#01 怪人を助ける怪人
次に俺の目が覚めたのは人工的な建物だった。俺は白い大理石で作られた寝室のふかふかのベッドに寝かされていた。起き上がろうとすると、全身に激痛が走った。
「あ~、、、まだ動くな。体が完全にサファリアンと融合してない」
男性の声と共に念動力の様な者で再びベッドに寝かし付けられる俺。怪我人は優しく扱えよ。全く。そう思ったが口には出さない。すると、先程の声の主が此方に姿を現した。
・・・・・・
「俺はラウズ・シャーロット。この屋敷の当主だ。種族はアンタと同じ元人間で今はアンデッドだ」
その自己紹介で、アンタと同じと言う所が一瞬で俺の思考回路を混線させた。アンタと同じ元人間。つまり其は自分が今はもう人間では無いと言う事を表していた。
「まぁこの屋敷の魔術師の一人が怪人_サファリアンって言うお前の種族の力をサファリアンクリスタルって言うのにしたから、『変身!』って言わない限り人間の姿だから安心しな。身体能力とか特殊攻撃は使えるぜ?」
とラウズと名乗る男性は心を読んだかの様に説明する。其を聞いて安心したが、またある疑問が生まれる。
「ナンデカイジンヲホゴシタンデズガァ!」
そう。何故怪人を助ける必要が合ったのか。怪人は人間に害を与える存在。それを助けるなんてメリットが何一つ感じられない。そう思った俺はラウズに聞いてみる。
「いやなんでオンドゥル語で聞くの…それはね、僕も怪人だからだよ。僕は怪人としてはブレイドアンデッドって言う怪人でね。娘をアンデッドっていう怪人から庇って怪人化したんだけど…アンデッドはその名の通り限り無く不死身に近い存在…ヒューマンアンデッドに倒されない限りは死なないんだ。それで、娘が庭に怪人が刺さってる聞いて、保護したんだ…そうそう、君の<特典>についても教えてしんぜよう…」
話が別の方向に向いたので整理すると、ラウズは自分も怪人だから。其だけの理由で俺を助けたらしい。
その後、俺は丸一日この世界に付いてラウズから指導を受けていた…