#00 死亡そして…?
「お先失礼しまーす」
「ん、おう」
そう言って俺_望月 亮はバイト先のコンビニを出て家に帰ろうとする。
何時もならそのまま家に帰って寝るはずだった。
けど今日は全く違った。
「グルゥゥゥ?」
目の前に、”怪人”が立っていて、今にも女性を襲おうとしていた、俺は偶然その現場に鉢合わせた。
怪人は俺を見つけると、灰色の肌から触手を出現させた。怪人の目は獲物を捕食する生物の目をしていた。
「キャァァイァァ!」
怪人は奇妙な叫び声と共に触手を俺の口に侵入させた。
「ぐぁぁっっっっ!」
熱い、熱い、熱い。痛い、痛い、痛い。熱さと痛みの感情が全身を支配する。
自分の中に、自分ではない者が入って来ている感覚がハッキリと分かった。
それでも。バイトしかしてない糞みたいな人生でも最後ぐらいは。覚悟を決め、
「うりゃぁぁぁ!」
触手を腕で引きちぎり、其処から逃走する。幸いにも怪人は女性に見向きもせずこちらにやって来た。
そして、裏路地に駆け込んだ所で、一気に全身の力と意識が消滅した…
これが死。暗い空間の中で、人生を怪人に終わらせられた事が悔しかったが、平穏にこれまで過ごせた事を神に感謝しながら、俺は死んだ。