透かしたかのように、
「さっき君が見えた廊下の一番奥からこの大広間までは僕が走っても30秒はかかる。でも、今君が此処までくるのに5秒だったんだ。そしたら君の時の魔術師を使ったんじゃないか、そう推測しただけだよ?」
と答えた。洞察力と観察力に驚きつつも本題に移る。
「ナンデボクヲヨンダンデズガァ!?」
またしてもオンドゥル語で聞くと、もう無視と言う感じでラウズは続ける。
「君のもう一つの特典、怪奇の魔術師についての講師を紹介したくてね。このシャーロット邸随一の魔術師、
<獄焔の魔術師>シェリー・リュミエールだよ!」
そこに立って居たのは、パジャマ姿のロリッ娘だった…